東京都の離島、猫伝説のある猫島「式根島」

東京都港区の竹芝ふ頭から南へ約180kmの太平洋上に浮かぶ、面積3.67平方キロメートル、人口約550人の小さな島「式根島」。火山噴火の溶岩流によって形成された島らしく、秘境のような景観と露天風呂の温泉が楽しめる。この島が東京都に属するというから驚きです。

このほかにも式根島には様々な魅力があるのですが、今回は「猫島」をキーワードとして、この式根島に伝わる猫伝説や、島に住んでいる猫たちとの触れ合いについてご紹介しようと思います。

式根島への行き方

東海汽船の大型客船やジェット船が就航しています。大型客船「さるびあ丸」は、東京の竹芝ふ頭から1日1往復就航しており、神津島行き、神津島発の船が途中で式根島に寄港するものとなっています。行きは、竹芝ふ頭を夜中に出航して船中一泊し、式根島には翌朝到着。帰りは、式根島を朝に出航して、東京の竹芝ふ頭に夕方到着します(時刻表はシーズンにより変わりますのでサイトでご確認ください。)。所要時間は9時間くらいです。

ジェット船「セブンアイランド」は、冬季以外の運行となり、基本的には東京の竹芝ふ頭から1日1往復就航しています。こちらも神津島行き、神津島発の船が途中で式根島に寄港するものとなっています。行きは、竹芝ふ頭を早朝に出航して、午前中に式根島に到着。帰りは、式根島を午後に出航して、東京の竹芝ふ頭に夕方到着します。所要時間は3時間くらいです。

そのほか、下田からフェリーが1日1往復就航していますが(所要時間3時間半)、下田方面の旅行と組み合わせる場合以外は、あまり使い勝手がよくありません。

あと、少し金額はかかりますが、新中央航空で調布飛行場から新島空港へ飛行機で移動し(1日2~4往復就航)、新島から式根島には、連絡船「にしき」(1日3往復就航)を利用する方法もあります。新中央航空については以下の記事でもご紹介しています。

飛行機と連絡船を利用するのが、正味の移動時間が最も短いですが、調布飛行場へのアクセスが不便なこと、新島空港と新島港までの移動と連絡船の接続待ち時間などがかかることを考えると、最も時間的に早く式根島に移動できるのはジェット船となります。飛行機は飛行機ならではの楽しみもありますが、運賃を考えたコスパという点ではジェット船が最も高いと思います。

式根島での猫との出会い

わたしは飛行機で新島へ行き、そこから連絡船で朝11:30頃に式根島の野伏港に到着しました。式根島が猫の多い島ということを聞いていたので、どこかの猫島のように船を下りると猫たちがウァーっと集まってくるような展開を期待していましたが、それは期待外れでした。猫はどこにいるのでしょうか?

宿には猫が集まっていた

港には今回の宿泊先「島宿わたなべ」の女将さんが、車でお出迎えしてくださいました。宿は野伏港から南へ1.5kmほどのところ。下の地図のとおり、車で5分ほどの集落の中心地にあります。

到着して車を降りると、宿の玄関前には4匹ほどの猫たちが集まっていました。こちらの宿で飼っている猫もいれば、外からやって来る猫もいるそうです。どの猫も人に慣れていて、なでると寄ってきます。完全な野良猫ではないようですが、飼い主がはっきりせず、家々をまわりながらご飯をもらっている猫たちのようです。

集落ではよく猫をみかける

宿の玄関先で猫たちの歓迎をうけた後、荷物を置いて島内の散策に出かけることにしました。小さな島とはいえ、さすがに徒歩だけでは大変そうなので自転車を借りることに。

「島宿わたなべ」さんから道を挟んで向いにある「千代屋」さんで、自転車を借りました。島内の道はアップダウンが多いらしく、電動アシスト自転車を勧められました(24時間1,500円)。ふと見ると、千代屋さんの店先にも一匹の猫がやって来ました。この辺りは猫多いですね。

自転車で、神引展望台、泊海水浴場、泊神社、高森灯台、小の口公園、ぐんじ山展望台、東要寺など、一通りの観光名所を回りました。

神引展望台からは自転車を下りて遊歩道(とはいっても一部ジャングルのような道なき道に入るので注意)で、唐人津城、隈の井、御釜湾第一展望台などを徒歩で回りました。

ゆっくり見ながらでしたが、しめて4時間くらいでした。

そして、猫ですが、宿周辺にはあれほど多かった猫が、観光名所の道すがら、ほとんど見かけることはありませんでした。

たまたま、そういうタイミングだったのかもしれませんが、まあよく考えてみると、食べ物の無いところに猫が集まるはずはありませんし、民家の多い場所じゃないと居ないということなのでしょう。

上記の観光名所のなかで唯一猫と遭遇したのは泊神社の鳥居の前でした。泊神社の周辺も民家がありましたので、そこでご飯をもらっている猫たちなのでしょうか。ここの猫もよく人に慣れていて、触っても逃げない猫でした。

自転車での観光を終え、一旦宿に戻った後、温泉めぐりに行きました。宿から5分くらい歩いて海のほとりに、「地鉈温泉」、「足付温泉」、「松が下雅湯」という3つの露天風呂の温泉があります(いずれも無料、水着着用)。残念ながら「地鉈温泉」と「足付温泉」は台風のため損壊した部分の復旧工事中とのことで入浴できず、「松が下雅湯」に入浴。海を眺めながらの温泉はなかなかおつなものでした。ちなみに、この近くに「憩の家」という屋内温泉施設があります(料金200円)。地鉈温泉と同じお湯を使っているそうです。露天風呂の温泉めぐりの後は憩の家で体を洗ってシャワーを浴びるというのがおすすめです。

残念ながら温泉めぐりでは、猫には出会えませんでしたが、温泉から宿に帰ると、夕食タイムの猫たちからまたまた大歓迎を受けました。

猫伝説の「大王神社」で出会った黒猫

下の地図にあるとおり、「まいまいず井戸」という古い井戸の遺跡に突き当たる道を海のほうへ向かって南へ30mほど行くと、右手崖側に鳥居に続く階段がある。


注意していないと通り過ぎてしまいそうな狭い階段。これが猫伝説のある「大王神社」への参道です。

鎌倉時代のころ、式根島では子供をさらう化け猫に悩まされていた。幸いなことに、この島に流れ着いた平家の落人がこの化け猫を退治してくれた。しかし、その後も島民は化け猫が再び現れることを恐れて、猫を飼うことはなかった。明治時代に入り、島ではネズミの害に悩まされるようになった。そこで、島民らは大王神社で「猫神様」をお祀りすることで、二度と化け猫に悩まされないように祈願し、ネズミ退治をしてくれる猫を飼えるようになった。これが猫伝説の概要です。

階段を登って鳥居をくぐると、すぐ横に手水舎がありました。ひしゃくを手に取ると「ガタン」と大きな音を立てて手水舎の裏から大きな黒猫が現れ、猛スピードで階段を駆け登って拝殿のほうに逃げていきました。この大王神社の主、猫神様の使いなのか?あとを追って階段を登り、拝殿に着きましたが、どこを探してもさっきの猫は居ませんでした。

拝殿の前には賽銭箱が出ていないので、引き戸を開けて拝殿の屋内になる賽銭箱にお賽銭を入れて参拝を行います。拝殿の中には、猫のぬいぐるみや置物、ハローキティのグッズなど、猫関連のものが多数奉納されていました。なるほど、ここは猫神様に間違いありません。この神社にお参りできたことを感謝し、式根島の猫たちの幸せを祈りました。

まとめ

猫神様の大王神社に護られ、人と猫とが平和に暮らす式根島。温泉で癒され、猫たちとの触れ合いで癒される、とても素敵な島の旅でした。

島全体での猫との遭遇率はそれほど高くありませんでしたが、宿付近では高確率で猫たちと触れ合えるのが有難かったです。

Have a nice trip!