観光列車「伊予灘ものがたり」の予約方法と4つの運行ルート、「双海編」乗車レビュー

2023年5月9日

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JR四国が運行している観光列車「伊予灘ものがたり」は、愛媛県松山市から宇和島市を結ぶ観光列車です。この列車では、車窓から海沿いの景色を眺めながら、ちょっとリッチな食事を楽しめます。乗車率は常に8~9割に達するほどの人気で、リピーターが飛び抜けて多いそうです。

今回は、大人気の観光列車「伊予灘ものがたり」の予約方法と4つの運行ルートについて解説するとともに、私が実際に乗車した伊予灘ものがたりの「双海編」について、乗車レビューなどをご紹介することにします。

伊予灘ものがたりの紹介

JR四国が運行している観光列車「伊予灘ものがたり」のコンセプトは、「車窓から穏やかな伊予灘の海を間近に眺めながら、四国愛媛の伝統工芸やおいしいお食事、そして人々の温かさにふれる、ここにしかない鉄道旅-ものがたり-をお楽しみください。」というもの。

「鉄道旅-ものがたり-」の世界を体験するかのように、運行ルートの名前が「~編」になっていたり、車両の名前が「~の章」となっていたりと、名前まで凝った作りになっています。その内容も以下のとおり工夫が凝らされています。

伊予灘ものがたりの4つの運行ルート

伊予灘ものがたりは、土日祝を中心とした運行日に、松山~伊予大洲・八幡浜の間を1日2往復。それぞれ片道を1ルートとして計4つの運行ルートとなっています。

下の地図に示す通り、4つ全ての運行ルートは愛媛県内の予讃線を松山~伊予大洲・八幡浜の間を走行し、途中、向井原~伊予大洲の間は、海側の路線である「愛ある伊予灘線」を経由します。

向井原~伊予大洲の間は、内子駅を経由する山側の短絡線もあり、特急宇和海などはこの短絡線を走行するので、愛ある伊予灘線のほうはローカルな印象がありますが、海岸沿いの景色がとても美しい路線として人気があります。

4つの運行ルートには、「大洲編」、「双海編」、「八幡浜編」、「道後編」という名称がつけられていて、以下のようなスケジュールで運行されています。なお、下の表の途中の停車駅は、停車時間が5分以上のもののみ記載しています。

(1)  大洲編: 松山から伊予大洲(所要時間2時間2分)

松山08:26発 → 下灘(13分停車)→ 伊予大洲10:28着

(2)  双海編: 伊予大洲から松山(所要時間2時間4分)

伊予大洲10:57発 → 下灘(12分停車)→ 伊予上灘(7分停車)→ 松山13:01着

(3)  八幡浜編: 松山から八幡浜(所要時間2時間19分)

松山13:31発 → 下灘(8分停車)→ 伊予平野(11分停車)→ 八幡浜15:50着

(4)  道後編: 八幡浜から松山(所要時間2時間3分)

八幡浜16:14発 → 下灘(9分停車)→ 松山18:17着

4つの運行ルート全てに共通なのは、下灘駅に10分前後の長時間停車をすることです。この下灘駅は駅のホームから眼下に海が見える大変眺望のよい駅であり、「海の見える駅」として人気があります。伊予灘ものがたりでは、この下灘駅で車外に出て眺望を楽しんだり、記念写真を撮影したりするのが、旅の目玉となっています。

双海編のルートでは伊予上灘駅で約7分の長時間停車があり、列車の外に出ることができます。伊予上灘駅では、地域の方が特産物の販売を行ったり、可愛らしい犬・猫の福駅長たちがお出迎えしてくれたりというイベントがあります(都合によりお出迎えがない場合もあり)。

八幡浜編のルートでは伊予平野駅で約11分の長時間停車があり、列車の外に出ることができます。ただ、伊予平野駅では列車交換待ちのみで、とくにイベントなどは予定されていないようです(地域の方による特産物の販売があるとの情報もあり)。

4つの運行ルート全てで予約制の食事(後述)が提供されます。大洲編では3,000円くらいの朝食、双海編では5,500円くらいの昼食、八幡浜編では5,500円くらいの昼食、道後編では3,500円くらいのアフタヌーンティーセットとなります。食事の予約なしでも乗車できますが、駅弁などの持ち込みは禁止になっているので注意が必要です。

伊予灘ものがたりの車両

伊予灘ものがたりの車両は、2022年4月から2代目となるキハ185系3両編成のリニューアルされたものが使用されています。

1号車「茜(あかね)の章」、2号車「黄金(こがね)の章」、3号車「陽華(はるか)の章」と、それぞれ「~の章」という愛称がつけられており、「茜」は夕焼け空、「黄金」は太陽や柑橘類の輝き、「陽華」は温かな沿線を彩る花々という意味が込められているとのこと。

座席数は1号車27名、2号車23名、3号車8名。1号車は、海側に4名用ボックスシートと窓に向かったカウンター型のペアシート、山側に2名用ボックスシートが配置されています。2号車は、海側にペアシート、山側に2名用ボックスシートが配置されています。また、3号車は2名~8名で利用できる貸切個室「Fiore Suite」(フィオーレスイート)となります。

車内はレトロモダンな雰囲気の内装で見た目は豪華。窓は景色を見やすい大きな窓。座席はリクライニングの無い固定タイプとなりますが、ホテルのラウンジにあるような座り心地の良いものとなります。各座席には食事をとるのに便利な固定の大きなテーブルが備えられています。ちなみに、1号車と2号車は全てグリーン席、3号車はグリーン個室の扱いです。

トイレは、2号車に「男女兼用車いすトイレ」、3号に「男女兼用トイレ」及び「女性専用トイレ」の計3ヶ所となります。そのほか、全車内で利用できる無料Wi-Fiサービス、各座席にUSB充電ポートなどが装備されています。

洗面台の洗面鉢やトイレ内の手洗い鉢、食事で提供されるコーヒーカップやティーカップなどは、愛媛県の伝統工芸品「砥部焼」で出来ています。砥部焼女性作家グループ「とべりて」の作品だそうです。

伊予灘ものがたりの予約方法

伊予灘ものがたりに乗車するには、以下のチケットを購入する必要があります。

1号車・2号車: 「乗車券」+「特急・グリーン券」+「食事予約券」

3号車(個室): 「乗車券」+「特急・個室グリーン券」+「食事予約券」

「乗車券」は予約不要ですが、「特急・グリーン券」または「特急・個室グリーン券」、「食事予約券」については事前の予約が必要となります。

伊予灘ものがたりの「特急・グリーン券/個室グリーン券」

伊予灘ものがたりの「特急・グリーン券/個室グリーン券」は、全国の「みどりの窓口」またはJR四国ツアーをはじめ全国の主な旅行会社にて、乗車日の1ヶ月前AM10:00より予約・購入することができます。なお、JR西日本のネット予約「e5489」やJR東日本のネット予約「えきねっと」などのオンラインシステムでは、伊予灘ものがたりの予約・購入はできませんのでご注意ください。

「みどりの窓口」などに出向いて、伊予灘ものがたりの予約をするにあたり、事前に空席状況などを調べておくとよいでしょう。運行日は「伊予灘ものがたりの運行カレンダー」で確認し、空席状況は「JR四国の空席状況」にて調べられます。

伊予灘ものがたりの予約・購入をオンラインまたは電話で行いたい場合は、JR四国ツアーによる伊予灘ものがたりの日帰りツアー商品「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」を利用するのがおすすめです。

「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」では、伊予灘ものがたりの乗車券、特急・グリーン券、そして食事予約券がセットになっているとともに、四国の各地域(出発地)から伊予灘ものがたりの始発駅への乗車券と自由席特急券、伊予灘ものがたりの終着駅から出発地へ戻るための乗車券と特急券もセットに含まれています。なお、3号車の貸切個室「Fiore Suite」(フィオーレスイート)による設定はありません。

例えば、2023年3月に伊予灘ものがたりの大洲編に乗車する場合、JR四国の「みどりの窓口」で、松山から伊予大洲までの乗車券(970円)、特急・グリーン券(2,700円)、食事予約券(3,000円)。伊予大洲から松山に戻るための乗車券(970円)、自由席特急券(530円)となり、すべて合計すると8,170円となります。

これに対して日帰りツアー商品「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」で大洲編を申し込むと、伊予灘ものがたりの乗車券、特急・グリーン券、そして食事予約券がセットになるとともに、伊予大洲から松山に戻るための乗車券と自由席特急券も含まれて8,000円と金額的にもお得です。しかも、予約・購入したチケットは書留で自宅に郵送されるのですが、その郵送料も8,000円に含まれているのでお得です。

日帰りツアー商品「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」をオンラインで申し込むには、まずJR四国ツアーWEB会員の会員登録を行ったうえで、WEBサイト「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」から指示に沿って予約を行います。決済方法は、クレジットカードのほかコンビニ決済も可能です。オンラインでの申し込みは出発日の前日から起算して8日前で締め切りとなるので注意が必要です。

日帰りツアー商品「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」を電話で申し込む場合は、JR四国旅の予約センター「TEL 087-825-1662」に電話をします。受付時間は平日10:00~18:00、土日祝10:00~17:00となります。電話申込の場合の決済方法は、銀行振込か現金書留かのいずれかとなります。

なお、「四国グリーン紀行」や「バースデイきっぷ(グリーン車用)」といった特許・グリーン席を追加料金なしで利用できるフリーきっぷを購入すれば、「食事予約券」は別途必要とはなるものの、伊予灘ものがたりを追加料金なしで乗車することは可能です(3号車は「特急・個室グリーン券」が別途必要)。

ただ、座席の予約はオンラインや電話では出来ず、JR四国の「みどりの窓口」で行わなければならないため、現実問題として、四国外の遠方から利用する場合は、これらのフリーきっぷを利用して伊予灘ものがたりに追加料金なしで乗車することは難しいでしょう。

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伊予灘ものがたりの「食事予約券」

上で説明したとおり、伊予灘ものがたり(1号車または2号車)の「特急・グリーン券」を予約・購入するには、JR四国ツアーによる伊予灘ものがたりの日帰りツアー商品「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」を利用するのが便利であり、値段もお得でした。「食事予約券」もツアーに含まれているので、別途「食事予約券」を予約・購入する必要はありません。

一方、伊予灘ものがたりの3号車「Fiore Suite」(フィオーレスイート)を予約する場合は、「駅長推薦 あじな散歩道 伊予灘ものがたりきっぷ」を利用することができず、「みどりの窓口」より予約・購入することとなります。JR四国以外の「みどりの窓口」では、伊予灘ものがたりの「食事予約券」を予約・購入することができませんので、別途の手続きが必要となります。

あるいは、伊予灘ものがたりを「食事無し」で乗車するため、「特急・グリーン券」を「みどりの窓口」などで先に予約・購入していたが、後で気が変わって「やっぱり食事も申し込みたい」と思ったときなども、伊予灘ものがたりの「食事予約券」を別途予約・購入する手続きが必要となります。

「特急・グリーン券/個室グリーン券」と別途に「食事予約券」を予約・購入する方法は、以下の4通りのいずれかとなります。

  1. JR四国の「みどりの窓口」・ワープ支店、主な旅行会社で出発日の4日前までに予約・購入
  2. JR四国旅の予約センター(087-825-1662、平日10:00〜18:00、土日祝10:00〜17:00)に電話申込をして出発日の10日前までに予約・購入
  3. JR四国ツアーのWEBサイト「伊予灘ものがたり 食事予約券」にて、出発日の10日前までに予約・購入
  4. 「tabiwa by WESTER」にて出発日の4日前までに予約・購入

上記の4つの選択肢のうち、1. は出発日の4日前までに四国内に到着していなければ利用できませんので、四国外の遠方から利用する場合には、現実問題として利用するのが難しいかもしれません。その他の2.、3. 、4. は四国外の遠方からでも問題なく利用できます。

伊予灘ものがたり「双海編」の乗車レビュー

2023年2月に一人旅で伊予灘ものがたり「双海編」に乗車しましたので、気づいたことや感想などのレビューを紹介します。

伊予大洲駅で伊予灘ものがたりに乗車

伊予灘ものがたりの乗車前日は宇和島にて宿泊。当日は宇和島09:55発の特急宇和海10号で伊予大洲10:39着(2番のりば)。降りたホームのとなり3番のりばには、既に伊予灘ものがたり「双海編」3両編成が停車していました。伊予灘ものがたり「大洲編」が伊予大洲10:28着なので、約10分前から停車していたことになります。

列車の乗降口は開いていましたが「清掃中」の表示が掲げてあり乗車はまだできません。出発まで15分もあったので、列車の写真撮影などをして時間をつぶしました。残念なことに、伊予灘ものがたりが停車している3番のりばは一番外側にあるため、反対側のホームから線路越しに列車を写真撮影することができませんでした。

時間も余ったので何気なくホームの跨線橋に登って、跨線橋の上の窓から宇和島方面を眺めてみました。すると、遠くに大洲城の立派な天守閣が見えました。偶然にもこの天守閣を見ることができたのはラッキーでした。

そうこうしているうちに発車5分前となり、車内に乗り込みます。アテンダントさんに座席まで丁寧に案内されました。私の席は、2号車「黄金の章」の5番A席。海側の窓に面したカウンター型のペアシート。隣の5番B席は空席で、愛媛県のご当地キャラクター「みきゃん」のぬいぐるみが座っていました。いよいよ出発です。

伊予大洲駅を出発して下灘駅まで

伊予大洲駅を10:57定刻どおりに出発。車内は落ち着いたBGMが流れていて静かな雰囲気。アテンダントさんから食事についての説明などありました。とにかく、アテンダントさんはとても親切、丁寧な印象でした。

車窓からは、沿線住民の方々がお出迎えで手を振ってくださっているのを頻繁に見かけます。その都度、アテンダントさんからも「車窓右側から手を振ってくださっています~」といったアナウンスがあります。観光列車では沿線住民の方々がお出迎えで手を振ってくださることはよくあるのですが、伊予灘ものがたりはその数がとても多いなあと感じました。

途中、11:05頃に列車は徐行運転して五郎駅を通過。タヌキで有名な駅?なのかはよくわかりませんでしたが、駅のホームでは地域住民の方々からの熱烈な歓迎があり、ついつい嬉しい気分になりました。タヌキの着ぐるみを着た人もいたりして、見ていて楽しかったです。

その後、お昼にはちょっと早めですが11:10頃よりお食事が運ばれて来ました。この日は「内子杉の木箱で彩る和杉膳(わさんぜん)」お値段¥5,500、というものでしたが、杉でできた大きな弁当箱のインパクトが強烈。

蓋をあけると、中身も豪華。どれも美味しそうであり、ボリュームも結構ありました。このお弁当箱以外に、汁物と蓋物、そして食後のコーヒーがついていました。

豪華な食事が伊予灘ものがたりの楽しみの1つだと思うので、あまりおすすめではありませんが参考までに。食事予約券なしで乗車されていた方も何名か見かけました。

駅弁などの持ち込みは禁止なので、そういった方がどうされていたかと言うと、車内販売でアルコールとおつまみを注文したり、同じく車内販売でコーヒーや紅茶とケーキなどを注文したり、といった感じでした。

伊予灘ものがたりでは、お水とお茶なら持ち込みOKのようですので、とことん節約したいならお茶だけ買って乗車するということもアリかもしれません。

11:30頃、伊予長浜駅を出たあたりから車窓より海が見えるようになりました。当日、やや曇り気味な天気ではありましたが、車窓から眺める海は美しく、心が癒されます。海を眺めながら豪華で美味しい食事を味わうという、とても贅沢な時間でした。

アテンダントさんからどの方向に絶景が見えるといったアナウンスを聞き、車窓の景色を眺め写真や動画を撮影。愛ある伊予灘線では全体的にゆっくりした速度で列車は走行しますが、とくに景色の良いポイントでは一時停車したり徐行運転したりしてくれるので、走り去る景色を忙しく追いかけるといったことはなく、ゆっくりじっくり楽しめました。

あと、伊予灘ものがたりの特徴としては、車内の雰囲気が静かなことです。観光列車でありがちなのは小さなお子さんたちが騒いで車内が騒々しいことが多いです。お子さんたちは元気なので仕方ないことですが、静かに車窓を楽しんだり、くつろいだりするには、現実問題として難しいですよね。

伊予灘ものがたりは、乗車券などは子供料金の設定はあるものの食事メニューも大人用しか準備されておらず、基本的に小さなお子さんの参加を想定していないのです。だから、乗客のほとんどは大人であり、車内は静かな雰囲気が保たれ、結果的に満足度の高い鉄道旅になるのです。

景色を楽しみながら食事を終え、食後のコーヒーを飲んでいると、11:50頃、もうすぐ下灘駅に到着するというアナウンス。さあ、下灘駅に降りる準備です。

下灘駅では写真撮影タイム

下灘駅には11:58定刻に到着。私は早めに準備して1号車後端(伊予大洲側)の乗降口の扉の前でスタンバイ。停車時間は12分もあるのに何故?と思うかもしれませんが、それは人だかりができる前に写真撮影したいからです。

下灘駅に到着し扉が開くと急ぎ足で良い構図で撮影できる場所に移動。そして、写真撮影開始。そして、撮影した写真は以下のような感じでした。私は撮影技術もないし、カメラもコンデジなので、客観的には大したことないかもしれませんが、よくパンフレットなどで見るこの構図の写真、“海と列車と「しもなだ」の駅名ホーロー看板” を自分でも撮ってみたいと思っていたので、夢がかないました。

案の定、停車して1分しないうちに列車の前は記念撮影する人でごったがえしになりました。こうなってしまうと他の人が映り込まない写真を撮影するのは難しいですからね。しかし、ここでも地元の方々のお出迎えが盛大です。こうまで歓迎されるとほんとに嬉しくなりますよね。

12分の停車時間は写真撮影には十分すぎる時間。私は、下灘駅の駅舎を出て少しだけ付近を散策してみました。駅の外で見るべきものは特にありませんでしたが、ふと見ると伊予灘ものがたりの3号車が駅のホームから外に大きくはみ出して停車しているではありませんか?

下灘駅のホームは3両編成が余裕で収まるほどの大きさがあるにもかかわらず、3号車をホームの外にはみ出して停車させているのは、“海と列車と「しもなだ」のホーロー看板” の構図で写真を撮影できるよう、1号車端部を「しもなだ」の駅名ホーロー看板の位置にあわせるための、JR四国さんの粋なはからいなのかな、と勝手に解釈して感動していました。

下灘駅から伊予上灘駅そして松山駅へ

12:10定刻に列車は下灘駅を出発。伊予灘ものがたりの旅も後半に入ります。下灘駅を出てからも、しばらくは海を眺める車窓が続き、10分ちょっとで伊予上灘駅に到着。伊予上灘駅への到着時刻は12:23でした。ここで反対方向の列車と交換のため約7分停車となりました。

この伊予上灘駅で長時間停車するのは、伊予灘ものがたりの双海編ならではの特徴です。さきほどの下灘駅と同様、列車が駅に到着する前から乗降口の扉の前でスタンバイ。列車が停車するとすぐにホームへ降りました。この伊予上灘駅でのやることが多いです。

伊予上灘駅は2面2線の構造。つまり、列車が停車しているのとは反対側ホームから列車の全編成を綺麗に写真撮影できる絶好のシチュエーションということです。

反対側ホームには構内踏切を渡って手軽に移動できるのも、田舎の駅ならではですね。ということで、まずは、反対方向の列車が来て構内踏切が閉じる前にさっさと反対側ホームに移動して写真撮影。

列車の写真撮影が終わると急ぎ足で次は駅舎の中へ。この伊予上灘駅は、犬駅長と猫福駅長がいることで有名です。残念ながら私が行ったときは犬駅長だけで、猫福駅長は離席中でした。皆さん、犬駅長とツーショットの記念写真を撮影していました。

そうこうしているうちに停車時間の7分はあっという間に過ぎ、12:30定刻に列車は伊予上灘駅を出発しました。伊予上灘駅を出てからも、しばらくは海が見える車窓が続きましたが、その後、内陸部に入って愛ある伊予灘線ともお別れ。列車の速度も速くなって終着駅の松山まで走り抜けました。

松山駅には定刻13:01、3番のりばに到着です。伊予灘ものがたりは、折り返し八幡浜編の出発時刻13:31までの間、この松山駅で約30分停車しているので、最後の記念に写真撮影などはゆっくりできるのですが、伊予大洲駅のときと同様、伊予灘ものがたりが停車している3番のりばは一番外側にあるため、反対側のホームから線路越しに列車を写真撮影することができません。これはちょっと残念でしたが、まあ仕方りません。

まとめ

以上のとおり、観光列車「伊予灘ものがたり」の予約方法と4つの運行ルートについて解説するとともに、私が実際に乗車した伊予灘ものがたりの「双海編」について、乗車レビューをご紹介しました。

伊予灘ものがたりに乗車して特に印象に残ったこと、感動したことは、アテンダントさんのおもてなしがよかった、食事が豪華で美味しかった、沿線の住民の方々のお出迎えが嬉しかった、車窓からの海の眺めが美しかった、などでした。

4つの運行ルートの中であえておすすめをあげるなら、伊予上灘駅での停車時間が長い双海編ですが、私が伊予灘ものがたりに乗車して印象に残ったこと、感動したことは、その他の3つの運行ルートでも同様だと思います。満足度にそれほど差は無いので、スケジュールの都合などで皆さんに最適な運行ルートを選べばいいでしょう。

Have a nice trip!