寝台特急「サンライズ出雲」を利用した首都圏からの出雲観光

2023年3月6日

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出雲観光の際に、寝台特急「サンライズ出雲」のB寝台個室シングルツインというクラスで出雲市駅から東京駅まで利用してみました。実は、日本の寝台列車を利用するのは25年ぶりくらいになりますが、昔に比べて随分と快適になったなあと、感心してしまいました。

今回は首都圏から出雲観光をするにあたって、私のようになかなか休みがとれないサラリーマンでも短い休日をフル活用しつつ、のんびりと寝台列車の旅情を味わうことのできる、サンライズ出雲の賢い利用方法について綴ってみたいと思います。

寝台特急「サンライズ出雲」についておさらい

寝台特急「サンライズ出雲」とは、東京~出雲市の間で運行する寝台特急サンライズ出雲のことです。また、別の列車に東京~高松(高松から琴平などに延長運転することもある)の間で運行する寝台特急「サンライズ瀬戸」があり、これら「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」とは、共通の区間である東京~岡山の間は2つの列車が連結して1つの列車として運行します。東京~岡山ではこれらを総称して「サンライズ出雲・瀬戸」とも呼ばれています。

サンライズ出雲・瀬戸における最大の特徴となるのが、「ノビノビ座席」というクラスがあることです。カーペット敷でゴロンと横になれるシートで、夜行フェリーの2等桟敷席のようなイメージです。実質的に「寝台」なのですが、料金的には普通車指定席の扱いとなり、寝台料金なしで安く利用できるのが有難いです。例えば、サンライズ出雲のノビノビ座席を利用した場合の東京―出雲市の片道運賃は約16,000円(乗車券と特急券)です。ちなみに、B寝台を利用する場合は、16,000円に寝台料金7,000円~8,000円ほどがプラスされます。鉄道でノビノビ座席のようなクラスは海外では見たことがないですよね。

ノビノビ座席以外は、すべて個室のA寝台とB寝台となっており、個室A寝台「シングルデラックス」、個室B寝台「サンライズツイン」、「シングルツイン」、「シングル」、「ソロ」などのいろいろなタイプのものがあります。A寝台とB寝台は非常に人気があるので、希望するタイプを予約するには予約開始(乗車日の一ヶ月前)すぐに申し込まないと難しかったりするようです。

「サンライズ出雲・瀬戸」の予約方法

乗車日の一ヶ月前にJR駅の「みどりの窓口」で切符を予約・購入することができます。また、ネット予約については、2020年9月時点では、JR東日本が運営する「えきねっと」でノビノビ座席のみ予約・購入が可能、JR西日本が運営する「JRおでかけネット」のe5489でA寝台、B寝台、ノビノビ座席の予約・購入が可能となっています。

今後は「えきねっと」でもA寝台やB寝台の予約・購入ができるようになると思われますが、現時点ではA寝台やB寝台をネット予約するには首都圏の方々も「JRおでかけネット」を利用しなければなりません。

なお、「JRおでかけネット」でサンライズ出雲・瀬戸を予約・購入した場合、切符を発券するにはJR西日本やJR東海の券売機でなければ発券できないのが注意点です。首都圏の方々の場合にはJR東海の券売機がある駅、つまりJR東海が運営する東海道新幹線の駅(東京駅、品川駅、新横浜駅)で発券することになります。東京駅なら、八重洲口側にJR東海の券売機があります。

「サンライズ出雲」を利用した出雲観光

首都圏から出雲観光に行く場合、乗り換えなしで直行できる交通手段には3種類があります。寝台特許サンライズ出雲のほか、羽田~出雲の航空便、そして夜行高速バスです。夜行バスには「オリオンバス」「中国ジェイアールバス」などがあります(いずれも状況によっては運休していることもあるので最新情報は要チェック)。

もちろん私の押しはサンライズ出雲ですが、飛行機や夜行高速バスにもそれぞれメリットがありますので、往復ともにサンライズ出雲を利用するだけでなく、片道は飛行機や夜行高速バスにするという選択肢も有効です。以下では、この3種類の組み合わせについて、独断と偏見で解説することにいたします。

往復ともに「サンライズ出雲」を利用する方法

往復ともにサンライズ出雲を利用する方法は、とことんサンライズ出雲を堪能したいという方に最適です。往路と復路では見える景色も全然違います。岡山駅ではサンライズ出雲とサンライズ瀬戸との分離作業(往路)や連結作業(復路)を見学することもできます。

可能なら行きと帰りで別のクラスを予約してみるのも面白いでしょう。往復ともにノビノビ座席にすれば安くはなりますが、折角なので片道はA寝台やB寝台にしてみるのがおすすめです。

例えば、土曜と日曜を使って出雲観光をする場合を考えてみます。サンライズ出雲は東京駅22:00発ですので、金曜日の夜に定時で仕事を終え、食事をしてから余裕で間に合います。車内のシャワーがありますが、乗車前に近くの銭湯で汗を流してからというのもいいでしょう。自宅が東京駅から1時間程度なら、一旦帰宅してからでもOKな時間です。出雲からの帰りは、日曜の夜にサンライズ出雲に出雲市駅で乗車し、東京駅には月曜の07:08に到着しますので、東京駅についてから朝食をとって余裕で会社に出勤できます。つまり、有給休暇を1日も取得せずに、土曜と日曜のほぼ丸2日間を出雲で過ごすことができるので、とても便利で効率的です。

マメ情報ですが、出雲市駅の近くに「出雲駅前温泉らんぷの湯」という日帰り温泉があります。サンライズ出雲にはシャワー室もありますが、大きなお風呂でゆっくり旅の疲れをとりたいという方は、乗車前にこちらを利用されるのをおすすめします。「出雲駅前温泉らんぷの湯」の隣には「和食居酒屋神門」という地元でとれた食材を使った和食レストランもありますので、あわせて利用すると便利ですね。復路を飛行機や夜行高速バスにする場合でも利用可能です。

「サンライズ出雲」と飛行機を組み合わせて利用する方法

サンライズ出雲と飛行機を組み合わせて利用する方法は、私が今回利用した方法でもあり、一番のおすすめです。羽田~出雲の間には日本航空のフライトが1日3往復あります。時間的にも、羽田07:15発/出雲08:40着(サンライズ出雲は出雲市駅09:58着)や、出雲19:30発/羽田20:55着(サンライズ出雲は出雲市駅18:50発)といった、サンライズ出雲を意識したような便が設定されています。予約する時期やタイミングによって異なりますが、うまくいけばサンライズ出雲のノビノビ座席と同程度の金額で予約できます。

なぜ、サンライズ出雲と飛行機を組み合わせて利用する方法が一番のおすすめかと言いますと、それは往復乗ると飽きるし疲れるからです。寝台列車なので横になって眠ることができるとはいえ、自宅やホテルで眠るほどには疲れがとれませんし、目が覚めている時間も結構長いですからね。最初は非日常的な旅にわくわくしますが、時間が経つうちに慣れるというか、飽きてきてしまって、疲れを感じてしまうのです(私は鉄道に対する愛が足りないのかもしれません)。少し物足りないくらいのところで止めておく、人それぞれですが、私にとっては片道だけで丁度いい具合だと感じました。

では、サンライズ出雲と飛行機と、どちらを往路・復路にすべきか、という問題がありますが、それぞれ特徴がありますので、以下、簡単にまとめてみます。

往路にサンライズ出雲、復路に飛行機を利用する場合

メリットとしては、東京駅22:00発ですから、例えば金曜日の夜に仕事を終えてから東京駅に行くまでに時間の余裕がたっぷりあること。岡山駅には朝6時半ごろに到着しますので、サンライズ出雲とサンライズ瀬戸の分離作業が明るい中で見学できること。帰りは出雲市駅18時過ぎ発の空港バスで出雲空港に向かい(出雲空港まで40分弱)、出雲19:30発/羽田20:55着のフライトを利用すれば、最終日は早めの夕食を出雲市駅付近でとることができ、羽田に着いてからも終電前に余裕で帰宅できること。自宅でゆっくり休んで翌朝元気に出勤できること、などです。時間に余裕のあるスケジュールになるということですね。

往路に飛行機、復路にサンライズ出雲を利用する場合

こちらのメリットは、若干ですが現地での時間が多く確保できるということです。私はこちらを選択しました。往路に羽田07:15発/出雲08:40着というフライトを利用しますので、空港バスで出雲市駅に着く時間が朝9時過ぎとなり、サンライズ出雲の到着時間(出雲市駅09:58着)に比べて1時間弱早くなります。復路で利用するサンライズ出雲は出雲市駅18:50発ですので、飛行機利用に比べて最終日は1時間弱ほど長く現地に滞在できます。また、日の長い夏場は19時前でも明るいので、出雲市駅に入線するサンライズ出雲を撮影することができます。

往路の飛行機から富士山が見える、復路のサンライズ出雲から富士山が見えるのも、こちらの方法ならではのメリットですね。

結局、おすすめは?

ただ、「往路に飛行機、復路にサンライズ出雲」、私がこれを利用した感想を申し上げると、上で述べたようなメリットがあるにはあるが、羽田07:15発のフライトに間に合うために自宅を朝5時頃に出るのが辛かったですし、帰りは東京駅07:08到着で、自宅に戻る時間はなかったので、出勤前にゆっくり身支度する時間もありませんでした(女性の方ならメイクなどする時間がとれないかもしれませんね)。なので、皆さんは「往路にサンライズ出雲、復路に飛行機」という組み合わせを選ばれるのがよろしいかと思います。

「サンライズ出雲」と夜行高速バスを組み合わせて利用する方法

夜行高速バスもサンライズ出雲と同様に、往路では仕事を終えた後に乗車して出雲に翌朝到着でき、復路では出雲で夕食をとってから乗車して翌朝東京に到着し、そのまま出勤できる時間となるので、往路・復路どちらでも組み合わせが可能です。運賃は、予約する時期やタイミングによりますが、ノビノビ座席よりは安く、うまくいけばその半額程度で購入できることもあります。

ただ、問題となるのは、サンライズ出雲以上に疲れるということです。夜行高速バスのリクライニングはかなりフラットになるので、国際線飛行機のビジネスクラス並みの快適さはあると思うのですが、とはいえ寝台列車にはかなわないと思います。座席間隔は余裕をもって作られていますが、ノビノビ座席以上にプライバシーは保てないのは確かです。気を使うので更に疲れは増します。

ということから、夜行高速バスは体力に自信のある方はともかく、そうでなければ降車後にホテルや自宅でゆっくり休めるようなスケジュールでなければおすすめしません。折角の旅行で体調を崩しては楽しい思い出も半減してしまいますからね。

まとめ

長くなりましたが、首都圏から出雲観光をするにあたって、有給休暇がとれないサラリーマンの方々でも土日だけで、出雲大社のお参りをはじめとした観光をまる2日間堪能し、寝台列車の旅情を味わうことのできる贅沢な旅の方法をご紹介しました。私からのおすすめは「往路にサンライズ出雲、復路に飛行機」でしたね。この情報が皆様の旅の計画に役に立てば幸いです。

サンライズ瀬戸についてはこちらの記事もどうぞ。

Have a nice trip!