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「新中央航空」は、東京の調布から、伊豆諸島の大島、新島、神津島、三宅島との間で毎日定期航空便を運行している航空会社です。どの路線も「ドルニエ228」というドイツ製の珍しい小型プロペラ機が運行されており、飛行機好きの方にも人気があるようです。今回は、新中央航空を利用して調布から新島まで搭乗したときのレビューをご紹介したいと思います。
新中央航空の拠点空港「調布飛行場」
新中央航空の拠点空港は調布飛行場という東京都の都営空港です。羽田や成田以外にも東京には定期便の就航している空港があるのですね。調布飛行場は、戦前の昭和16年(1941年)に開設されたというのだから、歴史ある空港のようです。
調布飛行場へのアクセス
調布飛行場への交通案内はこちらのページに詳しく説明されています。京王線の調布駅からの「調40」系統バスや、JR三鷹駅からの「鷹58」系統バスが、調布飛行場のターミナルビル前にあるバス停まで来るので、うまく時間があえばこのいずれかのバスを利用するのが便利です。ただし、本数が多くないので、事前に時刻表で確認してからご利用ください。
本数が多くて使いやすいのは、調布駅北口から出ている「鷹51」、「境91」、「武91」のいずれかのバスに乗車し、途中の「大沢コミュニティーセンター」で下車、下の地図のとおり、ここから調布飛行場のターミナルビルまで900mを徒歩で移動する、という方法です。
私の場合も、調布駅北口から「境91」系統バスに乗り、大沢コミュニティーセンターで下車して調布飛行場まで歩きましたが、坂道の無い平坦な道なので、スーツケースなどの荷物があっても、それほど苦にならないと思います。途中には、三鷹市の史跡になっている「調布飛行場門柱」を見ることができますし、桜並木にもなっているので、桜の季節には奇麗な眺めを楽しむこともできます。
調布飛行場ターミナルビル
調布飛行場ターミナルビルは2階建ての小さなビルです。1階は大きなテレビの前に椅子がたくさん並んだ待合席スペースと、その隣にチェックインカウンターがあるシンプルな構造。自販機はありますが、売店などはありません。
階段で2階に上がると展望室になっており、ガラス窓から駐機エリアにある飛行機を見ることができます。滑走路までは少し距離があり、ビル2階の窓からの眺めになるので、ここから離陸の瞬間を撮影するというのは、ちょっと厳しいかもしれません。
まずはチェックインを行います。私の場合は、オンラインでAM8:30発の新島行きNC201便を予約購入していました。当日は、予約及び支払が完了した際に発行される「搭乗予定案内書」をプリントアウトしていましたので、チェックインカウンターではこの搭乗予定案内書を渡すだけでOKでした(あと、体重を聞かれました。安全にもかかわるので正直に答えること!)。
飛行機が小さいためか、手荷物の重量制限は厳しかったです。預けても、機内持込でも、関係なしに、5kgまでが無料で、5kgを超過すると1kgごとに料金が加算されます(新島の場合は1kgごとに260円)。ここで数千円支払っている人も多く見かけました。
幸い私はリュックひとつだけで、ギリギリ5kgとなり追加料金なしでセーフでした。なお、機内には荷物を置ける網棚のような設備がありませんので、機内持込ができるのは膝の上で抱えることのできる大きさに限るそうです(リュックなどはOK)。
あと、他の飛行機と同様に、モバイルバッテリーが入っている荷物は預けることができませんので、荷物から取り出して機内持込しなければなりません。
新中央航空NC201便に搭乗
チェックインが完了して待合席で待機していると、出発時刻の30分前を過ぎたあたりで保安検査場に進むようにとのアナウンスが流れます。保安検査場の入口は待合席の横にあり、時間が来るまではドアが閉まった状態になっています。アナウンスとともに係の人が来てドアを開けます。
保安検査を受けて制限エリアへ
保安検査は羽田空港の国内線などでのやっているのと似たような内容で、機内持込するカバンや、コート、身に着けている金属類やスマホなどをカゴに入れて係の人に渡してチェックしてもらいます。その間に、人のほうは金属探知ゲートを通ります。金属反応が出ると係の人に個別チェックを受けるのも同じです。
保安検査を受けて制限エリアに入ると、そこも待合席となっていて、多くの椅子があり、トイレもあります。全面ガラス窓で駐機場の飛行機がよく見えます。「搭乗口」と表示された外に通じるドアがあるので、このあとそのドアから飛行機まで歩いていくことになります。
待合席には救命胴衣の説明が置いてありました。機内にCAさんが同乗しないので、各自ここで説明をよく読んでおいてください、ということらしいです。
あと、面白かったのは、たくさんの黄色い雨傘が搭乗口のドアの横に置いてあったこと(上の写真でわかりますか?)。雨の日は、この雨傘を乗客一人一人に貸出して飛行機まで歩いていくのかな。
駐機場に出て飛行機に搭乗
出発時間の5分前あたりで、係の人がNC201便の乗客は外に出るようにとアナウンス。皆さん、搭乗口のドアから外に出て、係の人の先導に従ってゾロゾロとついて行きます。
駐機場に出て飛行機のすぐそばまで行けるので、飛行機好きの人にとってはテンションの上がる瞬間だろうと思います。小型機とはいえ、近くで見ると迫力はありますね。
飛行機の横まで来ると、一瞬その場で待機します。係の人が乗客の名前と座席番号を読み上げますので、呼ばれた人から順番に飛行機に乗り込んで指定された座席に着席するという手順になります。
このように直前になってやっと座席番号が決まるというのは、搭乗する人の体重や機内持込荷物、そして機内預かりの荷物など、全ての重量をバランスよく配置させるためだからです。チェックインの際に体重を聞かれたのはそのためでした。
私は、前から3番目で進行方向に向かって左側の3Aという座席。このドルニエ228という飛行機は、乗客の定員19名となっており、基本的には真ん中の通路を挟んで1×1の座席、最後尾が3人席、出入口横のみ左端を通路にして右側窓寄りの2人席が1つ、という構成になっています。
つまり全乗客19人中17人が窓際の席になりますので、ほとんどの場合は窓からの眺めを楽しめます。なお、富士山は進行方向に向かって右側に見えますので、右側の座席のほうが有利と言えるかもしれません。
ちなみに機内にはトイレはありません。フライト時間は短いですが心配な方は待合席にあるトイレで済ませておくようにしましょう。あと、説明書きには、機内でのスマホの利用はNG、デジカメでの撮影はOKとありましたので、ご注意ください。
調布飛行場を離陸して新島空港に着陸するまで
係の人が機内に入って、乗客全員が着席しシートベルトを締めたことを確認すると、外に出て飛行機のドアが締められました。いよいよ出発です。
ドルニエ228は調布飛行場を離陸
そういえば、この日の調布は天気晴れ、風速9mのやや強い風、新島ではもう少し風が強く、風速11mくらいだったと思います。小さな飛行機なので欠航にならないかと心配していましたが、この程度の風なら全く問題はなかったようでした。要らぬ心配でした。
ドアが閉まるとエンジンが始動し、左右一対のプロペラが回転を始めます。さすが小型機ですね。エンジンの振動が体にも感じられます。この感じがとてもワクワクします。タキシングを開始し、滑走路の端まで移動。そして、エンジンの回転数が高くなりテイクオフ。短い滑走距離でフワッと離陸しました。
約30分のフライトで新島空港に着陸
離陸後すぐに水平飛行に入りましたが、窓から市街地がよく見えていたので、飛行高度はそれほど高くなさそうです。私の座った左側の席からは横浜ベイブリッジや江ノ島もよく見えました。
しかし、高度が低いせいで気流が不安定なのか、あるいはこの日の風が強かったからなのか判りませんが、飛行機が上下左右によく揺れました。30分くらいのフライトなので、これで酔うほどのことはないかもしれませんが、心配な方は酔い止めを飲まれたほうがいいかもしれません。
そうこうしているうちに海の上を飛行し、左前方に大島が見えてきました。三原山もくっきりと見えました。天気も良かったので右側の席からは富士山がくっきり見えていました。右側の席の人はシャッターチャンスだったでしょうね。
大島を過ぎてしばらく行くと新島が見えてきます。ここで飛行機は新島の東側海上を南にしばらく進み、ググっと右に旋回して新島空港にアプローチを始めます。
窓から見える新島の岸壁がとても奇麗です。新島空港の滑走路は海岸からすぐのところにあるので、陸地が見えてきたらすぐに着陸といった感じでした。
こじんまりとした新島空港
新島空港に着陸したNC201便、ドルニエ228はターミナルビルの近くに駐機しました。調布飛行場と同様に、飛行機から降りた乗客はターミナルビルまで徒歩で移動します。
新島空港のターミナルビルも2階建てのこじんまりとした建物でした。調布飛行場と大きく違うのは、お土産物の売店があるということ。
注意したい点として、新島空港からの公共交通機関は無いようです。タクシーのりばは空港ターミナルビルの横にありますが、夏のシーズン中でなければ、台数は期待できません。
新島で宿泊予定の場合には、宿から車でお迎えがあると思いますが、例えば連絡船で式根島に移動する場合には、電話でタクシーを呼ぶか、徒歩で港まで移動するか、このいずれかになります。港まで徒歩で移動すると30分くらいかかるので、ご注意ください。
まとめ
調布から新島まで150km弱で片道14,000円(往復は26,100 円)、調布から一番近い大島まで100km強で片道12,000円(往復は22,400 円)というのは、他の国内線に比べると割高な気もしますが、首都圏から小型プロペラ機でのフライトを気軽に楽しめるという意味ではコスパの高い旅でもあるように思いました。
飛行機好きの方にとってはドルニエ228という日本では珍しい機体に乗れるというのも、大きな魅力になるのではないかと思います。
今回はご紹介できませんでしたが、伊豆諸島は、これが東京か!?と驚くばかりの自然美あふれた島が多くあります。新中央航空での空の旅を利用して伊豆諸島の島々を巡ってみるというのも楽しい旅になると思います。
Have a nice trip!