アフィリエイト広告を利用しています
お醤油の名産地として名高い銚子には、銚子駅から犬吠埼の少し先にある外川駅までを結ぶ全長6.4kmのこじんまりとした鉄道があります。銚子電気鉄道株式会社が運営する銚子電鉄です。運行している電車はどれもレトロなものばかりで、昭和時代のノスタルジーを感じることができます。
今回は、銚子鉄道の一日乗り放題キップ「弧廻手形1日乗車券」(700円)を利用してレトロな電車による味わい深い一日電車旅をご紹介したいと思います。
銚子鉄道の始点「銚子駅」へのアクセス
まず東京駅から銚子駅へ移動するわけですが、JRの房総特急「しおさい号」が便利です。所要時間は1時間49分で一日6~7往復運行されています。自由席を利用する場合、乗車券と特急券をあわせて片道3,670円になります。注意点としては、東京駅の発車ホームが、成田エクスプレスなどと同じ地下の総武線ホームになりますので迷わないようにしましょう。
次におすすめできるのが高速バスです。東京駅八重洲口のバス乗り場から1時間に1~3本運行されています。所要時間は2時間10分~2時間30分ほどで、房総特急「しおさい号」よりも少し時間はかかりますが、運賃が片道2,600円と1,000円以上安いのが魅力です。
あまりおすすめではありませんが、東京駅から千葉駅まで総武線快速で、千葉駅から銚子駅まで総武本線普通列車で移動する方法もあります。乗車券だけなので片道2,310円と最も安くなりますが、所要時間が3時間弱もかかるのが難点です。
銚子電鉄での一日電車旅レビュー
今回、私が体験した一日電車旅のレビューをご紹介いたします。ちなみに、私は鉄道ファンを自認するほどの知識や関心はありませんが、電車旅と沿線の観光を取り入れながら楽しい旅ができました。多くの方の参考になるのではと思います。
JR銚子駅の構内に銚子電鉄のホームがあるので便利
東京駅7:37発の房総特急「しおさい1号」で銚子駅に9:34に到着。駅の改札を出ることなく、そのまま構内を移動して銚子電鉄のホームへ。JRの2番・3番ホームの奥にあります。ちなみに、銚子電鉄はスイカなどの交通系ICカードは使用できませんので、銚子電鉄のホームに入るところにJR出入場時の交通系ICカードのタッチセンサーが設置されています。乗車券はスイカで乗って来ましたので、ここで一旦タッチしてJRを出場し、銚子電鉄のホームに入ります。
あらかじめ調べていた銚子電鉄の時刻表では、9:47発の列車があるはずと思っていたのですが、駅の掲示板をよく見てみると「運休」の文字が。なんと、次は10:20まで40分ほど待つことに(運行情報は最新のものをチェックしましょう)。ホームには簡易な待合室以外何もありませんので、一旦、改札の外に出ることにしました。
JRの改札を出る際にスイカを再タッチするわけにはいきませんので、有人改札で事情をお話して難なく出場。ちなみに、銚子駅には銚子電鉄の切符売り場がありませんので(切符は車内販売)、銚子電鉄を利用するために改札を入場する際には、有人改札で銚子電鉄を利用する旨を告げて入場することになります。
時間つぶしに銚子電鉄の本拠地「仲ノ町駅」まで歩いてみた
残念ながら銚子駅の周辺にも時間をつぶせそうな場所がなかったことから、散歩がてら銚子電鉄の仲ノ町駅まで歩いてみることにしました。Googleマップで見ると下の地図のような感じで、徒歩10分程度と一駅分としては近いです。ヤマサ醤油の工場も近くにあるようなので、折角ですからそこも立ち寄ってみることにしました。
ヤマサ醤油の工場は門の前までしか見ることができませんが、その規模の大きさに驚きました。さすが醤油の町ですね。平常時は工場見学や展示館などもやっているようでしたので、また機会があれば訪れてみたいです。
そして、その工場の北端に隣接した位置に仲ノ町駅がありました。工場内への引き込み線があったようなポジションですので、もしかすると、かつてはここから貨物列車で醤油の積み出しを行っていたのかもしれません。
工場寄りの位置には車庫も設けられてあり、停めてある電車が工場とは反対の線路沿いの道路からよく見えました。下の写真では手前から、3000形、2000形、2040形というのだそうです。今回乗車できるのはどの車両かなとわくわくしながら駅舎へ向かいます。
古くさいながらいい味を出している仲ノ町駅
少し寄り道しましたが、銚子駅から徒歩10分ほどで仲ノ町駅に到着です。銚子電気鉄道株式会社の本社オフィスも兼ねているという駅舎ですが、どう見ても古い田舎の小さな駅といった感じで驚きです。駅舎内は、黒板に手書きの運賃表や時刻表があるなど、昭和時代のノスタルジーが漂っています。
この仲ノ町駅は有人駅なので、切符の購入はもちろん、「ぬれ煎餅」・「まずい棒」などのお土産やグッズといった物販の購入もできます。物販の売り場は、一旦改札からホームへ入ると建物内に入る入口がありますので、そこから入ります。なんと、切符売り場の駅員さんの席のすぐ隣に売り場がありました。品ぞろえは銚子電鉄のオンラインショップのほうが豊富でしたが、ここに来なければ手に入らないものもあります。たとえば御朱印です。
銚子電鉄では全10駅の御朱印なるものを頂くことができるのですが、仲ノ町駅では、「笠上黒生駅」、「本銚子駅」、「観音駅」、「仲ノ町駅」、「銚子駅」と銚子寄りの5駅分の御朱印を御朱印帳に記帳してもらえます。1駅分200円なので、5駅全てお願いすると1,000円になります。ちなみに、外川寄りの残りの5駅、「外川駅」、「犬吠駅」、「君ヶ浜駅」、「海鹿島駅」、「西海鹿島駅」の御朱印は犬吠駅にて記帳してもらえます。こちらも1駅分200円なので、5駅全てお願いすると1,000円になります。
お寺や神社の御朱印とは別管理したいという方もいらっしゃると思います。そういう方には銚子電鉄オリジナルの御朱印帳(色は3種類あり、一冊2,200円)を購入して、ここに10駅分の御朱印を記帳してもらうのがおすすめです。なお、第三セクター鉄道各社で実施している「鉄印」や「鉄印帳」とは全く別物になりますので、ご注意ください。
レトロな電車に乗車する
仲ノ町駅で一日乗り放題キップ「弧廻手形1日乗車券」(700円)を購入しました。銚子駅―外川駅の片道運賃が350円ですから、単純往復だけでも元が取れる値段です。施設の割引サービスもついていますので、必ず購入するようにしましょう。銚子駅や無人駅から乗車した場合には車内で車掌さんから購入することもできます。
物販で買い物をしているとほどなく銚子方面行き10:04発の電車が到着。2000形(2002+2502の2両編成)という車両でした。さっき車庫で見たものとは別のタイプの電車のようです。行きたいのは犬吠方面ですが、たぶんこの電車が銚子駅で折り返し運転するはずなので乗車しました。
2両編成の銚子駅側の車両に乗車。車体に「2002」と書かれた車両です。外から見ると昭和時代の通勤電車といったレトロ感がありますが、車内は今どきの電車とそれほど変わらないかな。外川駅側の車両、車体に「2502」と書かれた車両に移動してみました。するとビックリ。車内は千葉県を代表するゆるキャラ「チーバくん」で装飾されていて、パーティー会場のようになっていました。
座席に置かれた等身大「チーバくん」の横に座って記念写真を撮っている人もチラホラ。なかなか楽しい仕掛けがされています。
約4分で銚子駅に到着。ここでお客さんが一旦下車するので、車内撮影はこの時がチャンスです。また、折り返しの出発時刻まで15分ほど停車していますから、電車の外からの撮影もゆっくりできます。レトロな電車と一緒に記念写真を撮るのもこのタイミングがベストだと思います。
銚子駅で折り返して犬吠駅へ
10:20になり再び銚子駅を出発です。今度は2502の車両(チーバくんの車両)のほうが先頭になります。ガタゴトとのんびり走る電車の車窓からは、銚子の町、住宅街が見え、観音駅あたりを過ぎると徐々に田舎の風景になっていきます。平日でしたが、地元の人よりも観光で来ている人のほうが多いように見えました。運転席の後ろから動画撮影している人はいましたが、車内は静かで落ち着いた雰囲気でした。
途中、笠上黒生駅で時間調整とのこと、しばらく停車しました。単線なので上下線の列車がここで行違うのかと思いましたが、反対方向の列車が来ることはなく、そのまま出発。どうやら一本の電車がピストン運行しているようでした。銚子駅から外川駅までの所要時間が22分ですから1時間で往復できますし、1時間に1本間隔ならピストン運行で十分なのでしょう。
銚子駅を出て20分で犬吠駅に到着。犬吠駅にも物販の売り場があって、御朱印の記帳もいただけるようなので、犬吠駅で下車してみることにしました。
犬吠駅からレンタサイクルで犬吠埼などを観光
たぶん犬吠駅は銚子電鉄の駅の中でも最も立派な駅なのだと思います。駅舎内にあるお土産やグッズの売り場「犬吠駅売店」も、観光地のお土産ショップらしい規模と品ぞろえでした。「ぬれ煎餅」や「まずい棒」はもちろんのこと、その他にもたくさんのお土産がありますし、銚子電鉄関連のグッズもたくさん販売されていました。買い物は犬吠駅売店にするのがベストのようです。ちなみに、1,000円以上の買い物をすれば「弧廻手形1日乗車券」を見せると100円割引になりますので、お忘れなく。
折角なので海辺にある犬吠埼灯台を見に行くことにしました。あと、「弧廻手形1日乗車券」で割引の受けられる「地球の丸く見える丘展望館」にも行ってみることに。徒歩でも行けなくはなさそうでしたが、犬吠駅でレンタサイクルがあるとのことなので、レンタサイクルを借りることにしました。貸出は切符売り場の駅員さんに申し込みます。2時間500円、4時間1,000円、1日1,500円と3コースを選べるようになっています。私は2時間500円を申し込みました。アップダウンのある道が多いですが、電動アシスト自転車なので助かりました。
詳細は割愛しますが、レンタサイクルでまわった場所は、犬吠埼灯台、補陀洛山 満願寺、地球の丸く見える丘展望館、渡海神社、そして外川駅に立ち寄って犬吠駅にもどりました。観光にあまり興味がない方も、犬吠埼灯台だけは行ってみることをおすすめします。300円の別料金が必要ですが、犬吠埼灯台は中に入って登ることができる珍しい灯台です(登れる灯台は日本に16基しかないそうです。)。また、灯台の近くには飲食店やお土産物屋もたくさんあります。
外川駅で折り返して観音駅へ
観光を終え、昼食を済ませて再び犬吠駅へ戻ります。ほどなく13:32発の外川方面行き電車が入線して来ました。さっき乗ってきた2000形(2002+2502)です。やっぱり、この1本の列車がピストン運行しているようですね。
運よく運転席うしろのポジションが空いていたので動画を撮ることにしました。立入禁止の線があるので、その外側から立ったままでの撮影になります。
車掌さんも忙しそうに車内を行ったり来たりされています。たぶんYoutubeなどでも有名なあの女性の車掌さんだと思います。朝もお見掛けしたのですが、一日中ずっと勤務されるのでしょうか?頑張っておられますね。
約2分で外川駅に到着。ここで7分停車して折り返します。外川駅もレトロな感じのいい雰囲気の駅舎です。
ここの見どころとしては、ホームの奥に保存・展示されている「デハ801」というレトロな電車です。この電車は1950年(昭和25年)に製造され伊予鉄道で使用されました。1985年に銚子鉄道に売却され、銚子鉄道で活躍した後、老朽化のため2010年に引退。現在は外川駅で展示されており、駅員さんがいらっしゃるときは車内も公開されているようです(私が行ったときは閉まっていました)。
時間になり13:41に銚子方面へ向けて出発。来た道を戻ります。外川駅からも観光客らしき乗客が結構たくさん乗車して来ました。平日の昼間にもかかわらず人気の高さに驚きです。男性の鉄道ファンらしき方もいらっしゃいますが、意外にも女性の方が多いようです。Youtubeの効果が表れているということなのでしょうか。
電車は15分で観音駅へ到着。ここで下車します。観音駅の近くに「飯沼観音 圓福寺」というお寺があり、そこで「弧廻手形1日乗車券」を見せると吉祥縁起守りを頂けるということなので。
銚子大仏をお参りして東京へ戻る
観音駅からの観光名所は、飯沼山 圓福寺です。ここは、駅に近い位置の圓福寺本坊と、そこから更に5分ほど歩いたところにある飯沼観音との2カ所になります。そして、「弧廻手形1日乗車券」を見せると吉祥縁起守りを頂けるというのが、飯沼観音のほうになります。飯沼観音には「銚子大仏」という大仏様があります。奈良や鎌倉の大仏様に比べると小ぶりですが、しかし立派な大仏様です。
圓福寺本坊と飯沼観音のどちらもですが、銚子電鉄とコラボがあるようで、銚子電鉄のオリジナル御朱印帳を販売していました。仲ノ町駅や犬吠駅で売っているものと同じ御朱印帳です。銚子電鉄のオリジナル御朱印帳を購入して、銚子電鉄10駅の御朱印と、圓福寺本坊と飯沼観音とでそれぞれ御朱印を頂けば、この旅行で12個の御朱印となり、良い記念になりそうです。
東京へ戻る房総特急「しおさい12号」は銚子駅16:38発となり、これに接続するのは観音駅15:54発の電車になります。飯沼観音では見どころが多いことに加えて、親切な住職さんに本堂の中を詳しく説明していただいたので、予想外に時間がかかってしまいましたが、観音駅15:54発の電車には余裕で間に合いました。またまた2000形(2002+2502)の車両です。
銚子駅で電車を下車し、今日一日お世話になった2000形(2002+2502)との別れを惜しみつつ、東京行きの房総特急「しおさい12号」に乗り換えました。東京駅への到着は18:30。早く着きすぎたかもですね。もう1本あとの「しおさい14号」(最終)なら銚子駅を18:36発なので、外川駅までもう一回往復して、銚子駅でちょっと早めの夕食をとることもできたかもしれませんね。
まとめ
現役で活躍しているレトロな車両や駅舎、昭和時代のノスタルジーを感じることができるのは銚子電鉄の大きな魅力です。一日乗り放題キップ「弧廻手形1日乗車券」を使えば、そんな銚子鉄道の一日電車旅をお得に満喫できますし、また沿線周辺の観光にもお得です。
首都圏からなら日帰りで十分ですから、天気のいい休みの日に気軽に行ってみられてはいかがでしょうか?
Have a nice trip!