首都圏に近いJR八高線、ディーゼル車が走るのんびりローカル線

埼玉県日高市にあるJR高麗川駅と群馬県のJR高崎駅とを結ぶ八高線区間は、東京から最も近い非電化単線区間となっています。キハ110という2両編成のディーゼル車(気動車)がのんびり走る光景は、東北のローカル線に来たかのような気分になります。

今回は、首都圏からの日帰りで、八高線のディーゼル車で鉄道旅を楽しむプランについてご紹介しようと思います。

JR八高線について

JR八高線は、東京都八王子市の八王子駅から群馬県高崎市の倉賀野駅までを結ぶ92kmに及ぶ鉄道路線です。「八高線」の「八」は八王子駅に、「高」は高崎駅に由来。八高線の北端は倉賀野駅なので、本来「八倉線」とでも呼ぶべきですが、倉賀野駅で接続する高崎線で倉賀野駅の1つ隣の駅が高崎駅という大きな駅なので、「八倉」ではなく「八高」になってしまったのだと思います。実際、八高線の列車の北側終着駅は倉賀野駅ではなく、倉賀野駅から高崎線に合流して1つ先の高崎駅となっています。

そんな八高線ですが、八高南線と呼ばれる八王子駅から高麗川駅までの区間は電化されており、E231系など都会的な電車により運用されています。一方、八高北線と呼ばれる高麗川駅から倉賀野駅までの区間は非電化となっており(正確には、北藤岡駅のすぐ先から倉賀野駅までは高崎線と線路を共用しているため一応電化区間ではある)、高麗川と高崎との間で運行されている列車はディーゼル車(気動車)のキハ110になっています。今回ご紹介するのは、ディーゼル車が運行されている八高北線のほうになります。

八高線の利用プラン

JR八高線は、JR線だけでなく、東武線や西武線などとも接続していてアクセス経路は意外に多くあります。ここではその中でも首都圏からの日帰り旅行で使えそうな利用プランをいくつかご紹介することにします。

八高北線を乗り通すプラン

八高北線を高麗川から倉賀野(高崎)まで(またはその逆で)乗り通すプランです。基本的には途中下車などはせず、ひたすら鉄道旅を味わうプランになります。高麗川から倉賀野(高崎)まで乗り通すと乗車時間は1時間30分~1時間40分ほどありますので、ディーゼル車での鉄道旅は十分すぎるほどに堪能できます。高麗川から倉賀野までの運賃は1,166円、高崎までの運賃は1,342円です(運賃を分割した場合の値段)。

このプランでは、東京方面から高麗川までのアクセス方法と、倉賀野(高崎)から東京方面へのアクセス方法とをご紹介することになります。なお、倉賀野(高崎)から東京方面へのアクセスはJR線だけとなり単純で、高崎線・湘南新宿ラインの特別快速を利用して池袋、新宿方面へ(池袋・新宿まで運賃1,980円)、高崎線・上野東京ラインを利用して上野、東京方面へ(上野・東京まで運賃1,980円)、いずれも一本でアクセスでき、所要時間は2時間弱となります。

一方、東京方面から高麗川までのアクセス方法は少々複雑です。JR線だけを利用する方法や東武や西武などの私鉄線とJR線とをあわせる方法など何パターンかありますので、以下で個別に解説します。

JR線だけで高麗川へアクセスする方法

JR線だけを利用する場合、高麗川までは、新宿から中央線・青梅線と乗り継いで拝島へ、拝島から八高南線で高麗川にアクセスできます。新宿と高麗川との間の所要時間は乗継時間を入れて1時間20分~1時間40分くらいとなります(高麗川までの運賃990円)。

あるいは池袋からでは、埼京線・川越線と乗り継いで川越へ、川越から川越線で高麗川にアクセスできます。池袋と高麗川との間の所要時間は乗継時間を入れて1時間30分程度となります(高麗川までの運賃990円)。

上記の拝島経由で高麗川へアクセスする場合は、いわゆる「大回り乗車」(詳しくは時刻表などの「大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例」をご参照ください。)により安価な運賃で楽しむことも可能となります。例えば、新宿から乗車して中央線・青梅線と乗り継ぎ、拝島から八高南線で高麗川へ、高麗川から八高北線で倉賀野へ、倉賀野から高崎線・湘南新宿ラインに乗り池袋で下車というコースをとり、途中下車(駅の改札から出場)を全くしないなら、新宿から池袋まで一筆書きのコースとなるので、運賃は新宿-池袋の157円だけとなります。本来なら往復4,000円ほどかかるところを160円ほどで利用できるので有難いですね。

西武線とJR線で高麗川へアクセスする方法

西武線を利用する方法は2通りあります。1つは、西武新宿から拝島行き急行に乗車して拝島で下車(所要時間約50分、運賃440円)、拝島からJR八高線で高麗川まで乗車(所要時間約30分、運賃418円)という方法です。あわせると所要時間約1時間半で運賃は858円となります。

もう1つは、池袋から西武池袋線で飯能へ、飯能で乗り換えて東飯能で下車(所要時間約1時間、運賃503円)、東飯能からJR八高線で高麗川まで1駅乗車(所要時間約5分、運賃189円)という方法です。あわせると所要時間1時間半弱で運賃は692円となります。

西武線とJR線を利用する方法では、JR線だけを利用する方法と比べて、運賃が若干安くなる可能性があること、拝島や東飯能で途中下車が必須となるため、拝島や東飯能で昼食をとるなどの利用ができるならメリットとなり得ます。所要時間はそれほど変わりません。

東武線とJR線で高麗川へアクセスする方法

東武線とJR線とを利用して高麗川へアクセスする方法は、池袋から東武東上線の急行などを利用して川越で下車(所要時間約30分、運賃471円)、川越からJR川越線で高麗川まで乗車(所要時間30分弱、運賃418円)という方法です。あわせると所要時間1時間強で運賃は889円となります。

東武線とJR線を利用する方法では、JR線だけを利用する方法と比べて、運賃が若干安くなる可能性があること、所要時間も若干短くなる可能性があること、そして川越での途中下車が必須となるため、川越で昼食をとるなどの利用ができるならメリットとなり得ます。また、東武東上線は地下鉄副都心線・有楽町線への乗り入れもありますので、渋谷や横浜方面からでも利用できる点が便利です。

折り返すときの注意点

八高線と高崎線との間を倉賀野ではなく高崎まで乗車して折り返す場合、高崎-倉賀野間が往復となってしまうため運賃の通算が出来ず、高崎駅で一旦改札を出て入りなおす必要が生じます。高崎で下車して昼食などをとる予定が無い限りは、特別快速も倉賀野に停車しますので、八高線と高崎線との間は倉賀野で折り返すことをおすすめします。なお、高崎から東京方面へ特急など倉賀野を通過する列車を利用する場合には、高崎-倉賀野間を距離計算に含めずに運賃の通算が出来るという例外ルールがあります(詳しくは時刻表などの「分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例」をご参照ください。)。

八高北線の一部区間だけを乗車するプラン

折角なので鉄道旅だけでなく途中下車して観光やハイキングなどもプラスして楽しみたいという場合、八高線を倉賀野(高崎)まで乗るのはちょっと遠すぎる気もします。ここでは高麗川から乗車して程よい駅で戻って来るコースをご紹介します。

実は、八高北線の途中駅である、越生、小川町、寄居は、東武線と連絡している駅でもあるのです。ですので、八高線の鉄道旅のあとは、これらの駅から東武線を使って東京方面へ戻るととても便利です(もちろん逆方向のコースも可)。更には、高麗川をはじめ、これら越生、小川町、寄居の各駅からは、ちょっとした観光やハイキングを楽しむことができます。八高線での鉄道旅を楽しんだ後に、これらの駅周辺で観光やハイキングを楽しんでから東京方面へ戻るコースは充実した日帰りプランになると思います。

例えば、高麗川には、当ブログの記事 “東京から日帰りで探訪できる「高句麗」-高麗神社と聖天院をご紹介 にてご紹介する高麗神社や聖天院といった観光スポットがあるほか、高麗川駅から巡れるハイキングコースもあります。また、越生には、当ブログの記事 【埼玉観光】越生梅林「梅まつり」に行ってきた にてご紹介する「越生梅林」が有名な観光スポットですが、それ以外にも越生駅から巡れるハイキングコースがあります。そして、小川町のハイキングコースや寄居のハイキングコースも人気があります。

プランの一例ですが、東武東上線とJR線とを利用して高麗川へ、高麗川から小川町まで八高線を30分ほど乗車。小川町で下車し昼食をとった後、「万葉集に触れる~まちなか散策コース~」のハイキングを2~3時間ほど楽しむ。帰りは東武東上線の小川町から東京方面へ帰る、というプランなど面白そうです。行きと帰りがともに東武東上線となるので、利便性にも長けています。

まとめ

移動手段である鉄道は、「旅をしているなぁ」という感覚に対して大きな影響力をもつ要素の1つであると思います。東北のローカル線を旅しているような感覚を首都圏から手軽に味わうことのできるのが、今回ご紹介した八高線の鉄道旅になります。

JR線だけでなく私鉄線も利用できるためアクセスの便は意外とよいので、ちょっとした観光やハイキングと組み合わせて非日常的な旅の感覚を味わってみては如何でしょうか?

Have a nice trip!