【運行終了】観光列車「奥出雲おろち号」に乗車する際の注意点と乗車レビュー

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【運行終了】観光列車「奥出雲おろち号」に乗車する際の注意点と乗車レビュー

*2023年11月23日をもって観光列車「奥出雲おろち号」の運行は終了しました。

島根県の奥出雲、山間のローカル線をトロッコ列車でのんびり旅する観光列車「奥出雲おろち号」。残念ながら2023年度での引退が発表されています。

今回は、引退間近の観光列車「奥出雲おろち号」の簡単な紹介、アクセス方法や予約方法とその際の注意点、そして私が実際に乗車した際のレビューについてご紹介します。

「奥出雲おろち号」を簡単に紹介

観光列車「奥出雲おろち号」は、金土日・祝日を中心にJR木次線の木次駅~備後落合駅(一部、出雲市始発の便もある)の間を、片道2時間半~3時間かけて1日1往復する全車指定席の列車です。

JR木次線は下の地図のように、島根県と広島県とを中国山地を越えて南北に結ぶ陰陽連絡線の一部でもあり、奥出雲おろち号の始発駅となる木次駅は島根県、折り返し駅となる備後落合駅は広島県に属します。

奥出雲おろち号が走行する木次線は山間のローカル線となり、自然豊かな山間の風景がトロッコ車両から楽しめるほか、三段式スイッチバックという山をジグザグに登っていく走行を楽しめます。また、いくつかの停車駅では、沿線のグルメとしてお弁当やスイーツも購入できますので、楽しさが満載です。

奥出雲おろち号は、DE10型というディーゼル機関車と1号車・2号車の2両の客車(12系客車)からなる編成で、2両の客車のうち1号車のほうは窓の無いトロッコ車両(椅子は木製の硬いもの)、2号車のほうは2×2のリクライニング付きクロスシートからなる窓のある普通の車両です。

奥出雲おろち号の指定席は1号車のトロッコ車両の座席に対して発行されます。2号車の普通の車両のほうは、休憩したりお弁当を食べたりする際の「控え室」として利用できるようになっており、1号車の指定席券を持っている人は、その座席番号と同じ座席番号となる2号車の座席も利用できるようになっています。

「奥出雲おろち号」へのアクセス方法

下図の時刻表(「奥出雲おろち号【JR木次線トロッコ列車】出雲の國・斐伊川サミット」より引用 )にあるとおり、備後落合行きの奥出雲おろち号は木次駅を10:08に発車します。また、日曜や祝日など一部の便は出雲市始発となり、出雲市駅を8:45に発車します。

当日の朝出発して公共交通機関を利用し、備後落合行きの奥出雲おろち号(木次駅10:08発)に乗車するには、宍道駅9:09発の木次行き普通列車に乗車しなければいけません。出雲市始発の便であれば、出雲市駅に8:45までに到着、あるいは宍道駅に9:28までに到着しなければなりません。

東京発のサンライズ出雲が宍道9:45着、岡山発のやくも1号が宍道9:56着であり、いずれも宍道9:09発や9:28発には間に合いませんので、奥出雲おろち号に乗車するためには、出雲市~米子あたりで前日泊する必要があります。

一方、備後落合発・木次行きの帰りの奥出雲おろち号は備後落合駅を12:57に発車しますが、備後落合行きの奥出雲おろち号に乗ってきてそのまま折り返す以外の方法で備後落合駅に公共交通機関を利用して12:57までに到着できる方法は、新見や三次などから朝の5時台や6時台に出発する普通列車を利用するしかなく、備後落合駅に着いてから6時間あまり待ち時間があるといった現実的ではないスケジュールです。

なお、備後落合12:57発の奥出雲おろち号で木次まで乗車すれば、宍道行き普通列車に接続して宍道16:35着となり、特急やくも28号に乗り換えれば岡山20:25着、新幹線で当日中に新大阪はもちろん、東京まで戻ることが可能です。

以上、「奥出雲おろち号へのアクセス方法」のまとめとしては、出雲市~米子あたりで前日泊する必要があり、そうしないと当日朝、備後落合行きの奥出雲おろち号に乗車できないことになるので注意が必要です。

また、行きの奥出雲おろち号に終点の備後落合まで乗車したら、備後落合駅でそのまま折り返しの奥出雲おろち号に木次まで乗車するのがおすすめです。木次から普通列車、特急やくも、新幹線と乗り継いでその日のうちに大阪や東京に戻ることができるからです。

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「奥出雲おろち号」の予約方法

奥出雲おろち号の運転日は、奥出雲おろち号【JR木次線トロッコ列車】出雲の國・斐伊川サミットなどで確認できます。

予約は、全国のみどりの窓口、主な旅行会社、JR西日本e5489、JR東日本えきねっと、などで、乗車日の一ヶ月前朝10時から可能です。人気列車であるうえ、実質客車1両分しか座席指定ができないので、なかなか予約がとれないかもしれません。クラブツーリズムさんなどの旅行会社では、奥出雲おろち号に乗車するツアーを販売しておりますので、もしかするとツアーとして参加するほうが、予約は取りやすいかもしれません。

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あと、こうしたJR人気列車の予約全てに言えることですが、予約が取れなくても毎日空席を確認していれば、ポコッとキャンセルが発生して予約が取れることがよくあるので、あきらめずに毎日チェックを続けるといいでしょう。たとえば、私の経験からは、乗車日の一ヶ月予約開始日の夜とか、乗車一週間前や三日前とかに、キャンセルが発生しやすいようです。

なお、予約取得を頑張った結果、奥出雲おろち号の往復どちらも予約が取れた場合、往復どちらも予約が取れなかった場合はわかりやすいですが、奥出雲おろち号の片道どちらかだけ予約が取れた場合は旅行自体をキャンセルするか、無理してでも片道乗車するのか迷ってしまうかもしれません。

例えば、木次発・備後落合行きの往路の奥出雲おろち号のみ予約が取れた場合は、終点の備後落合から芸備線の普通列車に乗り換えて新見に抜け、新見から特急やくもに乗車して岡山に出て、その日のうちに大阪や東京に戻ることができます。出雲市~米子あたりでの前日泊についてもそのままで変更不要ですので、木次発・備後落合行きの往路の奥出雲おろち号のみ予約が取れた場合はそのまま強行するのがいいと思います。

一方、備後落合発・木次行きの復路の奥出雲おろち号のみ予約が取れた場合は少々厄介です。備後落合駅から乗車するのであれば、備後落合や新見で前日泊し、新見からであれば、当日朝、新見5:17発の備後落合行き快速に乗車して備後落合駅に向かうことになります。もし既に出雲市~米子あたりでの前日泊を予約していたのであれば、直前で宿泊地を変更することになるので、キャンセル料などがかかってしまう点と、備後落合駅での待ち時間が長いというのが難点です。

あるいは、出雲市~米子あたりで前日泊というのはそのままで、当日の朝、宍道から木次へ移動し、木次12:00発の備後落合行き普通列車で奥出雲おろち号を追いかけると、折り返して来た奥出雲おろち号に出雲坂根駅から乗車できます。

この場合、出雲坂根から先の三段式スイッチバックや奥出雲ループなどを見ることができないという難点がありますが、トロッコ列車で自然を満喫することは可能なので、私の考えとしては、乗車する価値は十分あると思います。

「奥出雲おろち号」の乗車レビュー

木次駅から奥出雲おろち号に乗車

2022年11月11日(金)、出雲市駅前のホテルで前日泊し、出雲市8:39発の米子行き普通列車に乗車。宍道駅で木次線に乗り換え、宍道9:09発の木次行き普通列車で木次9:43着。駅名標が「き♡」となっているのが面白いです。

少しすると、木次駅の奥にある車庫から奥出雲おろち号が出庫してきました。奥出雲おろち号は一旦、備後落合方面へ出て行って線路を転線して戻って来るかたちで9:50頃ホームに入線してきました。ちょうどいい具合に、奥出雲おろち号の入線シーンを見物できる時間に木次駅に到着できるのは有難いです。

先ほど木次まで乗ってきた普通列車が到着したホームが「1番のりば」で、奥出雲おろち号が入線するのは構内踏切を渡って反対ホームの「2番のりば」となりますが、奥出雲おろち号の発車時刻10:08まで時間に余裕がありますので、奥出雲おろち号の入線シーンの撮影は「1番のりば」のほうで行いました。こちらのほうが列車の全体がよく見えて撮影もしやすいです。

その後、構内踏切を渡って「2番のりば」に移動。ホームでは飲み物などの販売があったので、コーヒー牛乳を1つ買いました。とてもおいしかったです。

往路ではトロッコ車両を避け2号車で過ごす

そして、いよいよ待ちに待った奥出雲おろち号へ乗り込みます。まずは、指定席券に表示された1号車トロッコ車両の座席へ行ってみました。

ここは木製の4人掛けボックスシート。座席幅も小さめで、荷物棚もなく、ちょっと窮屈な感じです。私の席は窓側だったのですが、一度席に入ると簡単には出てこれそうにもなく、ゆっくりできそうにないので2号車のほうに行くことにしました。

やはり皆さん1号車トロッコ車両のほうに集まっているようで、2号車のほうはガラガラ。おかげで、リクライニングのクロスシートに座ってゆっくりくつろげそうです。

往復で6時間も乗車するので、焦らなくても最初は2号車でスタートすることにしました。そのうちトロッコ車両で疲れた人たちが2号車に来るでしょうから、トロッコ車両が空いてくればそっちに行けばいいのです。

ちなみに、トイレ(和式トイレ)と洗面所は2号車のほうにあります。出雲坂根駅には洋式の多目的トイレがあるそうですが、停車時間が5分なので、なかなか厳しそうです。和式トイレが苦手な人は水分を控えめにするなどの対策が必要でしょう。

往路では沿線のグルメを楽しむことができる

木次から備後落合に向かう奥出雲おろち号の往路では、駅に停車するたびにお弁当屋スイーツなどの沿線のグルメの販売がありました。ただし、そのほとんどが予約制になっていました。実は、私はお弁当が予約制ということを知らず、亀嵩駅で「そば弁当」を買おうとしたのですが、余分はないとのことでダメでした。

今回の最大の失敗は、この予約制を知らずに、お弁当などの予約を全くしていなかったことです。美味しそうな「そば弁当」を横目で見ながら、昼食抜きのまま15時過ぎまで我慢する羽目になりました。

もし、お弁当やスイーツを楽しむのであれば、狭いトロッコ車両よりは2号車のクロスシーとの座席のほうが有利です。今回は失敗でしたが、お弁当やスイーツを予約できていたなら、木次から備後落合に向かう奥出雲おろち号の往路では2号車で過ごすというのは、なかなか良い作戦であると思いました。

ハイライトのスイッチバックと奥出雲おろちループ

2号車で1時間以上過ごし、スイッチバックのある出雲坂根駅が近づいて来たので、1号車のトロッコ車両に移動してみました。トロッコ車両では相変わらずの賑わいでした。どうやら地元の老人会や幼稚園児などの団体さんも乗車しているようで、皆さん大いに盛り上がっておりました。

出雲坂根駅を出発する際、運よく1号車前端の前面展望のポジションを確保できました。奥出雲おろち号は、備後落合側より1号車、2号車、ディーゼル機関車という順番で編成されており、備後落合に向かう際には基本的に1号車を先頭に、ディーゼル機関車が一番後ろから押すかたちで走行します。1号車の前端部には運転席があって、1号車を先頭にして走行する場合には1号車の運転席で操縦ができるようになっています。

出雲坂根駅から備後落合方面に出発する際には、まずディーゼル機関車を先頭にしてバックして折り返す方向に進みます。前面展望のポジションからは列車がバックしていく様子が見えました。三段式スイッチバックの最初の折り返しです。

バックで少し進むと停車。運転手さんが車内を通って1号車前端部の運転席に戻って来ました。そして、信号が青に変わって今度は1号車を先頭にして折り返す方向に発車。ジグザグに勾配を登って行く様子がよくわかりました。相当きつい上り坂のようで、列車の速度も遅くなり、苦しそうでした。

そうこうしているうちに、いくつかのトンネルを抜けて絶景が現れました。「奥出雲おろちループ」とそれに連なる「三井野大橋」です。とくに、山の中にある真っ赤な色をした三井野大橋はとても美しかったです。

三井野原駅に到着。ここで団体さんは下車して、駅前に待機していたバスなどに乗車したようでした。トロッコ車両も空席が目立つようになり、落ち着いて車窓を楽しめる雰囲気になりました。結局、終点の備後落合駅まで乗る人は半分くらいだったようです。

備後落合駅で折り返し乗車

備後落合駅では20分ほど停車し、車内清掃等もなく折り返しになります。備後落合駅では記念品やペットボトルのお茶なども販売していましたが、残念ながらお弁当の販売はありませんでした。仕方なく、お茶だけを購入。ちなみに、備後落合駅にもトイレがありますが、全て和式のようでした。

備後落合駅を出発。木次に戻る復路の奥出雲おろち号は、往路に比べて明らかに乗客は少なかったです。復路は落ち着いた雰囲気の中、1号車のトロッコ車両で車窓を楽しむことができました。トロッコ車両で注意すべきなのは、窓が無いため木の葉や小枝が列車内に入ってくることがあること。カメラで風景を撮影するときは、小枝などでケガをする可能性もありますから十分注意しなければなりません。

復路は出雲坂根と出雲三成で長時間停車

復路では出雲坂根駅で18分の停車時間がありました。奥出雲おろち号を撮影するには絶好の機会です。山々を背景にいい感じで写真を撮ることができました。また、ホームの片隅に「延命水」と呼ばれる湧き水があります。その名のとおり、長寿の霊水だそうで、飲んでみましたが美味しいお水でした。

その後、出雲三成駅でも20分の停車時間がありました。出雲三成駅には「仁多特産市」という売店が隣接しており、私はここでなんとか「そば弁当」を購入することができました。15時を過ぎた遅い昼食になりましたが、なかなか美味しい「そば弁当」でした。この売店では、ほかにも土地の野菜、果物、名産品、記念品、お菓子や飲み物なども販売していました。20分の停車時間がありますので、ぜひ立ち寄ってみるのをおすすめします。

6時間の旅を終えて木次駅に到着

出雲三成を出ると40分ほどで終着の木次に定刻15:57に到着。奥出雲おろち号での往復6時間は、長いようにも思いますが、車内では1号車と2号車の間をうろうろしたり、停車駅ではホームに降りて撮影したりと、結構やることが多く、感覚的にはあっという間でした。

奥出雲おろち号を降りると、木次から宍道へ戻る16:00発の普通列車はすでにホームに停車しており、発車ベルが鳴っていました。接続時間が3分しかないので急いで乗り換えとなりました。16:00の普通列車の次は17:00まで列車が来ないので、お気をつけください。

よろしければYoutubeの動画のほうもご覧ください。

まとめ

以上、2023年度での引退が発表されている観光列車「奥出雲おろち号」についてご紹介しました。実際に乗車してみてとても楽しい鉄道旅でしたので、機会があれば是非乗ってみられることをおすすめします。

注意点としては、予約が取りにくいので乗車の一ヶ月前から何度もトライしてみるということ、そして旅行のスケジュールとしては出雲市~米子あたりで前日泊は必要になることです。

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また、木次線の沿線で販売されるお弁当やスイーツについては事前予約が必要なものが多いので、サイトでチェックして予約をしておきましょう。

Have a nice trip!

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