リゾート21の車内設備と展望席の乗り方ガイド

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リゾート21の車内設備と展望席の乗り方ガイド

熱海~伊豆急下田の間で運行されている伊豆急行2100系電車「リゾート21」は、車窓の景色を楽しみながら乗車できる観光利用に特化した列車で、通常は追加料金不要の普通列車として運用されており、「乗り得」感の高い人気の列車です。

本記事では、リゾート21の車内設備や展望席、座席指定の要否と自由席の扱い、最前列の確保方法、海側席や号車選び、運賃や予約の要否、運行日や時刻表に関する実践的なポイントまで、筆者が乗車した経験に基づいて詳しく解説します。

特に、リゾート21の展望席である階段状ハイデッカー構造や、黒船電車・キンメ電車の違い、車窓からの景観の楽しみ方など、初めての方でも迷わずリゾート21を楽しめるよう詳細にまとめました。

本記事で説明するポイント
・リゾート21の車内設備と展望席の基本を理解できる
・運賃の仕組みや座席種別(自由席・座席指定の有無)の扱いを把握できる
・展望席の最前列や海側席を確保するための具体的な戦略を学べる
・展望席のメリット・デメリットが理解できる

リゾート21の車内設備・展望席を知るための基礎解説

キンメ電車の車内の様子

ここではリゾート21の展望席と、その他の車内設備や編成、車両ごとの違い、そして展望席から見える主な景観ポイントについて、乗車前に押さえておきたい基礎知識を整理します。特に展望席の位置や設計思想を理解しておくことで、実際の乗車体験が大きく変わります。

伊豆急行 公式サイト: リゾート21

リゾート21の展望席と車内設備に関する基本知識

リゾート21の展望席は、伊豆急行線を代表する観光列車「リゾート21」シリーズに設けられた特別な座席エリアで、運転台すぐ後ろの位置に配置されています。リゾート21は普通列車として運行されるにもかかわらず、特急列車顔負けの前面展望を体験できる点が魅力です。

リゾート21の展望席は、運転席との間に大きな仕切りガラスが設けられておらず、運転士の動きや指差喚呼が直接見える構造となっており、鉄道ファンや子ども連れにも人気です。まるで自分が運転しているかのような臨場感を味わえるため、乗車そのものが観光体験になります。

リゾート21の編成と車内設備・座席配置

キンメ電車の窓向きバケット型ロングシート

伊豆急行2100系電車「リゾート21」は全車自由席の7両編成で、伊豆急下田側の先頭が1号車、熱海側の先頭が7号車となっています。1号車および7号車の運転席側半分には展望席が設けられており、展望席は2×2で6列の座席が運転席方向に向けて並んでいます。

展望席以外の各車両の座席は、海側(伊豆急下田方面に向かって左側)に2×2の4人用固定ボックスシートと3人用または4人用の「窓向きバケット型ロングシート」が配置されています。「窓向きバケット型ロングシート」は海の見える窓に向かって座るロングシートです。

また山側(伊豆急下田方面に向かって右側)には通路を挟んで1×1の2人用固定ボックスシートが配置されています。トイレは「黒船電車」の編成では3号車と6号車、「キンメ電車」の編成では3号車に設置されています。スマホなどを充電できる電源コンセントはボックスシートに設置されています。

展望席の魅力と他列車との違い

リゾート21展望席

リゾート21の1号車と7号車に設けられた展望席は、一般的な特急列車のグリーン車や指定席と異なり、追加料金が不要なケースが多い点も大きな特徴です。伊豆の雄大な海を目の前に感じながら、普通運賃(乗車券)だけで楽しめる前面展望は全国的にも珍しく、鉄道ファンの間では「動く展望台」と称されるほどです。

ポイント: リゾート21の展望席は、追加料金なしで運転士目線の景色を楽しめる希少な存在です。家族旅行や鉄道ファンにも最適です。

補足情報: リゾート21シリーズの技術的な詳細や車両仕様については、伊豆急行株式会社の公式ページに掲載されています。(出典:伊豆急行 公式サイト

また、展望席の構造は「観光列車としての体験価値」を最大化するために設計されています。通常の通勤型車両とは異なり、照明や座席配置にもこだわりがあり、昼間の明るい海岸線だけでなく、夕暮れや夜間の灯りも美しく映えるよう考慮されています。

展望席の「階段状ハイデッカー」設計の視界効果

リゾート21の展望席での最大の特徴の一つが、この「階段状ハイデッカー」構造です。これは、座席の位置が前から後ろに向かって一段ずつ高くなる構造のことで、後方の座席でも前方の乗客の頭越しに広い前面展望の視界を確保できる設計になっています。こうしてリゾート21の展望席では、どの座席からでも前面の風景が見渡せるよう工夫されており、最前列以外でも十分に迫力ある車窓を楽しめます。

また、この階段状ハイデッカー構造では、通常の車両よりも天井を高く設計しているため、車内全体に開放感があります。たとえば、リゾート21「黒船電車」では、天井部分に間接照明が施され、車内の明るさと外の景色が自然に調和するよう演出されています。これにより、日中は海の青さがより鮮やかに感じられ、夕暮れ時には柔らかい光が車内を包み込むように感じられます。

さらに、階段状の構造により、前方の景色を撮影する旅行者にとっても大きな利点があります。最前列に座れなかった場合でも、前列の頭が写り込みにくいため、車窓撮影に最適です。特に、三浦半島や伊豆高原エリアのトンネルを抜けた瞬間に広がる海景は、後列でも十分な迫力を感じることができます。観光目的で訪れる方にとって、この設計はまさに「全席がベストビュー」といえるでしょう。

ポイント: ハイデッカー構造は最前列以外でも視界が良好であり、写真撮影や動画撮影にも適しています。後方でも臨場感のある眺望を楽しめます。

車両バリエーションと内装の違い(「黒船電車」「 キンメ電車」)

黒船電車の車内

リゾート21にはデザインが異なる2編成が存在し、それぞれのテーマに合わせて内装や外観が大きく異なります。「黒船電車」編成と「キンメ電車」編成です。どちらの編成も展望席やその他の座席・車内設備の基本構造は大体共通していますが、車内外の雰囲気がまったく異なります。

黒船電車の特徴

黒船電車は「ペリー来航(黒船来航)」をモチーフにしたクラシカルなデザインで、外観は艶のある漆黒塗装に金のラインが映える高級感のある仕上がりです。車内は木目調を基調とした落ち着いたインテリアで、天井にはLED照明が間接的に配置され、まるで高級ホテルのラウンジのような雰囲気を演出しています。

キンメ電車の特徴

一方、キンメ電車は伊豆特産の「金目鯛」をテーマにデザインされており、車体は鮮やかな赤色。車内も明るい木材と暖色系の照明を使った、海辺のリゾートらしい開放的な雰囲気が特徴です。観光列車としてのエンターテイメント性を重視した装飾を施した内装になっている点も見逃せません。

車両タイプ外観デザイン内装テーマ特徴
黒船電車黒+金ライン木目調・シッククラシックで落ち着いた雰囲気
キンメ電車赤+金目鯛モチーフ明るい木材・リゾート調観光向けの開放的なデザイン

黒船電車・キンメ電車はどちらも伊豆急行が手掛ける特別車両であり、車両整備状況によって運行日や編成が変わる場合があります。最新の編成運用については、伊豆急行公式サイト(リゾート21情報ページ)をご確認ください。

展望席その他の車窓から楽しめる主な景観ハイライト

リゾート21の展望席からは、伊豆半島の自然美を存分に楽しむことができます。特におすすめなのは、伊豆高原駅を過ぎたあたりから見える城ヶ崎海岸の絶壁エリアと、伊豆北川~伊豆熱川間の連続する海岸線の眺めです。晴れた日には伊豆大島や新島など伊豆諸島の島影を遠くに望むこともできます。

展望席以外でも海側席(下り列車では進行方向左側)、特に「窓向きバケット型ロングシート」を確保できれば、波打ち際まで迫るような海景を体験できるでしょう。朝の時間帯は太陽が山側から昇るため、海の青がより深く見え、午後は西日が反射して黄金色に輝く海面が見られます。時間帯によって表情が異なるため、撮影目的の場合は時刻を意識した乗車がポイントです。

また、伊豆稲取付近では金目鯛漁の港町の風景が広がり、展望席から見下ろすと漁船が並ぶ港の様子もよく見えます。季節によっては、桜並木や花火大会の様子も展望席から観賞できることがあります。運行時期とイベント日程を確認して計画を立てると、より特別な体験ができます。

ポイント: 展望席以外で海側席を確保すれば、伊豆半島の絶景をほぼ途切れることなく楽しめます。朝・昼・夕それぞれの時間帯で異なる景色が楽しめるのも魅力です。

注意: 進行方向先頭車両の展望席は人気が高く、特に週末や連休は始発駅から早めの乗車が必須です。進行方向末尾車両の展望席はでも一味違った風景が楽しめます。

リゾート21の車内設備・展望席を楽しむための実践戦略

黒船電車@夜の熱海駅

ここからは、実際にリゾート21の展望席や海側座席を確保し、快適に楽しむための具体的な戦略を紹介します。運賃体系や座席種別の扱い、号車選び、海側座席確保のコツ、そして混雑時の対応策まで、実践的な情報を順序立てて解説します。

運賃と座席種別の扱い(運賃・自由席・座席指定の要否など)

リゾート21は、通常は全車自由席の普通列車として運行されており、特急料金や指定席料金などは不要です。つまり、展望席でさえも乗車券のみで利用できるのです。そのため、どの座席でも座席指定が不要で、自由に座席を選べるのが大きな魅力です。観光列車という位置づけながら、特急料金などの追加料金がかからないためコストパフォーマンスが非常に高く、手軽に伊豆の絶景を楽しむことができます。

ただし、過去には東京~伊豆急下田の間で臨時特急「リゾート踊り子」や臨時快速「リゾートライナー21」などとしての特別運用が行われたことがありました。特別運用では指定席制が導入され、乗車券に加えて指定席特急券や指定席券が必要になりました。近年ではこのような特別運用はありませんが、可能性としてゼロではないので、伊豆急行公式サイトやJR東日本公式サイトの臨時列車の案内で最新情報をチェックしてください。

注意: リゾート21の運行形態によっては、指定席料金が別途必要な場合があります。最新の運行情報は伊豆急行公式サイトやJR東日本公式サイトでご確認ください。

展望席の最前列を確保するための現場戦術

リゾート21展望席からの前面展望

リゾート21の展望席の最前列は非常に人気が高く、特に鉄道ファンや写真撮影目的の乗客が集中する傾向にあります。そのため、最前列を確実に確保したい場合は「始発駅から早めに並ぶ」が効果的です。

上でも説明した通り、リゾート21は黒船電車とキンメ電車のいずれも、展望席を含めて全車自由席の普通列車です。従って、あらかじめ座席指定をして予約することができず、座席は早い者勝ちとなるため、展望席の最前列をとりたい場合には、「始発駅から早めに並ぶ」の方法以外にありません。

例えば、熱海駅始発のリゾート21であれば、熱海駅の改札口はいつでも入場可能なので、例えば発車時間の30分前などに入場して1番線(伊東線)ホームの1号車の乗車口の前で待機するのがおすすめです。一方、伊豆急下田駅始発のリゾート21であれば、伊豆急下田駅の改札口は発車15分前に改札開始となるので、例えば発車時間の30分前などに改札口の前で待機し、改札開始して入場したら急いで7号車の展望席に向かうようにするのがおすすめです。

通常であれば30分前に並び始めるのがおすすめですが、休日や観光シーズンは1時間前から並ぶ人も珍しくありません。また、展望席の最前列がとれなかったとしても、上でも説明した階段状ハイデッカー構造のため、2列目や3列目でも十分楽しめるので、あまり最前列に固執しすぎないほうが精神的にも楽になります。

ポイント: 全車自由席なので始発駅で早めに並ぶことが重要です。

号車選びで「前面展望」を得る方法

リゾート21は7両編成で、両端の1号車と7号車に展望席が設けられています。当然のことながら進行方向によってどちらの号車が前になるかが変わるため、進行方向に応じて前面展望となる号車を選ぶことが大切です。熱海駅から伊豆急下田駅へ向かう下り列車では1号車が前面展望となり、伊豆急下田駅から熱海駅へ向かう上り列車では7号車が前面展望になります。

区間前面展望となる号車おすすめ座席
熱海から伊豆急下田(下り)1号車運転席側最前列
伊豆急下田から熱海(上り)7号車運転席側最前列

このように、同じ展望席でも進行方向によって景色がまったく異なります。下りでは相模湾を正面に、上りでは伊豆の山並みやトンネルの連続区間を楽しめるため、どちらを体験するか目的に合わせて選ぶのもおすすめです。

また、進行方向の後ろ向きになる展望席に座って後面展望を楽しむのも、一味違う景色の楽しみ方となって面白いと思います。前面展望の座席がとれなかった場合などに試してみるといいでしょう。

注意: 進行方向によって前面展望となる車両が変わるので注意してください。

時間帯を踏まえた海側席の狙い方

リゾート21からの海の眺め

リゾート21では展望席以外でも海側席(下り列車では進行方向左側)、特に「窓向きバケット型ロングシート」に座れば海沿いの絶景を楽しむことができます。海側席となるのは、下り列車(熱海から伊豆急下田)では進行方向に向かって左側、上り列車(伊豆急下田から熱海)では進行方向に向かって右側です。なお、「窓向きバケット型ロングシート」が設置されている側が必ず海側になるので見分け方は簡単です。

次に、時間帯による光の角度を考慮しましょう。午前中は太陽が海側にあるため、逆光気味になり、眩しいと感じる場合もあります。一方、午後になると太陽は山側に移るため、青く鮮やかな海の景色を楽しむことができます。例えば、午前の列車では展望席、午後の列車では海側席といった狙い方がよいかもしれません。

ポイント: 海側席は下り列車では進行方向左側、上りでは進行方向右側。午後は明るく青い海が楽しめます。

展望席のメリット・デメリットと乗車時の注意点

展望席の最大のメリットは、何といってもその眺望の良さです。運転席越しに線路が伸びていく迫力ある風景を体験でき、まるで運転しているかのような気分を味わえます。また、階段状のハイデッカー構造により、どの列からでも視界が開けており、カップルや家族連れにも人気です。

一方で展望席にはデメリットも存在します。まず、人気が高いため混雑が激しく車内が騒々しくなりやすい傾向にあります。また、全車自由席のため始発駅でなければ前面展望となる側の展望席を確保するのはほぼ不可能です。列車で静かにすごしたい方には展望席は向いていないかもしれません。

注意: 繁忙期は展望席の確保が非常に難しくなります。途中駅からの乗車は展望席以外の座席を選ぶのがおすすめです。

ポイント: 展望席はどの席でもハイデッカー構造により視界が良好。

まとめ:リゾート21の車内設備と展望席の乗り方ガイド

黒船電車の側面ロゴ

以上で紹介した通り、リゾート21は、追加料金なしで本格的な展望席を楽しめる希少な観光列車です。展望席の最前列の確保には戦略が必要ですが、階段状のハイデッカー構造により後方でも快適に景色を楽しめるのが大きな魅力です。車両にはデザインの異なる黒船電車とキンメ電車の2種類があり、それぞれ雰囲気が異なるため、訪れるたびに新しい発見があります。

この記事で紹介したポイントを踏まえ、まずは乗車予定日の運行形態と時刻表を確認し、早めの行動を心がけてください。全車自由席のため、展望席の最前列など競争の激しい座席を狙う場合は、始発駅での早めの待機をおすすめします。これらを押さえることで、リゾート21ので体験を最大限に楽しむことができます。

補足: 東京方面からのアクセスや特急利用の比較はこちらの記事も参考にしてください

 東京から伊豆方面に行くには「踊り子」か?「新幹線+普通」か?

補足2: サフィール踊り子の座席についてはこちらも参考にしてください

 サフィール踊り子 おすすめ座席レビュー

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