きかんしゃトーマスにSLやアプト式列車まで丸一日遊べる大井川鉄道

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きかんしゃトーマスにSLやアプト式列車まで丸一日遊べる大井川鉄道

「きかんしゃトーマス」を本物のSLでリアルに再現したトーマス号の運行で有名な大井川鉄道。SLのほかにも、昔なつかしいレトロな車両や、日本唯一のアプト式鉄道など、面白い要素が盛沢山です。首都圏からも日帰り観光が可能な大井川鉄道についてご紹介したいと思います。

大井川鉄道の場所とアクセス

大井川鉄道(正式には「大井川鐵道」と表記)は、静岡県島田市に本拠をおく大井川鐵道株式会社が運営する鉄道路線であり、下の図のとおり、大井川流域に沿って伸びる大井川本線(金谷駅~千頭駅:39.5km)と井川線(千頭駅~井川駅:25.5km)の2つの鉄道路線から構成されています。

公共交通機関を使ってアクセスするのであれば、東海道新幹線の静岡駅(東京方面からのアクセス)か掛川駅(名古屋方面からのアクセス)から在来線の普通電車に乗り換えて金谷駅で下車することになります。JR金谷駅の横には大井川鉄道の起点である大井川鉄道金谷駅が併設されています。

東京から静岡までは、ひかり利用で約1時間、こだま利用で約1時間20分。静岡から金谷までは各駅停車で約30分。乗り換え時間を含めると東京から金谷までアクセスする所要時間は1時間40分~2時間ちょっとという感じです。

例えば、東京駅8:03発ひかり503号に乗れば金谷駅9:52に到着。大井川鉄道に乗り換えて新金谷駅10:21着となりますので新金谷駅10:38発のトーマス号に十分間に合います。

なお、マイカーを利用する場合には駐車場(1,000円/日)が充実している新金谷駅を目指すのがいいでしょう。新東名「島田金谷IC」から国道473号線を金谷市街方面(南)へ約10分、または東名「相良牧之原IC」から国道473号線を静岡空港方面(北)に約15分となります。

大井川鉄道の見どころ

続いて大井川鉄道での見どころと、その乗車・参加方法などについて紹介していきます。

トーマス号に乗車する

大井川鉄道の目玉となるのは何といってもトーマス号です。これは本物のSL(C11形227号蒸気機関車)をベースとして改装を施し「きかんしゃトーマス」をリアルに再現したものとなります。本物のSLですから迫力もあってクオリティは非常に高く、きかんしゃトーマスのファンでなくとも一見の価値ありです。

トーマス号の運行は期間限定になっているうえ、新金谷駅と千頭駅の間で一日一往復(往路/新金谷10:38発 千頭11:54着・復路/千頭14:10発 新金谷15:27着)しかありません。また、全席指定なのでチケットを予約購入しなければなりませんが、先着順ではなく基本的にローソンチケットからの抽選予約となっています。夏休み期間などは予約が集中してかなりの高倍率となるため、なかなか当選しにくいとも言われています。

少々割高になってしまいますが、トーマス号の乗車がセットになったツアーに申し込むという方法もあります。ツアーであれば先着順に予約がとれるので、早めに予約をすれば確実にトーマス号に乗車することができます。

きかんしゃトーマス関連の催しに参加する

きかんしゃトーマス号の運行日には、千頭駅構内にて「トーマスフェア」が開催されています(小学生以上500円)。トーマス好きのお子様がいれば、トーマス号に乗車できなくても、トーマスフェアだけで満足すること間違いなしです。

まず目を引くのは、ヒロ、パーシー、ジェームス号が並んで展示されており、その隣にトーマス号が並ぶ光景です。トーマス号以外の3機のベースとなっている車種はわかりませんが、見たところ実物のSLをベースに改装されているようで、見るからに迫力満点。きかんしゃトーマスのファンにとっては、たまらない光景かと思います。

そのほか「トーマスフェア」では、トーマス号の転車作業見学(12:30ごろ)、ラスティーの貨車遊覧(1回300円)、ウィンストンのレールライド(1回3人乗り300円)、ミニSL乗車、バッテリーカー(1回200円)と盛沢山です。

基本的にはどれも小さなお子様向けではありますが、ラスティーの貨車遊覧は、おじさんの私にとっても興味がありました。これは実物の貨車(若干改造された無蓋車)に乗って300m往復するだけなのですが、貨車に乗るというレアな体験ができるのは素晴らしいなと思いました。

一方、新金谷駅では、きかんしゃトーマス号の運行日に、新金谷駅舎を出て南側250mほどの転車台のところにある整備工場で「きかんしゃトーマス号の整備工場」というイベントを行っており(小学生以上500円)、トーマス号の始業前の整備や終業後の整備を間近で見学することができます。トーマス号が整備工場に入る時間にあわせて、朝は9:30~10:30くらい、午後は15:30~16:30あたりが見どころになるかと思います。

SL急行かわね路号に乗る

大井川鉄道では、動態保存されているSLが4機もあり、先述のトーマス号になっているC11形227号蒸気機関車のほか、C10形8号機、C11形190号機、C56形44号機が在籍しています。SL急行かわね路号は、このうち1機のSLがレトロな客車をけん引する急行列車となります。SLも古いものですが、客車も戦前に製造されたものとなっており、昭和初期の風情を満喫する体験ができます。

SL急行かわね路号は、不定期ですが土日祝を中心に運行されており、運行日には新金谷駅と千頭駅の間をだいたい一日一往復(往路/新金谷11:52発 千頭13:09着・復路/千頭14:55発 新金谷16:11着)しています。

SL急行かわね路号も全席指定で、事前に予約が必要です。予約は公式サイトからのオンラインによる予約となっており、先着順で予約がなされます。予約が確定すると予約番号の記載されたメールが届きますので、当日は、乗車前に金谷駅の窓口などで予約番号を告げて、座席指定されたSL急行券を購入します。

トーマス号とは違って抽選はありませんので、早めに予約すれば確実に乗車できます。千頭からの復路の便なら当日でも空席があることもあるようです。注意点ですが、SLではなくEL(電気機関車)がけん引する「EL急行かわね路号」が運行される場合もあります。一文字違いで紛らわしいのですが、予約時にはサイト上の文字を見間違いしないように注意が必要です。

アプト式列車に乗る

大井川鉄道の千頭~井川の間の井川線は「南アルプスあぷとライン」とも呼ばれているアプト式鉄道です。アプト式とは、急勾配を上るための鉄道システム(ラック式鉄道)の一種です。

線路の真ん中に「ラックレール」という歯形レールが敷設され、アプト式機関車には「ラックホイールピニオン」という歯車が付いています。この歯車が歯形レールに噛み合うことにより、急勾配でも滑らずに運行することができるのです。

とはいえ、井川線の全線(千頭駅~井川駅)がアプト式になっているというわけではなく、アプト式になっているのは途中の「アプトいちしろ駅」と「長島ダム駅」とのたった1駅区間のみとなっています。なので、アプト式列車に乗るというからには、この区間を乗車する、つまり井川線を千頭駅から少なくとも長島ダム駅までは乗車すべきでしょう。

井川線の車両はトロッコ型の小型客車です。千頭側にディーゼル機関車がついており、井川に向かう際にはこの機関車で客車を前方に押し、千頭に向かう際には機関車で客車を引っ張ります。井川側端部の客車からは、井川に向かう際には前面展望が、千頭に向かう際には後面展望が楽しめます。

一番の見どころは、アプトいちしろ駅と長島ダム駅でのアプト式電気機関車の連結・解結作業の見学です。停車中は駅のホームに出てこの作業風景を見学できます。

井川線は基本的に非電化なのですが、この1駅区間のみはアプト式電気機関車が走行できるように電化されているのです。アプト式電気機関車はディーゼル機関車に連結して、長島ダム駅に向かう際にはこの列車を押して急勾配を登り、アプトいちしろ駅に向かう際には列車を押さえながら急勾配を下ります。

レトロな車両に乗る

大井川本線(金谷駅~千頭駅)で運行する普通電車は、2021年現在3種類あります。1つは1966年製造の近鉄16000系。

次に1958年製造の南海21000系。

そして1968年製造の東急7200系です。

先述したSLがけん引する戦前の客車に比べると新しいとはいえ、昭和40年前後の製造ですから、それでもかなりのレトロです。いずれも外装・内装ともに大きな改装はなされていないようで、乗車した感じも昭和レトロを感じてしまいます。

大井川鉄道一日観光で気づいた点など

東京からの日帰りで大井川鉄道一日観光をしました。その際に気づいた点などについて簡単にコメントしてみます。

金谷駅で「お得なきっぷ」を買うべし

JRからアクセスする場合の大井川鉄道の起点になるのが金谷駅。私はSL急行かわね路号をネット予約していたので、ここの窓口でSL急行券を発券・購入しました。その際、乗車券も購入するわけですが、私の場合は大井川本線と井川線も全線往復する予定だったので、大井川鉄道全線2日間乗り降り自由の「大井川周遊きっぷ」(4,900円)を購入しました。一日観光なので2日分は勿体ない気もしましたが、単純に全線往復の運賃よりも安かったので購入を決めました。

ちなみに、大井川本線(千頭駅まで)のみ利用の予定であれば、大井川本線のみ同じく2日間乗り降り自由の「大井川本線フリーきっぷ」(3,500円)を購入するといいでしょう。こちらも金谷~千頭の往復運賃よりも若干安くなっているのでお得です。

一人旅ならトーマス号には乗るな

今回の旅行の最大の目的は、以前から気になっていたトーマス号に乗ることだった訳ですが、考え悩んだ結果、トーマス号には乗らないことに決めました。予約抽選のために予定が立てにくかったということもありますが、最大の理由はこれ。乗客は小さなお子様のいる家族連れがほとんどであろうと思われ、私のようなぼっち系おやじがボックスシートで見知らぬ三人連れご家族と約1時間10分をともに過ごすのは辛いだろうと思ったからです。

当日、トーマス号が新金谷を出発する様子を外から見送った訳ですが、客車内を見るとやはり予想通りの雰囲気でした。乗らないことは正解でした!トーマス号を外から見送ったことから、動いている迫力満点のトーマス号を見ることができ、かえって満足度は高くなりました。ちなみに、発車時のトーマス号を新金谷駅ホームで撮影したり見送ることは禁止されていたので、新金谷駅すぐ横にある踏み切りにてお見送りしました。

新金谷駅前「プラザロコ」で駅弁を買うべし

私の乗ったSL急行かわね路1号は、ちょうど車内でお昼時間となるので、駅弁を買っていくことにしました。駅弁は、新金谷駅を出て道路を渡ったところにある「プラザロコ」で買うことができます。駅弁のほか、トーマス関連グッズやお土産も豊富です。館内奥にはミュージアムが併設されており、古い機関車や客車なども展示されています。

食事に関してですが、レストラン等は新金谷駅付近にはあまり見当たりませんでした。千頭駅には構内に駅そばがあるほか、駅周辺にも何軒か外食できるお店があるようですので、お昼までに千頭に移動して、千頭で外食するという方法もあると思います。注意点として、千頭周辺のレストラン等は17時頃には全て閉まってしまうので、ここで夕食をとるというプランは好ましくありません。

井川線は奥大井湖上駅で折り返してもよい

今回、大井川鉄道は初めてだったこともあり、井川線を終着の井川駅まで乗り通してみましたが、奥大井湖上駅で折り返してもよかったと思いました。というのも、アプト式は長島ダム駅までであって、その先は通常の鉄道に戻ってしまうこと、奥大井湖上駅の景色は素晴らしいですが、その先まで行ってもそれ以上の感動的な景色はあまりないこと、そして終着駅の井川には特筆すべきものが無いことからです。

言ってしまえば、奥大井湖上駅から片道約50分もかけて井川駅まで行くのは時間の無駄かなと思ったからでした。奥大井湖上駅で下車すれば約50分の待ち時間で千頭行きの列車が来るので井川まで行って折り返すよりも1時間ほど節約できますし、風光明媚な奥大井湖上駅で有意義な50分を過ごすこともできるからです。

ちなみに、奥大井湖上駅で折り返しても「大井川周遊きっぷ」(4,900円)を購入するほうが、単純に往復運賃を支払うよりも安くなるので、きっぷの買い方に悩む必要はありません。

まとめ

以上、首都圏から日帰り観光可能な大井川鉄道についてのご紹介でした。可能ならトーマス号の運行日をねらってトーマス号の見物をしながらのスケジュールで大井川鉄道に行かれることをおすすめしますが、SL急行かわね路号メインでの日帰り観光や、アプト式列車目当てで行くのでも十分に楽しむことができると思います。

車窓からは大井川沿いや奥大井の渓谷などの変化のある風景を楽しむことができるので、一日乗車していても飽きることがありません。もし時間に余裕があるのなら、川根温泉などで一泊してみるのも面白いと思います。

Have a nice trip!

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