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「わたらせ渓谷鉄道」(正式には「わたらせ渓谷鐵道」)は、群馬県の桐生駅から栃木県の間藤駅までの、渡良瀬川に沿った約44kmにわたる第三セクターの鉄道です。トコトコ走る気動車で、渡良瀬渓谷の絶景を一年中楽しめる素敵な鉄道。とくに11月からの紅葉が見頃となる季節になると、「トロッコ列車」に乗って紅葉を楽しむ観光客で大賑わいです。
本記事では、東武鉄道などを使ってアクセスし、東京から日帰りで「わたらせ渓谷鉄道」に乗車する方法を紹介します。また、「わたらせ渓谷鉄道」に乗車して、渡良瀬渓谷の絶景や紅葉の見頃などを楽しむ方法についても、実際に私が乗車した際のレビューとともに紹介します。
東京から日帰りで「わたらせ渓谷鉄道」を楽しむ方法
「わたらせ渓谷鉄道」は、群馬県の桐生駅から栃木県の間藤駅までの約44kmにわたる鉄道です。乗車するには桐生駅などにアクセスする必要があります。まずここでは、東京から日帰りで「わたらせ渓谷鉄道」を楽しむ方法として、東京から「わたらせ渓谷鉄道」へのアクセス方法と、「わたらせ渓谷鉄道」で乗車すべきおすすめ列車について説明します。
東京から「わたらせ渓谷鉄道」へのアクセス方法
東京から「わたらせ渓谷鉄道」の始点である桐生駅までの最も速いアクセス方法は、東京から新幹線で高崎まで乗車(乗車時間約50分)し、高崎から両毛線普通列車で桐生まで乗車(乗車時間約45分)する方法です。待ち時間を含めて所要時間は1時間50分くらいになります。運賃は、新幹線で自由席を利用する場合、5,150円となります(乗車券代と自由席特急券代とをあわせた金額)。
一方、東京から「わたらせ渓谷鉄道」へのアクセスに東武鉄道を利用する方法もあり、金額的にもこちらがおすすめです。東武鉄道を利用する場合は、東武鉄道の浅草から「特急りょうもう」または「特急リバティりょうもう」で相老まで乗車(乗車時間約1時間50分)します。東武鉄道の相老駅は「わたらせ渓谷鉄道」の相老駅と隣接しているので乗り換えも便利です。運賃は、「特急りょうもう」の場合が2,480円、「特急リバティりょうもう」の場合は2,680円です(いずれも乗車券代と指定席特急券代をあわせた金額)。
以上のように、東武鉄道を利用すると、東京側の駅が浅草になって多少不便な場合もありますが、新幹線を利用する方法に比べて、所要時間がほぼ同じで運賃が約半分なので、大変お得だと言えます。東京から「わたらせ渓谷鉄道」へのアクセス方法としては、東武鉄道の利用がおすすめです。
なお、「特急りょうもう」や「特急リバティりょうもう」に乗車するには、通常の乗車券のほか指定席特急券が別途必要です。自由席は無く、全車指定席です。指定席特急券の予約・購入は駅の券売機でも可能ですが、東武鉄道の予約・購入サイトにてクレジットカード決済で予約・購入できるので便利です。
予約・購入サイトで購入したチケットはeチケットになりますので、紙のきっぷとしての発券は不要です。ちなみに乗車券のほうは通常どおり購入すればよく、東武線なのでもちろん交通系ICカードも使えます。券売機できっぷを買うことなく、例えばスイカやパスモを使って改札に入ればOKです(相老駅にも東武鉄道用の交通系ICカードのタッチセンサーが改札等に設置されています。)。
「わたらせ渓谷鉄道」で乗車すべきおすすめ列車
「わたらせ渓谷鉄道」で乗車する列車は、通常の普通列車でも車窓を楽しむことは可能ですが、土日祝日などを中心に運行されているトロッコ観光列車が、窓ガラスの無い開放感のある車両で、風を感じながら絶景を楽しむにはおすすめです。
トロッコ観光列車には2種類が運行されています。1つは「トロッコわたらせ渓谷号」というもので、これはDE10形というディーゼル機関車が4両の客車を引っ張るタイプです。4両の客車のうち中2両が窓ガラスの無いトロッコ車両で、先頭と末尾の2両は普通車両になります。
もう1つは「トロッコわっしー号」というもので、2両編成の気動車からなります。2両のうち1両が窓ガラスの無いトロッコ車両で、もう1両は普通車両です。
トロッコわたらせ渓谷号は、4月から11月にわたって、だいたいは土日祝日に運行されています。紅葉の見頃となる11月だけは平日もしばしば運行されています。運行区間については、「わたらせ渓谷鉄道」全線ではなく、大間々駅から足尾駅までの区間となり、運行日には一日一往復しています。
一方、トロッコわっしー号のほうは、運行日はトロッコわたらせ渓谷号よりも少なめな印象ですが、運行区間は、「わたらせ渓谷鉄道」全線、つまり桐生駅から間藤駅までの区間で、4月から11月にかけては一日二往復、12月から3月にかけては一日一往復します。なお、12月から3月の冬季に運行されるトロッコわっしー号は2両ともガラス窓つきの車両となり、厳密には「トロッコ車両」ではなくなる点、注意が必要です。
これら2種類のトロッコ観光列車に乗車するには、乗車券のほかに「トロッコ整理券」(大人520円)が必要となります。トロッコ整理券は、指定券ではないのですが、乗車日の一ヶ月前から列車ごとに数量限定で販売されています。こちらのページから空席を調べたうえでオンライン購入するのが便利です。
なお、乗車券については、乗車当日に駅の券売機で購入しますが、「わたらせ渓谷鉄道」全線を往復するような場合は、「わたらせ渓谷鉄道」全線を一日中乗り降り自由な「一日フリーきっぷ」(大人1,880円)を購入するのがおすすめです。
例えば、桐生駅や相老駅などから間藤駅や足尾駅までを単純往復する場合、通常の乗車券を買うと往復で2,000円を超えますので、一日フリーきっぷのほうが断然お得です。一日フリーきっぷは、桐生駅や相老駅の駅の券売機で購入できます。ちなみに、「わたらせ渓谷鉄道」では、スイカやパスもなどの交通系ICカードは使用できませんのでご注意ください。
「わたらせ渓谷鉄道」で絶景や紅葉の見頃を楽しむ方法
次に、「わたらせ渓谷鉄道」で絶景や紅葉の見頃を楽しむ方法を、私が実際に体験したレビューにより紹介します。11月初旬で紅葉も色づきはじめた頃、特急りょうもう号を利用して東京から日帰りで「わたらせ渓谷鉄道」のトロッコ列車を楽しみ、紅葉の見頃を満喫して来ました。以下、簡単にレビューをご紹介しますので、旅の参考にしてみてください。
特急りょうもう号で相老駅まで移動
東武の浅草07:40発の特急りょうもう3号に乗車。特急りょうもう号は、東武200系・250系という、ちょっと古めの車両です。座り心地や乗り心地などには問題ありませんが、電源コンセントなどの今どきの装備は設けられていません。乗車時間が1時間40分ほどありますので、スマホの予備バッテリーや飲み物などは予め準備しておいたほうがよさそうです。
相老駅で「わたらせ渓谷鉄道」に乗り換え
特急りょうもう3号は定刻どおり09:32に相老駅に到着。「わたらせ渓谷鉄道」に移動して10:15発の間藤行き普通列車に乗り換えです。「わたらせ渓谷鉄道」のホームは、東武線のホームの隣にあって、改札を出ることなく陸橋を渡って移動することができます。ですが、ここで一日フリーきっぷを買いたかったので、陸橋を渡って一旦改札を出て(改札のそばに交通系ICカードの東武用タッチセンサーがあり)、券売機で一日フリーきっぷを買いました。
一日フリーきっぷを購入したら、また改札を入って(ここではタッチセンサーを使わないように注意!)、陸橋を渡って「わたらせ渓谷鉄道」の間藤方面行きホームへ移動。
ちなみに、「わたらせ渓谷鉄道」のいくつかの駅では「鉄印」を1枚300円で販売しており、相老駅でも販売しています。しかし、相老駅であまり時間がなかったこともありますし、通洞駅のほうが鉄印デザインの種類が多いので、通洞駅で購入することにしました。
大間々駅でトロッコわたらせ渓谷号に乗車
普通列車で大間々駅に10:22到着。ここで下車して、トロッコわたらせ渓谷号に乗り変えます。トロッコわたらせ渓谷号は既にホームに停車していました。そのホームの端にある受付で、WEBでトロッコ整理券を予約購入した際の画面を提示し、座席表より座席を選んで指定席券を受け取りました。その後、トロッコわたらせ渓谷号に乗車。
トロッコわたらせ渓谷号は大間々を定刻10:54に発車。窓の無いトロッコ車両なので絶景が期待されます。当日は11月初旬で天気は晴れ、昼間の最高気温が18度の日でした。停車中はそうでもありませんが、動き出すとトロッコ車両は風がきついので防寒着は必須です。私はダウンジャケットを着て行って正解でした。
車窓の風景は、大間々から神戸あたりまでが進行方向右側が渡良瀬川の渓谷が見える絶景で、神戸から通洞の手前あたりまでが進行方向左側が渡良瀬川の渓谷が見える絶景、そして通洞から先はまた進行方向右側が渡良瀬川の渓谷が見える絶景となりました。
大間々駅を少し過ぎたあたりから森の中に入り、渡良瀬川の渓谷に沿って走りましたが、今回は渡良瀬川の渓谷の紅葉の見頃には若干早かったようにも思いました。それでも色づいた山々の景色はとても感動的でした。
トロッコわたらせ渓谷号では車内販売があり、私はお弁当を購入して食べました。トロッコ車両にはテーブルがありますので、車内での食事は問題ありません。
あと、神戸駅の停車中には、駅の売り子さんたちがお弁当やスナック類を売りに来ていました。車内販売ではなく、売り子さんから食べ物を買っている人も多かったです。
そうこうしているうちに12:23通洞駅に到着。列車はこの先、足尾駅まで行きますが、私は足尾銅山観光と、鉄印を購入するために、ここで途中下車しました。
通洞では足尾銅山観光
通洞駅ではホームの木々が紅葉していて美しかったです。まずは、通洞駅の窓口で鉄印を購入。
通洞駅から足尾銅山までは徒歩5,6分というところ。結構近いです。通洞駅の次に足尾駅というのがありますが、足尾駅で降りてしまうと、足尾銅山までとても遠くなるので注意が必要です。「足尾」という名前のせいで間違える人が多いそうです。
足尾銅山の詳細については割愛しますが、結論から言うと結構楽しめました。一番良かったのはトロッコ列車に乗って坑道内に入っていくところ。それがなかなかのワクワクものでした。入場料は830円。観光に要する所要時間は最低30分、1時間くらいあれば十分かと思います。
通洞駅から間藤駅へ
通洞駅から14:39発の間藤行き列車に乗車。普通列車です。終着駅の間藤駅には14:45着。ここで折り返して、予約している15:30発のトロッコわっしー号に乗車して桐生へ向かいます。間藤駅では45分の時間ができました。
間藤駅の周辺ですが、5分くらい歩いたところに小さなカフェらしきお店が一軒あっただけで、残念ながらその他のお店は全くありません。観光するところも、とくにこれといったものは無さそうでした。
昔、間藤駅から北へ1.5kmほどのところに間藤駅の次の駅、貨物専用駅の「足尾本山駅」というのがあったそうで、今は廃線、廃駅となっているのですが、その足尾本山駅の駅舎跡を見ることができるそうです。興味はあったのですが、往復だけでも45分かかってしまいそうなので、今回はあきらめることにしました。間藤駅から北へ5分くらい歩くと、廃線になった線路や踏切があります。今回はそこまで行って廃線を見てきました。ちょっと寂しい感じでした。
15:20頃に間藤駅に戻ると、既にトロッコわっしー6号が入線していました。ちなみに、駅ホームの横には、やぐらで出来た展望台があります。列車が入線する様子はこの展望台から見ればよかったな、とチャンスを逃したことを後悔しました。
トロッコわっしー号で桐生駅へ
トロッコわっしー号は気動車の2両編成。桐生側の車両がガラス窓になった普通車両で、間藤側の車両がガラス窓の無いトロッコ車両となっています。席は自由席なので、早いもの勝ちとなりますが、この日は平日だったためか、乗車前の待機列にも10人くらいしかおらず、難なくトロッコ車両の窓際の席を確保しました。
ちなみに、トロッコ車両のほうは、大部分の席がテーブルをはさんだ4人掛けのボックス席になっています。また、トロッコ車両には、記念品などを販売する売店とトイレが設けられています。
15:30に間藤駅を発車。車外からの風が入ってきて開放感があっていい感じです。渡良瀬川の渓谷が見える方角は、来た時と同様に左右に変化します。私もそうでしたが、他の人たちも、席を立って反対側の窓から写真をとったりしていました。木々の紅葉は、緑に混じった赤や黄の斑点模様もなかなかおつなものです。
トロッコ列車のいいところは、開放された車窓から風を感じながら景色を楽しめて、ガラスが無いので写真や動画も綺麗にとれることですが、車内アナウンスにより沿線の見どころなどをタイムリーに教えてくれるので、それも非常に有難かったです。
見どころの前にやってくると列車の速度を落としてくれたりするので、なかなかのサービス精神です。トンネルに入ると車内にイルミネーションを灯すのですが、そこも良いシャッターチャンスです。小さいお子さんのいる家族連れだと盛り上がりそうですね。
トロッコわっしー号には終点の桐生駅まで乗りましたが、大間々駅を過ぎると車窓も景色もそれほどではなくなりますし、11月となると17:00近くでは暗くて外もよく見えませんでした。東武鉄道で東京に戻る予定なら桐生駅まで行って折り返すことをせずに、相老駅で下車してしまったほうがよかったかもしれません。「わたらせ渓谷鉄道」に全線乗車ということにこだわるのでしたら別でしょうけど。
桐生から相老駅に戻って特急りょうもう号で東京へ
トロッコわっしー号は定刻17:01に桐生駅に到着。ここから折り返しで17:27発の列車に乗り相老駅へ17:33着。降りたホームに交通系ICカードのタッチセンサーがあるので、入場にタッチしてから陸橋より東武線のホームへ。18:04発の特急りょうもう42号に乗車です。乗り継ぎ時間はいずれも余裕がありました。
こうして浅草駅には19:55着、自宅についたのは21:00頃となりました。桐生駅まで行かなければ、もう1時間ほど早く家に着いていたかもしれませんね。とはいえ、東京から日帰り旅行し「わたらせ渓谷鉄道」で絶景と紅葉の見頃を十分堪能できました。
まとめ:東京から日帰りで「わたらせ渓谷鉄道」に乗車して絶景や紅葉の見頃を楽しむ方法
以上のとおり、東京からの日帰りでも「わたらせ渓谷鉄道」に乗車して絶景や紅葉の見頃を楽しむことが十分可能です。また、「わたらせ渓谷鉄道」へのアクセスとして東武鉄道の特急を利用すれば、リーズナブルな費用で楽しむことができます。
トロッコ列車の車窓から見える渡良瀬渓谷の美しい眺めは最高でした。紅葉の見頃なら最高です。もちろん、紅葉以外の季節でも一年を通じて四季折々の美しさがあり絶景を楽しめます。トロッコ列車は最高でした。
Have a nice trip!