船の科学館「宗谷」の見どころと歴史を徹底解説

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船の科学館「宗谷」の見どころと歴史を徹底解説

船の科学館で展示保存されている「宗谷」は、戦時中に特務艦として活躍し、その後も南極観測船や砕氷船、巡視船として多岐にわたる役割を果たしてきた歴史的な船です。この記事では、宗谷の見どころや歴史、見学料金や営業時間、御船印の入手方法、レストラン情報などを詳しく解説します。また、実際に私が宗谷を見学した際のレビューもあわせてご紹介しますので、訪問前の参考にしてください。

本記事を読んでわかるポイント
・宗谷の歴史とその多岐にわたる役割
・宗谷の見学料金や営業時間、御船印、レストラン情報
・宗谷を見学した際のレビュー

船の科学館「宗谷」の見どころと歴史

 

後ろからの宗谷

船の科学館で展示保存されている宗谷は、戦前、戦中、戦後の激動する歴史を生き抜いた、類まれな艦船です。ここでは、宗谷の見どころと歴史について紹介します。

船の科学館:公式サイト

戦時中の特務艦「宗谷」の役割

宗谷の断面図

戦時中の宗谷は、非常に多岐にわたる役割を果たしました。まず、宗谷は1938年にソ連向けの商船として建造されましたが、日中戦争の激化により引き渡しが中止されました。その後、宗谷は1939年に日本帝国海軍によって買い上げられ、改装が施されて特務艦として運用されることになりました。特務艦とは、特定の任務を遂行するために設計された艦船のことを指します。

宗谷は太平洋戦争中に数々の重要な任務を遂行しました。宗谷は主に輸送任務や測量任務を担い、例えば、北樺太の調査やサイパン島での測量任務など、多くの重要な任務を遂行しました。また、宗谷は砕氷能力を持つため、北洋水域での後方補給や物資輸送にも活躍しました。

ほかにも、1942年のラバウルの戦いやミッドウェー海戦やなど多くの戦闘にも参加し、潜水艦を爆雷で撃退するなどの戦果もあげています。

実は、太平洋戦争中に活躍した日本帝国海軍の艦艇として現存しているのは、この宗谷が唯一です。船の科学館「宗谷」の大きな見どころのひとつは、日本帝国海軍の現存艦艇を実際に見ることができ、乗船することもできるという点です。

南極観測船「宗谷」の活躍

宗谷のエンジンルーム

戦後、宗谷は特務艦としての役割を終えて、海上保安庁に移管され、灯台補給船や巡視船として活躍しました。特に南極観測船としての役割は有名で、日本の南極観測事業において非常に重要な役割を果たしました。1956年から1962年までの間、宗谷は初代南極観測船として6回の南極観測任務を遂行しました。

宗谷は特務艦時代から砕氷船として能力を発揮していました。砕氷船とは、氷を砕きながら航行することができる船のことを指します。そして更なる改造が施されて南極観測船となりました。

例えば、宗谷の船首部は厚さ25mmのキルド鋼板製で、喫水線に対して27度の傾斜角を持つように改造されました。これにより、1メートルの厚さの氷を砕くことができるようになりました。

また、エンジンをディーゼル機関へ換装したり、ヘリコプター発着飛行甲板を新設したりなど、多くの改造が行われました。これにより、宗谷は南極の過酷な環境でも安定した航行が可能となりました。

宗谷は南極観測隊員や物資を運ぶだけでなく、現地での観測活動も支援しました。例えば、昭和基地の建設や気象観測、地質調査など、多岐にわたる任務を遂行しました。特に、1958年の第3次観測では、タロとジロという樺太犬が生還したことで広く知られています。

このように、南極観測船としての宗谷は、日本の南極観測事業の礎を築き、多くの科学的成果をもたらしました。これにより、宗谷は「奇跡の船」として多くの人々に親しまれています。

オレンジ色に塗装された現在の宗谷は、南極観測船時代の船体の色を復元したものです。そのほか、宗谷の船内には南極観測船時代の備品や装備などが多数保存展示されており、これらも宗谷を見学するうえでの大きな見どころのひとつとなっています。

巡視船「宗谷」として

宗谷の操舵室

南極観測船としての任務を終え、巡視船時代の宗谷は、海上保安庁の一員として多くの重要な任務を遂行しました。宗谷は巡視船として、主に北洋水域での警備や救難活動を担当しました。例えば、流氷に閉じ込められた漁船の救助や、密漁の取り締まりなど、多岐にわたる任務を遂行しました。また、医療救助活動も行い、多くの人命を救いました。

さらに、宗谷は海上保安学校の練習船としても使用され、若い海上保安官の育成にも貢献しました。これにより、宗谷は単なる巡視船としてだけでなく、教育船としても重要な役割を果たしました。

このように、巡視船時代の宗谷は、多くの重要な任務を遂行し、日本の海上保安に大きく貢献しました。これにより、宗谷は「海の守り神」として多くの人々に親しまれています。

船の科学館「宗谷」の営業案内

宗谷のデッキにて

ここでは、船の科学館の宗谷を見学する際の営業情報やアクセス方法などについて説明します。

見学料金と営業時間

船の科学館01

2024年10月現在、船の科学館「本館」「別館展示場」「屋外展示資料」は展示公開を終了しており、船の科学館での見学施設としては宗谷のみとなっています。そして、船の科学館の入場料及び宗谷の見学料金は、ともに無料となっています。これは、多くの人々に歴史的な船舶を身近に感じてもらうための取り組みの一環です。ただし、特別展やイベントが開催される場合には、別途料金が発生することがありますので、事前に公式サイトで確認することをおすすめします。

宗谷の営業時間は、通常午前10時から午後5時までとなっています(宗谷への乗船は午後4時30分まで)。ただし、季節やイベントによって営業時間が変更されることがありますので、訪問前に公式サイトで最新の情報を確認することが重要です。また、休館日は、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)と年末年始ですが、臨時休館日もあるので、休館日についても訪問前に公式サイトを確認してください。

アクセス方法

船の科学館の宗谷へのアクセスは、新交通ゆりかもめの利用が便利です。上の地図にある通り、新交通ゆりかもめの「東京国際クルーズターミナル駅」(旧「船の科学館駅」)で下車し、駅の西口側の階段から地上に降りるとすぐ目の前に「船の科学館」があります。

更に少し歩いた先の埠頭に「宗谷」が係留されています。東京国際クルーズターミナル駅から300~400m、徒歩で5分程度です。

 

御船印の入手方法

宗谷の御船印
宗谷「御船印」と「カスタマイズ公式印帳」:船の科学館HPより引用

宗谷の御船印は、船の科学館で宗谷を見学した記念として入手することができます。購入場所は、宗谷の受付で、書置きタイプの「御船印」が1つ500円、蛇腹式の集印帳「カスタマイズ公式印帳」が1冊2,000円となっています。

ちなみに、御船印とは、神社やお寺の御朱印と似た書置きタイプのもので、その船ごとにデザインが異なって近年人気が高まっています。宗谷のほか、フェリーや客船などに乗船した記念として発行されています。

レストランの情報

レストランのイメージ

残念ながら現在の船の科学館にはレストランなど食事のできる施設はありません。また、船の科学館への最寄り駅である東京国際クルーズターミナル駅の近所にも、これといったレストランはありません。

船の科学館への観光とあわせて食事をするのであれば、船の科学館から徒歩1.5km、または「新交通ゆりかもめ」で東京国際クルーズターミナル駅から1駅の台場駅で下車したところにある「ダイバーシティ東京プラザ」「アクアシティお台場」「デックス東京ビーチ」などの大型複合施設に行けば多くのレストランがあるので便利でしょう。

船の科学館「宗谷」の見学レビュー

宗谷の姿

数年前になりますが、私が、船の科学館の宗谷を見学した際のレビューを簡単にご紹介します。新交通ゆりかもめの「東京国際クルーズターミナル駅」(当時は「船の科学館駅」)で下車し、少し歩いた埠頭から「宗谷」へ乗船します。入場料は無料ですが、入り口では船体を保存整備するための協力募金を募っています。

宗谷を見学01

まずは順路に沿って進みながら見学です。第一印象としては、ちょっと古めの客船やフェリーと似たような感じで、昔乗ったことがあるような懐かしさを感じました。

宗谷を見学02

意外と船室が多かったので、乗組員が大勢いたんだなあと思いました。

宗谷を見学03

船内の各部屋は、当時の調度品がそのまま保存展示されています。この部屋は、「士官食堂」です。白いテーブルクロスが豪華に見えます。

宗谷を見学04

一般の船員の寝室です。フェリーの二等室よりも立派ですね。長旅だったのでしょう、ギターも弾いてたんですね。

宗谷を見学05

南極での動物たちのはく製が展示されていました。やはり展示のメインは南極観測船時代のものがほとんどです。

宗谷を見学06

樺太犬のタロとジロのぬいぐるみ。タロとジロの物語は有名ですよね。

宗谷を見学07

南極観測船で換装された8気筒のディーゼルエンジン。とにかくシリンダーが大きい!

宗谷を見学08

上の写真は日本帝国海軍で活躍していた特務艦時代の写真。艦首に機銃が設置されているのが格好いい。外観や塗装も現在の南極観測船のものとは大きく違うようです。

宗谷を見学09

ヘリポート用甲板の下の下層甲板の様子。ちょっと空母っぽいです。

宗谷を見学10

もちろん操舵室にも入ることができます。この窓からミッドウェー海戦の様子を眺めていたとは、感慨深いものがあります。

宗谷を見学11

操舵室の装備類は当時のままのようです。歴史を感じます。

宗谷を見学12

やはり操舵室からの眺めはGood!

宗谷を見学13

艦尾側は大型のヘリコプターも離発着できる「ヘリコプター発着甲板」。第3次南極観測当時は、ヘリコプター4機と航空機1機を搭載していたとのこと。

宗谷を見学14

最後はまた外から宗谷を眺めました。中も外も格好いい艦艇でした。じっくり見ると見学には2時間くらいかかりました。

まとめ:船の科学館「宗谷」の見どころと歴史を徹底解説

今回ご紹介した「宗谷」は東京観光のなかでも穴場的なスポットかもしれませんが、とくに艦船が好きな方や歴史に興味のある方なら、きっと楽しんでいただけるだろうと思います。「ダイバーシティ東京」からも徒歩10分ほどなので、お台場での観光に組み入れてもいいかもしれませんね。

本記事をまとめると以下のとおりです。

  • 宗谷は、太平洋戦争中に特務艦として運用され、ミッドウェー海戦やラバウルの戦いに参加した
  • 戦後は海上保安庁に移管され、南極観測船や巡視船として活躍した
  • 宗谷の見学料金は無料、営業時間 は10:00~17:00(“宗谷”乗船は16:30まで)、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)と年末年始は休館
  • 宗谷の御船印は受付で1つ500円で購入できる
  • 船の科学館やその近くにはレストランが無いので、一駅となりの台場駅近くにある大型複合施設で食事をするのがおすすめ

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Have a nice trip!

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