太平洋戦争での秘密兵器「風船爆弾」が展示されている博物館をご紹介

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太平洋戦争での秘密兵器「風船爆弾」が展示されている博物館をご紹介

「風船爆弾」とは、太平洋戦争において旧日本軍が開発したもので、気球に爆弾を搭載して太平洋を横断させ、米国本土を爆撃した秘密兵器のことです。「気球爆弾」や「ふ号兵器」とも呼ばれています。国内では模型での展示になりますが、東京の「江戸東京博物館」と埼玉の「埼玉県平和資料館(埼玉ピースミュージアム)」にて展示されているので、ご紹介してみたいと思います。

江戸東京博物館に展示されている風船爆弾

江戸東京博物館は、JR両国駅から徒歩3分、両国国技館の隣にある博物館です。江戸・東京の歴史・文化に関わる資料を展示しています。展示エリアは「常設展」・「企画展」・「特別展」の3つからなり、風船爆弾は常設展エリアで展示されています。常設展と企画展を観覧できる「常設展観覧料」(大人600円)が基本となっており、特別展観覧料は特別展の展示内容などによって所定の観覧料が別途必要となります。

常設展(企画展を含む)は5階と6階の2フロアにあり、風船爆弾の展示されている場所は、5階の「東京ゾーン」で「T7/空襲と都民」というコーナーとなります。順路通り観覧するなら、最初に6階まで上って「E1/江戸城と町割り」というコーナーからスタートし、5階に下りて「江戸ゾーン」を観覧し、続いて「東京ゾーン」へ進み、東京ゾーンの後半あたりに「T7/空襲と都民」のコーナーがあります。

「T7/空襲と都民」の標識があるところに来ると、大きな丸い球体が天井から吊るされているのが見えます。これが風船爆弾の模型です。説明によると「風船爆弾の実物を保管しているアメリカ・ワシントンの国立航空宇宙博物館が作成した報告書をもとに、気球部分を約1/5、ゴンドラ部分を約1/2に縮小して製作した模型」とのことです。この模型の大きさ(直径2m)でも太平洋を横断できそうなくらい大きく見えますが、実物(10m)はどれだけ大きかったのだろうかと驚くばかりです。

風船爆弾は、1944年11月から1945年3月までの間に約9,300発が放球され、そのうち約1,000発が米国本土に到達したのだそうです。世界に先駆けて日本の高層気象台では既に1920年代に、日本から太平洋を横断して米国本土へ向かう対流圏上層の強い偏西風「ジェット気流」を発見しており、風船爆弾はこのジェット気流を利用することで実現できたものなのです。

この風船爆弾は、直径10mの気球を天井から吊り下げて製造しなければならず、それが可能な天井の高い施設、日本劇場、東京宝塚劇場、有楽座、浅草国際劇場、両国国技館などが利用されたようです。この江戸東京博物館の隣が両国国技館ですから、そういった所縁があってここに展示されているのかもしれません。なお、風船爆弾が製造されていた当時の両国国技館があった場所は、JR両国駅の南側にある複合施設「両国シティコア」であり、現在の両国国技館は1984年に新築された2代目のものとなります。

あと、風船爆弾の関連ではありませんが、「T7/空襲と都民」コーナーには興味深い展示物がありました。三式戦闘機「飛燕」に撃墜されたB29の12.7mm機銃(実物)が展示されています。高度1万mを飛行するB29に対抗するため、通常では高度8,000mに上がるのがやっとという戦闘機を極限まで軽量化し、体当たり攻撃などを駆使しながら帝都の空を守りました。貴重な戦果の証ですね。

埼玉県平和資料館に展示されている風船爆弾

「埼玉県平和資料館(埼玉ピースミュージアム)」は、下の地図のとおり、東武東上線「高坂駅」で下車、駅西口から川越観光バス(鳩山ニュータウン行き)に乗り8分、「大東文化大学」バス停で下車します(190円)。そこから徒歩約5分となります。物見山公園の中に位置しています。バスは1時間に4本ほど出ていますので、それほど不便ではありません。

埼玉県平和資料館では、主に第二次世界大戦を中心とした埼玉県内の戦争資料を展示しています。博物館の規模はそれほど大きくありませんが、戦争関連の資料は充実しているので、関心のある方には見ごたえのある博物館だと思います。また、館内には41mの展望塔タワーがあり、ここから関東平野が一望できることも魅力のひとつとなっています。入場は無料です。ただし、臨時休館していたり、一部利用停止になっていることもありますので、出かける前にはサイトで最新情報を確認しておくことをおすすめします。

「タイムトンネル」という通路を通って常設展示室に入り、ここの後半あたりのところに大きな丸い球体が天井から吊るされているのが見えます。これが風船爆弾の模型です。

説明によると1/7の模型だそうです。江戸東京博物館にある模型(1/5)よりも少し小ぶりですが、当時の写真をパネルにしたものや構造説明図なども添えてありますので、風船爆弾の構造を理解するにはこちらのほうがわかりやすいかもしれません。

 

この風船爆弾の気球部分はコンニャクと和紙で出来ており、使用された和紙の多くがここ埼玉県の小川町(埼玉県比企郡小川町)で生産された良質の小川和紙「細川紙」なのだそうです。

小川和紙は1,300年の歴史を持ち、国の重要無形文化財の指定を受けているとともに、2014年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されています。伝統工芸が国防にも活かされているという、いかにも日本らしさを感じます。

なお、埼玉県平和資料館の地下1階にあるマルチライブラリーでは、多数の戦争体験者証言ビデオを視聴することができます。私が行ったときは残念ながら利用できなかったのですが、リストを見る限り興味深いものがたくさんあるようです。ビデオの中には、気球紙工場長や紙貼作業に勤労動員された女学生、放球部隊で実際に飛ばした兵士など風船爆弾に関わる様々な方々の体験談を収録したものもあるそうです。

あと、風船爆弾の関連ではありませんが、「松根油の製造釜」(実物)の展示に個人的に興味がありました。松根油とは、松の切り株を乾溜して作る油で、大戦中にはレシプロ機の代用ガソリンやジェット戦闘機「橘花」の燃料として試みられたものです。私の母が戦時中に松の切り株を運ぶ作業を行ったと聞いていましたが、実物を見たのは初めてでした。

まとめ

以上のとおり、風船爆弾の実物は少なくとも国内には存在しませんが、模型なら、東京の江戸東京博物館と埼玉の埼玉県平和資料館(埼玉ピースミュージアム)で見ることができます。風船爆弾や戦争関連だけでなく、江戸や東京の文化全般に興味がある場合には江戸東京博物館がおすすめです。とくに風船爆弾について詳しく知りたいという場合は、埼玉県平和資料館で展示の観覧とビデオの視聴をするのがおすすめとなります。

Have a nice trip!

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