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小笠原諸島の父島や母島への旅、小笠原旅行といえば、東京と父島との間の唯一の交通手段であるフェリー、“おがさわら丸”の往復チケット「船」と、現地ホテルや民宿「宿」とがセットになった「おがまるパック」が有名です。
たしかに「おがまるパック」であれば電話一本で「船」と「宿」をまとめて予約できるので便利とは言えますが、航空券とホテルとのセット予約である「ダイナミックパッケージ」とは似て非なるもの。費用的には「船」と「宿」とを自分でバラバラに予約する「船と宿の個別手配」に比べて必ずしも安くなるわけではありません。
また、「おがまるパック」は、「船」と「宿」の予約を同時のタイミングで行うシステムであり、“おがさわら丸”の往復チケットの発売日より前に「宿」を押さえておくことができません。「おがまるパック」では、混みあう時期には希望する宿を選ぶことが難しいということも少なくありません。
小笠原旅行については、旅行会社が主催する「パック旅行」に参加するという方法もあります。費用的には「おがまるパック」や「船と宿の個別手配」にかないませんが、「船」と「宿」に加えて現地でのオプショナルツアーまで、旅行会社の「パック旅行」を申し込む際にオンライン上一発で申し込むことができるので便利です。しかも、“おがさわら丸”の往復チケットの発売日より前に「宿」を押さえておくことが可能です。
以上のとおり、小笠原旅行の予約は、フェリー(船)とホテル(宿)の予約方法として、「おがまるパック」、「船と宿の個別手配」、「パック旅行」があります。本記事ではこれら予約方法や費用を比較し、私の体験を交えながらニーズに応じたおすすめを提案したいと思います。
フェリー(船)とホテル(宿)の費用:「おがまるパック」と「船と宿の個別手配」との料金
フェリー(船)とホテル(宿)の費用については、「おがまるパック」に組み込まれている“おがさわら丸”の往復チケット「船」と、「おがまるパック」で選択可能な現地ホテルや民宿「宿」について簡単に説明したうえで、「おがまるパック」と「船と宿の個別手配」との料金比較をしてみます。
「おがまるパック」に組み込まれている「船」の船席
「おがまるパック」に組み込まれている「船」の船席は、“おがさわら丸”の2等寝台(エコノミーベッド)となっています。2等寝台の料金は、個別に手配すると片道30,580円(2024年4月出発でネット割適用の場合)です。
2等寝台は、個室ではなく開放型の寝台ベッドとなりますが、カーテンを閉めればプライバシーは確保できますし、一人一個の専用電源コンセントが設置されているので、最もコスパの良いおすすめ船席と言えます。
ちなみに「おがまるパック」を利用する場合は選択不可ですが、“おがさわら丸”には2等寝台より下のグレードで2等和室(エコノミー)という大広間で雑魚寝タイプの船席もあります。2等和室の料金は片道26,840円(2024年4月出発でネット割適用の場合)となり、2等寝台より10%ほど安いのですが、カーテンなどの仕切りが無くプライバシーが確保しにくいことと、電源コンセントが共用のものしかありません。これで片道24時間すごすのは不便と言えますので、2等和室はあまりコスパの良い船席とは言えません。
逆に「おがまるパック」で追加料金を払えば、特2等寝台(プレミアムベッド)や1等寝台(スタンダード)などにグレードアップできますが、特2等寝台で片道一人8,820円(通常期)、1等寝台で片道一人22,570円(通常期)の追加となり結構な費用がかかってしまいます。船で快適にすごすことも小笠原旅行では重要なポイントにはなりますので、予算の許す範囲でニーズにあうようであればグレードアップも一考の価値はあります。
「おがまるパック」で選択可能な現地ホテルや民宿「宿」
次に、「おがまるパック」で選択可能な現地ホテルや民宿「宿」ですが、父島17軒と母島4軒(2024年3月時点)となっています。このうち、“おがさわら丸”が発着する二見港のそばにあって観光、食事、買い物に便利な大村地区の「宿」は10軒となっています。なお、「おがまるパック」の対象となっていない「宿」も複数あります。
「おがまるパック」と「船と宿の個別手配」との料金比較
例えば、2024年4月15日出発(通常期)において、「船」は“おがさわら丸”の2等寝台を往復で利用(「おがまるパック」の基本設定)し、「宿」は大村地区の「パパスアイランドリゾート」3泊または「民宿ささもと」3泊を2名1室で利用した場合の一人当たりの費用を、「おがまるパック」と「船と宿の個別手配」とで以下のように調べてみました(2024年3月19日調査)。
おがまるパック | 船と宿の個別手配 | |
パパスアイランドリゾート | 総額:110,000円/人 | 船往復(ネット割):61,160円
宿3泊:13,420円×3 総額:101,420円/人 |
民宿ささもと | 総額:86,000円/人 | 船往復(ネット割):61,160円
宿3泊:8,500円×3 総額:86,660円/人 |
「おがまるパック」では現地での観光オプション(オプショナルツアー)を割引料金で申し込み可能です。この観光オプションを申し込むことで「おがまるパック」利用の金銭的メリットが発揮されます。
申し込み可能な観光オプションは「バス半日観光+クルーズ1日観光」のセットまたは「バス半日観光+クルーズ半日観光」のセットとなっています。ホエールウォッチングが可能な時期ならクルーズに時間をとれる「バス半日観光+クルーズ1日観光」のほうがおすすめです。
「おがまるパック」を利用する場合と「船と宿の個別手配」の場合とで観光オプションの料金を比較すると以下のようになります(観光オプションは小笠原観光有限会社の主催によるものです)。
おがまるパック | 船と宿の個別手配 | |
バス半日観光+クルーズ1日観光 | 総額:15,000円/人 | バス半日観光:4,000円
クルーズ1日観光:13,000円 総額:17,000円/人 |
バス半日観光+クルーズ半日観光 | 総額:10,000円/人 | バス半日観光:4,000円
クルーズ半日観光:8,000円 総額:12,000円/人 |
料金比較の結果による結論
上記の「おがまるパック」と「船と宿の個別手配」との料金比較結果からすると、例えば2024年4月15日出発で「パパスアイランドリゾート」に2名1室で3泊する場合は、「おがまるパック」を利用するよりも「船と宿の個別手配」にするほうが、一人当たり8,580円安く、観光オプションを利用したとしても、「おがまるパック」を利用するよりも「船と宿の個別手配」にするほうが、一人当たり6,580円安くなることがわかります。
一方で、2024年4月15日出発で「民宿ささもと」に2名1室で3泊する場合は、「おがまるパック」を利用するよりも「船と宿の個別手配」にするほうが、一人当たり660円高く、観光オプションを利用すると、「おがまるパック」を利用するよりも「船と宿の個別手配」にするほうが、一人当たり2,660円高くなることがわかります。
以上のとおり、「おがまるパック」と「船と宿の個別手配」との料金を比較した場合、どの「宿」に宿泊するかによって、「おがまるパック」を利用するほうが安くなる場合もあれば、「船と宿の個別手配」にしたほうが安くなる場合もあることがわかります。
もちろん、「おがまるパック」では上記の観光オプション以外にも、現地で利用できるお得なクーポンが多数付いているので、それらクーポンを最大限活用することで、現地滞在費用の総額を安くすることが可能ですが、頑張っても一人あたり数千円くらいのように思います。
料金の点から見ると、「おがまるパック」は「船と宿の個別手配」に比べてそれほどお得とは言えないというのが私の感想です。なお、旅行会社の「パック旅行」については、金額的には「おがまるパック」や「船と宿の個別手配」にかないませんので、料金の比較は割愛させていただきます。
フェリー(船)とホテル(宿)の予約方法:「おがまるパック」・「船と宿の個別手配」・「パック旅行」の予約方法の違い
次に、フェリー(船)とホテル(宿)の予約方法につき、「おがまるパック」、「船と宿の個別手配」、「パック旅行」の予約方法の違いについて説明します。
「おがまるパック」での予約方法について
東京と父島との間の唯一の交通手段である“おがさわら丸”の往復チケット「船」は、GW、年末年始、7月8月の多客期における一斉発売日を除き、東京出港日の2か月前の同日より、東京発便とその直後の父島発便、つまり往復便について同時に予約可能となります。「おがまるパック」についても、“おがさわら丸”の往復チケット「船」と同じタイミングで予約開始となります。
また、「おがまるパック」では「船」と同時に、現地ホテルや民宿「宿」(3泊)の予約を行います。「宿」だけ「船」より先に予約するとか、逆に「船」の予約のあとで「宿」を予約することはできません。
さらに「おがまるパック」では、希望すれば「船」と「宿」の予約時に、現地での観光オプション(オプショナルツアー)を割引料金で申し込み可能です。申し込み可能な観光オプションは「バス半日観光+クルーズ1日観光」のセットまたは「バス半日観光+クルーズ半日観光」のセットの2種類だけですが、小笠原旅行が初めての場合は申し込んでおいて損はないでしょう。
注意点として、「おがまるパック」の予約は電話でしかできません。希望する「宿」をより確実に予約するためには、争奪戦に勝ち抜く必要があるので、予約開始日の10時(一斉発売日は9時)にあわせて電話をする必要があります。
予約先 | 小笠原海運(株)営業部 |
電話番号 | 03-3451-5171 |
予約受付時間 | 10:00~16:00(一斉発売日のみ 9:00~17:30)
*土・日・祝日・年末年始を除く |
予約受付期間 | 出発日の2か月前から14日前まで |
「船と宿の個別手配」での予約方法について
当然、「船と宿の個別手配」の場合も、“おがさわら丸”の往復チケット「船」は、GW、年末年始、7月8月の多客期における一斉発売日を除き、東京出港日の2か月前の同日より、東京発便とその直後の父島発便、つまり往復便について同時に予約可能となります。
“おがさわら丸”の往復チケット「船」は、「おがまるパック」ではなく「船」単体で予約する場合は、電話だけでなくインターネット予約が可能です。ただしインターネット予約の場合、決済方法はクレジットカードのみとなります。
また、「船と宿の個別手配」の場合、現地ホテルや民宿「宿」(3泊)の予約は、「船」と同時でなくてもよく、希望する「宿」を「船」より先に予約して押さえておくとか、逆に「船」を予約したあとで「宿」を予約するといったことも柔軟に対応可能です。
父島、母島の現地ホテルや民宿については、楽天トラベル、じゃらんnet、Booking.com、アゴダなどのOTAから予約できるホテルも無くはないですが、多くありません。
小笠原観光協会のサイトに主な宿泊施設の予約状況が掲載されていますので、予約状況を確認しながら個々の宿泊施設に個別に連絡をとって「宿」の予約を行うことになります(一部、ネットからの予約が可能な「宿」もあります)。
以上のように「船と宿の個別手配」の場合、「船」と「宿」とをまとめて一度に予約するのではないという不便さはありますが、「船」の予約開始前の早い時期から希望する「宿」を押さえておくことが可能であり、「おがまるパック」のように予約開始日の争奪戦に勝ち残らないといけない、といったストレスが無い点が大きなメリットです。
「パック旅行」での予約方法について
例えば、クラブツーリズムやHISなどから小笠原旅行の「船」と「宿」と現地での観光・アクティビティをセットにした「パック旅行」が提供されています。
いずれの「パック旅行」についても、基本的にはオンラインにより「船」と「宿」と現地での観光・アクティビティをセットで予約できるので便利です。しかも、「船」の予約開始よりずっと早いタイミングから予約することが可能です。
「おがまるパック」や「船と宿の個別手配」によれば、小笠原旅行をできるだけ安くすることが可能ですが、満足度の高い旅行にするためには、「宿」選びや、観光・アクティビティ選びなど、基本的に自分で調査して計画しなければならず、そう簡単ではありません。
旅行のための調査や計画が好きで旅慣れた人であればいいのですが、もしそうでなければ大変です。特に小笠原はまだまだメジャーな観光地ではなく、現地の情報も少ないので、不安も多いだろうと思います。こいった理由で小笠原の父島旅行をためらっている人も少なくありません。
その点、旅行会社が提供する「パック旅行」であれば、「船」や「宿」の予約だけでなく、現地での観光・アクティビティ選びなども組み込まれていたり、旅行会社から提案してもらえたりするので、便利でしかも安心です。
小笠原旅行のおすすめな予約方法
以上のとおり、「おがまるパック」・「船と宿の個別手配」・「パック旅行」とで料金の比較や予約方法の違いについて説明しました。これをふまえて、ニーズにあった小笠原旅行のおすすめな予約方法をご提案します。
小笠原旅行をなるべく安く予約する方法
小笠原旅行をなるべく安く予約したい場合は、基本的には「船と宿の個別手配」により予約を進めながら、希望する「宿」の予約がとれない場合に補助的に「おがまるパック」を利用する方法をおすすめします。具体的には以下のステップで予約をすすめます。
- 【ステップ1】“おがさわら丸”の運行スケジュールが決まったら、出来るだけ早く小笠原旅行の計画を立て、“おがさわら丸”の往復チケット「船」の予約開始日(=「おがまるパック」の予約開始日)よりも先に「宿」を個別で予約する。「宿」の予約ができた場合は、あわせて現地での観光オプション(オプショナルツアー)もこのタイミングで予約しておいてよい。
- 【ステップ2-1】上記ステップ1において希望する「宿」が予約できている場合は、「船」の予約開始日に“おがさわら丸”の往復チケットの予約を行う。「船と宿の個別手配」によって小笠原旅行の予約が完了。
- 【ステップ2-2】上記ステップ1において希望する「宿」が予約できなかった場合は、「船」の予約開始日(=「おがまるパック」の予約開始日)に小笠原海運(株)営業部に朝一で電話して、希望する「宿」を選択して「おがまるパック」の予約にチャレンジする。
- 【ステップ3―1】上記ステップ2-2において希望する「宿」で「おがまるパック」の予約ができた場合は、「おがまるパック」によって予約が完了。「おがまるパック」の予約時に現地での観光オプション(オプショナルツアー)も申し込んでおく。
- 【ステップ3―2】上記ステップ2-2において希望する「宿」が選択できず、「おがまるパック」での予約ができなかった場合、予約の可能な別の「宿」で妥協するか、このタイミングでの小笠原旅行を断念して計画をリスケする。
小笠原旅行を失敗なく確実に予約する方法
一般的に小笠原旅行では、往復の船の移動を含めて5泊6日かかります。人生の中でそう何度も気軽に行ける旅行先ではないと言えます。旅行にかける費用を少しでも安くしたいという気持ちは誰しも同じですが、かといって「宿」選びや現地での観光・アクティビティ選びで失敗したり妥協したりして、小笠原旅行という人生に幾度もないチャンスを無駄にしてしまうのだけは避けたいものです。
例えば、なかなか休暇のとれない社会人であるような場合には、多少費用はかかりますが、旅行会社の提供する「パック旅行」に参加するのがおすすめです。「パック旅行」であれば、「船」や「宿」の予約だけでなく、現地での観光・アクティビティ選びなども組み込まれていたり、旅行会社から提案してもらえたりするので、「宿」選びや現地での観光・アクティビティ選びで失敗したり妥協したりすることがない点で確実で安心できます。
いずれの「パック旅行」についても、「船」の予約開始よりずっと早いタイミングから予約することが可能です。例えば、早ければ半年前くらいから予約を入れることができますので、社会人であっても休暇が取りやすい点で有難いです。
「船と宿の個別手配」での体験レビュー
私は2024年2月下旬に「船と宿の個別手配」により小笠原の父島と母島に行ってきました。そのときの“おがさわら丸”の往復チケット「船」と現地ホテル「宿」の予約などについて、体験レビューを以下ご紹介します。
「おがまるパック」予約開始前には何もしなかった
私の場合はよく調べもせず、「おがまるパック」を利用すれば安く小笠原旅行できると信じきっていました。そのため、「おがまるパック」の予約開始前に「宿」だけ先に押さえるということはしませんでした。
「おがまるパック」の予約は電話のみですが、「おがまるパック」の空席照会は小笠原海運のサイトで確認可能です。念のため、私が予定している旅行時期の直前回まで「おがまるパック」の空席照会をしてみましたが、私が希望する大村地区の「宿」に空室がある状況だったので、予定している旅行時期の「おがまるパック」予約開始後に電話をすれば、問題なく希望する「宿」で予約できるだろうと安心しきっていました。
予約開始日に電話しても「おがまるパック」の予約が不可
予定している旅行時期の「おがまるパック」の予約開始日になり、朝10時に小笠原海運へ電話。「おがまるパック」はネット予約できないのが不便です。電話がなかなかつながらず、1時間ほど時間をおいて再度電話してみることに(これがマズかった)。
すると電話がつながったのですが、すでに大村地区どころか父島にある「宿」は全て満室。母島の「宿」しか残っていない状態でした。
後でわかったのですが、ちょうど2月下旬のこのタイミングから春休みに入る大学生の予約が急増したため、すぐに予約が埋まってしまったようでした。
急遽「船と宿の個別手配」に切り替える
もうこのタイミングで有給休暇をとってしまっています。6日間の休みは日本のサラリーマンにとってはなかなか取得が難しい長期休暇です。小笠原旅行をリスケするにも次はいつ休暇がとれるのかわかりませんので、予定したスケジュールで何としても小笠原に行かなければなりません(最悪、母島の「宿」でも仕方ないと一瞬思った)。
まずは、父島の「宿」を個別に予約してみるということを始めました。後から考えると、小笠原観光協会のサイトより父島の主な宿泊施設の予約状況を確認してから「宿」の予約をすればよかったです。しかし、私はいつも使い慣れているOTA、アゴダで検索し、「シャンティーバンガロー」という宿のドミトリーで3泊予約しました。
「シャンティーバンガロー」は、“おがさわら丸”が発着する二見港から最も遠い小港地区にある「宿」。しかも個室ではなく8人共用部屋のドミトリー(2段ベッドが4台の大部屋)という快適とは言えない内容でしたが、「最悪、母島の「宿」でも仕方ない」と覚悟を決めていたので、父島で宿泊できるということだけで飛びついて予約完了しました。
何とか父島で宿泊できたということと、8,000円/泊という父島での宿泊費としては半額程度に抑えることができたという点で、災い転じて福となす、と思うことにしました。
「宿」の予約完了を確認し、続いて、“おがさわら丸”の2等寝台を往復で予約しました。「船」のチケットだけならオンラインで予約と決済ができるので便利ですよね。“おがさわら丸”の2等寝台のほうは余裕で空いていたようなので、「おがまるパック」は「船」に比べて「宿」のキャパがずっと小さいということがわかります。小笠原旅行をうまく予約するには、希望にあった「宿」をいかに早く確実に押さえるのかが鍵となることがよくわかりました。
“おがさわら丸”の2等寝台を利用した感想
“おがさわら丸”の2等寝台(エコノミーベッド)は快適でした。1区画に向かい合った二段ベッドが2台設置されているものです。行きは上段、帰りは下段でした。下段のほうがベッド空間の半分が壁で仕切られているので個室感があります。上段・下段ともにカーテンで完全に覆うことができるので、必要最小限のプライバシーは確保できます。
ベッドの枕元には電灯と電源コンセントが設置されているので、スマホの充電ができて便利でした。2等寝台は基本的に寝るときにだけ利用するものであり、それ以外の時間は外部デッキに出たり、展望ラウンジ、レストラン、ミニサロンなどですごしたり、といった感じです。
なお、2等和室(エコノミー)をのぞいてみましたが、大広間の雑魚寝スタイルなのでプライバシーが確保できず、学生のグループなどは楽しいかもしれませんが、一人旅やカップルでの旅行には不向きです。電源コンセントも共用のものしかない点、快適とは言えないでしょう。やはり、最もコスパがいいのは2等寝台(エコノミーベッド)です。
「シャンティーバンガロー」のドミトリーに宿泊した感想
「シャンティーバンガロー」のロケーションは、父島の道路網としては最南端にあたる小港地区にあります。父島での食事や買い物、そしてオプショナルツアーの出発地などのほとんどが“おがさわら丸”が発着する二見港のある大村地区に集中しているため、父島滞在中は何をするにしても頻繁に大村地区にアクセスする必要が生じます。つまり、小港地区にある「宿」を選択すると、一般的には小笠原旅行では不便な選択となります。
「シャンティーバンガロー」に限らず大村地区以外の「宿」で予約している場合、“おがさわら丸”到着時の二見港から「宿」への移動と、“おがさわら丸”出航時の「宿」から二見港への移動とは、「宿」のスタッフさんが車で送迎してくれます。それ以外、大村地区と「宿」との間の移動は基本的には自力で移動することになります(一部のオプショナルツアーでは主催者が送迎してくれる場合もあり)。
父島の島内における公共交通手段として村営バスがあります。村営バスの扇浦線という路線が小港地区まで行くのですが、最寄りの村営バスのバス停「小港海岸」から「シャンティーバンガロー」までは約1kmで徒歩15分くらいかかります。村営バスの便数も少ないうえバス停からも近くないので、滞在時の移動手段を村営バスに頼ることはやめたほうがいいでしょう。
「シャンティーバンガロー」に限らず大村地区以外の「宿」で滞在する場合は、滞在期間中、レンタカーまたはレンタルバイクを利用するのがおすすめです。レンタカーやレンタルバイクは大村地区で申し込むことができます。
私は、50cc原付のレンタルバイクを父島での滞在中3泊4日でレンタルしました。レンタサイクルでも不可能ではないですが、父島の島内の道路は結構アップダウンがあるので、電動アシスト自転車でもきついだろうと思います。
このように「シャンティーバンガロー」に滞在中の移動手段についてはレンタルバイクでほぼ解決できました。ちなみに、スーツケースなど原付バイクで運べない大きな荷物は、“おがさわら丸”到着時と出航時の送迎で「シャンティーバンガロー」のスタッフさんに車で運んでもらいました。
日没後の夜間に大村地区から原付バイクで「シャンティーバンガロー」に帰ることについて不安はありましたが、実際に運転してみると特に危険を感じることはなく問題なかったです。
困ったことと言えば、レストランで夕食時にアルコールを頼めないという点。仕方ないのでビールなどを大村地区の商店で買って原付バイクで「シャンティーバンガロー」に帰った後、「シャンティーバンガロー」の食堂や屋外のベンチなどでビールを飲む、という感じの過ごし方になりました。満天の星空を見ながらぼビールも悪くなかったです。
一方、「シャンティーバンガロー」での居住性ですが、ドミトリーなのでプライバシーはありません。もちろん、トイレもシャワーも共用ですし、電源コンセントも共用なのが不便に感じました。ですが、父島滞在期間中は、朝から日没後まで基本的には外出しているので、「宿」は寝るだけです。そう考えると、たとえ個室であっても一日ほぼ荷物置き場にすぎないので、むしろ安価なドミトリーにしたほうがコスパがよいという考え方もできます。
私の場合「シャンティーバンガロー」で何とか楽しむことができましたが、正直な感想としては、やはり大村地区の「宿」に比べるととても不便なので、特にはじめて小笠原旅行をする人にとってはおすすめできません。
現地のオプショナルツアーについて
私の場合、オプショナルツアーは「宿」の予約ができた後で考えて予約しました。参加したのは到着日のナイトツアーと2日目のクルーズ1日観光でした。ちなみに、3日目は自分で母島を日帰り観光し、残った時間は原付バイクで島内めぐりをしました。
ナイトツアーとクルーズ1日観光は、いずれも個別で予約したもので、ツアーの主催者もバラバラ、個別に電話やメールでの連絡となり、連絡しても返事が数日来ないなど、不安も多かったです。結果的には、ツアーの予約や支払いに問題はなく、ツアーの内容も満足できるものでした。
とはいえ自分ですべて手配すると最後まで不安と緊張が続きました。やはり、「おがまるパック」の観光オプション(オプショナルツアー)を申し込んだり、旅行会社が手配してくれる「パック旅行」に参加するほうが不安も少なくで精神的にもよかっただろうと思います。
まとめ
以上のとおり、小笠原旅行の予約方法としては、「おがまるパック」、「船と宿の個別手配」、「パック旅行」があります。私は「おがまるパック」で予約しようとしてうまくいかず、「船と宿の個別手配」に切り替えて予約し、結果的には安くて満足度の高い小笠原旅行となりました。運よく結果はよかったですが、もっとこうしておけばなあと気付いたことも多かったです。私の体験も交えながら、おすすめできる小笠原旅行の予約方法のまとめは次のとおりです。
小笠原旅行をなるべく安く予約したい場合は、「船と宿の個別手配」をメインに進めて、補助的に「おがまるパック」を利用するようにしましょう。ポイントは、できるだけ早い時期に希望にあった「宿」を押さえることです。
父島、母島の現地ホテルや民宿については、楽天トラベル、じゃらんnet、Booking.com、アゴダなどのOTAから予約できるホテルも無くはないですが、多くありません。小笠原観光協会のサイトに宿泊施設の予約状況が掲載されていますので、この予約状況を確認しながら個別に連絡して予約するといいでしょう。
また、小笠原旅行を失敗なく確実に予約したい場合は、「パック旅行」への参加をおすすめします。
「船と宿の個別手配」や「おがまるパック」はどこまでも自己責任で旅行内容を選択・決定することになります。ある程度旅慣れた人でなければ、満足度が低い旅になってしまうなどの失敗をしたり、予約を確実に押さえることができなかったりといったこともあり得ます。その点、旅行会社が手配してくれる「パック旅行」は安心できます。れはお金には代えられないメリットです。
ニーズにあった予約方法をとることにより、一生の思い出に残る素晴らしい小笠原旅行を体験されることを願っています。
大人世代のための秘境・絶景を訪れる旅について、もっと知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
Have a nice trip!