【前編】東京からの箱根ゴールデンコース日帰り旅行―大涌谷の「黒たまご」まで

2023年1月14日

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「箱根ゴールデンコース」とは、箱根湯本(小田原とする場合もあり)を起点に、箱根登山電車で強羅へ、箱根登山ケーブルカーで早雲山へ、箱根ロープウェイで大涌谷を経て桃源台へ、箱根海賊船で元箱根または箱根町へ、箱根登山バスで箱根湯本へ戻る、反時計回りに一周するコースのことを言います。「箱根ゴールデンルート」という呼び方をされることもあります。また、時計回りに一周する反対周りもあったりします。

箱根の魅力は、活火山ならではの噴煙立ち込める大涌谷や、美しいカルデラ湖である芦ノ湖をはじめ、盛沢山なのですが、上で説明した5種類の乗り物に乗り継ぎ、首都圏から箱根湯本までは小田急特許ロマンスカーを利用することで、計6種類の乗り物を体験できるという乗り物好きにはたまらないコースであったりします。

今回は、わたしの体験をもとに、東京からの箱根ゴールデンコース日帰り旅行を【前編】と【後編】の2回に分けてご紹介いたします。どちらかと言えば乗り物を楽しむことをメインにした旅になります。まずは【前編】として、大涌谷で昼食をとり、名物「黒たまご」を食べるところまでの記事をご紹介します。

箱根の旅行計画と事前準備について

旅行計画については、箱根の温泉宿で泊まるなら一泊二日の行程になりますし、そうでなければ、首都圏からなら日帰りで問題ありません。わたしもそうですが、乗り物を楽しむことを主目的にされる方も多いと思います。そうした場合、個人的には二泊以上はちょっと長すぎるかな、という印象です。

乗り物を目的にする場合は、乗り継ぎ地点での待ち時間の問題や、車窓の眺めを楽しむという観点から、混雑は避けたいところです。連休や紅葉の季節(11月下旬ごろ)を避けるのはもちろんですが、できれば平日に休みをとって旅行するのがベストです。どうしても休日になる場合は、比較的混雑が少ない箱根ゴールデンコースの「反対周り(つまり時計回り)」を試してみるのがいいかもしれません。

事前準備としては、宿の予約(宿泊する場合)とチケットの購入です。チケットについては、箱根湯本までのアクセス手段を小田急線にするのであれば、「箱根フリーパス」の一択です。

「箱根フリーパス」には2日間有効と3日間有効の2種類がありますが、日帰りの場合は2日間有効の箱根フリーパスを購入します。例えば、新宿発の2日間有効の箱根フリーパスは6,100円(大人)となりますが、バラで切符を買うと7,240円(大人)かかりますので、2日間有効の箱根フリーパスを日帰りで利用しても1,000円以上お得になります。

箱根フリーパスの購入は、旅行当日、小田急の乗車駅(新宿駅など)で購入するか、セブンイレブンの「セブンチケット」で購入することができます。また、箱根フリーパスをeチケットとして購入することもできます。「EMotオンラインチケット」というサービスでスマホのウェブブラウザから購入して利用できます。

なお、箱根フリーパスに似たフリータイプのチケットで、「箱根のりものパスLite」というものもありますが、こちらは箱根湯本が利用可能範囲に含まれておらず、箱根登山鉄道の宮ノ下から先での利用となり、また周遊方向は箱根ゴールデンコースの「反対周り(つまり時計回り)」に限定されているなど、使い勝手はよくありません。サイトにも「お車でお越しの方におすすめ!」とあるように、車で現地に移動する際のオプションとして購入するのがよいでしょう。

箱根フリーパスで注意したいのは、小田急特急ロマンスカーの指定席特急券が別途購入になる点です。指定席特急券は旅行当日に駅で購入することもできますが、できれば往路のロマンスカーだけでもインターネットでの予約・購入をするのがおすすめです。

ロマンスカーは全席指定なので空席が無ければ乗車すらできないことになり、スタートから予定が大きく狂ってしまいます。

また、箱根フリーパスの有効期間にかかわらず、新宿から小田原の区間は1往復の利用に限ります。例えば、2日間有効の箱根フリーパスを購入したとしても、新宿から2日連続で箱根日帰り旅行をするような使い方はできません(有効期間が残っていても1日目に新宿駅に戻って自動改札を出るときに切符は回収されます。)。

箱根ゴールデンコース日帰り旅行のレビュー(前編)

わたしが箱根ゴールデンコースを日帰り旅行したときのレビューを紹介します。ちなみに旅行日は令和2年9月の平日でしたので、比較的混雑しないタイミングだったように思います。

新宿からロマンスカーで箱根湯本へ

職場が新宿の近くにあることから、旅行の前日に小田急の新宿駅で箱根フリーパス(2日間有効)とロマンスカー「はこね3号」(新宿駅8:31発)の予約・購入を済ませておきました。帰りのロマンスカーは現地でちょうど良いタイミングのものを直前に予約・購入することにしました(混雑が予想される時期は事前予約がおすすめ)。

当日は新宿駅に30分前(8:00頃)に到着。ロマンスカーが停車するホームの端にある「ロマンスカーカフェ」というカフェでコーヒーを注文。ここは店内からガラス窓越しにロマンスカーを正面から見ることができる素晴らしいカフェです。実はホームに入線するところを店内から見たかったのですが、残念ながら「はこね3号」は30分前で既に入線済でした。

「はこね3号」は定刻の8:31に新宿駅を出発。EXEα(30000形)という車両だそうです。シートピッチもゆったりしていて、なかなか座り心地のいいシートです。窓側には電源もあるのが有難いです。平日ということもあってか、乗車率は70%くらいでしょうか。通勤利用の方も多かったようで、箱根湯本まで乗車した人で言うと乗車率は20%くらいかもしれません。

途中、町田くらいまでは「遅いなあ」という印象でしたが、気のせいかもしれませんが町田を過ぎたあたりからスピードが出てきた感じで、箱根湯本には定刻10:13に無事到着しました。ちなみに、小田原駅から箱根湯本の間は小田急の車両が運行されていますが、鉄道会社は小田急ではなく「箱根登山電車」になるらしいですね。

箱根湯本から箱根登山電車で強羅へ

箱根湯本でロマンスカーを下車して同じホームを少し強羅側へ歩くと、強羅方面行きの箱根登山電車が発着するホームとなります。ロマンスカーを下車した場所にもよりますが、先頭車両からなら移動時間は徒歩1分。改札階に上る階段にエヴァンゲリオンのイラストが描いてあって気になりましたが、帰りもまた戻って来ますので先を急ぎます。

なお、この強羅行きホームの混雑状況を見て、あまりにも混雑し過ぎているような場合には箱根ゴールデンコースの「反対周り」に切り替えてもいいでしょう。反対周りする場合には、階段を上がって改札を出て、改札階に続く陸橋を渡って道路の反対側に降りると箱根登山バスのバス停があります。ここから元箱根港や箱根町港に向かって箱根海賊船に乗り換えるようにすればいいでしょう。

約10分後の10:24発の強羅行き電車が間もなく入線。車両番号「3101」とあったので3100形の車両のようです。

車内はゆったりした座席配置になっており、席数はあまりないようです。混雑時には立ったままで乗車ということもありそうですが、強羅まで37分とちょっと長いのでご注意ください。わたしが乗車した際は、ちょうど満席という感じで、立っている人はいませんでした。

箱根登山電車は森の中を走りますので、車窓からは森林浴しているような気分になれますし、時折視界が開けたときに見える景色もアクセントがあって楽しいです。そして、最大の見どころとなるのは、出山信号場、大平台駅、上大平台信号場と3回もあるスイッチバックです。

各信号場と大平台駅では電車が一旦止まって向きを変えて反対に進みます。その際に、運転士と車掌さんとがそれぞれの場所を交代するので、車窓からは運転士さんが電車の横を歩いている姿が見えて面白いです。2両編成だから場所を交代する際の移動距離がそれほど遠くないとは言え、これを立て続けに3回もするのは大変だなあと思いました。

ところで、座席は2人×2人の対面型ボックスシートが基本になっています。スイッチバックを3回もするので、どちら向きに座ったほうがお得ということはなさそうです。

強羅から箱根登山ケーブルカーで早雲山へ

強羅には定刻11:01に到着。ここで箱根登山ケーブルカーに乗り換えます。箱根登山電車と箱根登山ケーブルカーとは同じ会社(箱根登山鉄道)が運営しているのですが、乗り換えには一旦箱根登山電車の改札を出てから箱根登山ケーブルカーの改札を入ってホームに出なければいけません。ちなみに改札の出入りは箱根フリーパスを見せるだけです。

すぐに次のケーブルカーが入線して来るようなので、強羅駅から一旦外に出たものの、周辺の散策などはせずに箱根登山ケーブルカーの改札を入ってホームへ。15人くらい並んでいましたが大した混雑ではありませんでした。座席には座れたのですが、運転席前方の景色を見たいので発車後に席を立ちました。早雲山までの所要時間は10分ですから立っていても大したことはないと思います。

11:17に強羅駅を出発。ケーブルカーは、何と言っても急こう配を登っていく前方の風景がワクワクします。なかでも、中強羅から上強羅に向かう途中で強羅に向かうケーブルカーと行違うのが最大の見どころだと思います。

早雲山から箱根ロープウェイで大涌谷へ

箱根登山ケーブルカーは早雲山に定刻11:27に到着。改札を出て箱根ロープウェイに乗り換えます。この早雲山駅のロープウェイ乗り場に通じる地上2階のフロアは「cu-mo箱根(クーモハコネ)」という施設になっており、館内にはスイーツやお土産ショップがあります。

外に出ると見晴らしの良い展望テラスと無料の足湯がありますので、足湯につかりながらゆっくり風景を楽しむというのもいいのではないでしょうか。と思いつつも、わたしは早く次の大涌谷で昼食をとりたかったので、今回は足湯をパスして箱根ロープウェイに乗車しました。

ロープウェイはゴンドラが次から次へとやってくるので、それほど混雑はせず、足湯に入っても大した時間ロスにはならなかったかもしれませんね。

早雲山から大涌谷までは8分間の乗車です。この区間で見える風景が箱根での最大の見せ場になると思います。早雲山を出てしばらく行くと視界が開けて、ロープウェイのはるか下方に荒涼とした谷底が見えてきます。地面のあちこちで噴煙が立ち込めているのが見えます。地獄があったとするとこんな風景かもしれません。かすかにですが硫黄の匂いもしました。火山の上に来たんだな、と実感。

谷底の景色に見とれているうちに、あっという間に大涌谷へ到着。後で考えると、時間的には余裕があったので、早雲山と大涌谷の間はもう一往復しておけばよかったかもしれませんね。もちろん箱根フリーパスなら何度でも乗り降り自由ですから追加料金も不要です。

大涌谷では名物「大涌谷カツカレー」と「黒たまご」

ちょうど12:00頃に大涌谷に到着。この大涌谷駅の2階には「大涌谷 駅食堂」というレストランがあります。ここの「大涌谷カツカレー」(1,500円)が名物ということなので、昼食とすることにしました。

これはなかなか美味しかったですよ。ただ、カレーに乗っているカツがかなり大きかったので、このあとの「黒たまご」のことを考えると少々キツかったかもしれません。自身のない方はカツのない「大涌谷カレー」(1,100円)にしたほうがいいかもしれませんよ。

大涌谷駅を出ると、テラスから大涌谷を見ることができますが、あまり見晴らしのいい角度ではないことと、噴煙で煙っていてそもそも視界が悪いということもあり、大涌谷の景色を見るのはロープウェイに勝るものはありません。

景色を見るのはそこそこにして「大涌谷くろたまご館」や駐車場のあるほうへ少し歩いて行きます。お店が何軒かありますので、どこでもいいので「黒たまご」(1袋5個入り500円)を買いましょう。1個食べると7年寿命が延びるそうです。5個入りですから35年になります。これで500円ですから安いですね。

お店から奥に進んで階段を上るとお地蔵様が鎮座する小さな祠があります。昔はその奥の道を進んで「玉子蒸し場」まで歩いて行けたはずですが、火山活動のためなのか現在は通行止めになっていました。あきらめて大涌谷駅へ戻ります。

後編へつづく

大涌谷までで、ロマンスカー、箱根登山電車、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイと4種類の乗り物を楽しむことができました。この先もまだまだ楽しい乗り物があります。もしよろしければ後編のほうも続けてご覧ください。

【後編】東京からの箱根ゴールデンコース日帰り旅行―「箱根海賊船」で芦ノ湖縦断

Have a nice trip!