真岡鐵道「SLもおか」と真岡駅「SLキューロク館」でSLを堪能

あなたは、SL(蒸気機関車)やちょっとレトロな客車での鉄道旅行はお好きですか?

もしそうなら、この記事で紹介する真岡鐵道の「SLもおか」に乗車して「SLキューロク館」を訪ねる旅はあなたにぴったりのはずです。

今回は、真岡鐵道SLもおかとSLキューロク館について、そしてSLもおかに乗車してSLキューロク館を探訪した際のレビューを紹介します。この記事を参考に、SLを存分に堪能する1日を計画してみてください。

「SLもおか」の基本情報と乗り方

真岡鐵道は、茨城県にある下館駅から、栃木県の真岡駅を経て茂木駅までを結ぶ41.9kmかからなる第三セクターの鉄道会社です。

SL(蒸気機関車)の運営に力を入れており、土日を中心に下館~茂木間を一日一往復するC12型蒸気機関車がけん引する観光列車「SLもおか」や、D51型蒸気機関車と9600型蒸気機関車が動態展示された、真岡駅に併設の「SLキューロク館」などが特徴です。

「SLもおか」の基本情報

SLもおかは、C12型蒸気機関車(C1266)が3両の客車をけん引する列車。3両の客車は、いずれも50系客車という国鉄時代の1977年に登場したレトロな車両になります。SLと客車ともに歴史を感じさせる雰囲気のいい列車です。

 

SLもおかは、土日を中心に下館~茂木間を一日一往復しています。運行日のスケジュールは、下り便が下館10:35発/茂木12:06着、上り便が茂木14:26発/下館15:56着です。

ちなみに、下館駅に15:56に到着したSLもおかは、客車の茂木側に連結されたDE10型ディーゼル機関車によりけん引されて、下館16:03発/真岡16:31着の普通列車(6103列車)として運行されます。これはC12型と客車を真岡駅の車庫に回送することを兼ねて普通列車として運行しているもので、後述するSLもおか券(整理券)が不要で、乗車券だけでSLに乗れるので、ちょっと「お得」かもしれません。

「SLもおか」には乗車券と「SLもおか券」が必要

SLもおかに乗車するには、乗車券と「SLもおか券」(SLもおか専用の整理券)が必要になります。下館~茂木をSLもおかで往復乗車する場合でも、乗車券とSLもおか券が往路と復路それぞれで必要になります。

乗車券は、下館駅、真岡駅、茂木駅などにある駅の券売機や窓口で購入できます(ただし支払いは現金のみ)。

ちなみに、真岡鉄道では、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードが利用できません。JR線などで交通系ICカードを使って下館駅にアクセスする場合には、交通系ICカードの出場処理をしなければいけませんので注意が必要です(真岡鉄道のホームのところに交通系ICカードの出場処理ができる機械があります。)。

おもな区間の乗車券の金額(いずれも片道、大人運賃)は、下館~茂木:1,050円、下館~益子:780円、下館~真岡:560円となります。

一方、SLもおか券を購入するには、まず真岡鉄道のwebサイトでSLもおか券の予約をしなければなりません。SLもおか券の予約受付は、乗車日の一ヶ月前の9:00から開始し、乗車日の2日前の23:55で終了します。SLもおか券を購入するには、遅くとも前々日の夜までにはwebサイトで予約しなければいけませんので、注意が必要です。

なお、SLもおか券の予約数が定員に達していない場合については、当日でも現地でSLもおか券を販売することがあるようですが、人気な列車であることから、当日券をあてにはできませんので、必ず事前予約をするようにしましょう。

また、茂木行きのSLもおか下り便については、SLもおか券の予約をする際に、時期によって弁当予約も可能となっています。弁当はWEBサイトで予約を行い、当日は代金と引き換えにSLもおかの車内で受け取るようになっています。下館行きのSLもおか上り便については弁当の販売はありません。

webサイトでSLもおか券の予約が完了すると、登録したメールアドレスに「【真岡鐵道】SL整理券のご予約確認」という件名の確認メールが届きます。このメールには「ご予約ID」と「予約する列車と人数」、そして下り便については「弁当予約」に関する項目が記載されています。

乗車当日は、SLもおかに乗車する駅の窓口(下館駅では真岡鉄道ホームにある受付)でこの確認メールを提示するか、あるいは確認メールに記載の「ご予約ID」と「予約する列車と人数」を提示して、SLもおか券を購入します。

SLもおか券の金額は、乗車区間によらず一律料金で、大人500円、小人250円、支払いは現金のみです。予約した弁当については、SLもおか出発後、SLもおかの車内で現金と引き換えに受け取ります。

「SLもおか」は全席自由席

ところで、SLもおか券は事前予約制ではありますが、座席が指定されているわけではありません。

つまり、SLもおかは全席自由席となります。そのため、好みの座席を確保したり、グループで固まって座席を確保したり、したければ、下り便では下館駅、上り便では茂木駅から乗車するのはもちろん、できるだけ早めに乗車位置に並んでおくことが必要です。

SLもおかで使用される50系客車は、2×2向かい合わせのボックスシートが基本となっていますが、客車の両端部付近は横並びのロングシートという通勤列車タイプの座席もあります。

グループや家族連れならボックスシートがいいかもしれませんが、車内を見物して回ったり、停車駅で車外に出てみたりと、行動派である場合にはロングシートという選択もいいでしょう。ベビーカーを利用する場合は、目の前に置いてお世話のしやすいロングシートのほうが便利なようです。

真岡駅「SLキューロク館」について

「SLキューロク館」は、真岡駅に併設された鉄道博物館です。「SLの走るまち」という真岡市の魅力を活用した拠点施設として整備され、その運営は真岡鐵道が行っています。

SLキューロク館の入場料は、なんと無料!開館時間は10:00から18:00、休館日は毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)と年末年始(12月29日から1月3日まで)となっています。

SLキューロク館には、様々な機関車、客車、貨車などが展示されていますが、何といっても目玉となるのは、動態展示されたD51型蒸気機関車と9600型蒸気機関車です。

D51型と9600型は、いずれも動力が本来の蒸気ではなく、圧縮空気により走行できるよう改造されてはいるものの、大きな動輪をゆっくり動かしながら約30mの展示用線路を走行する姿はなかなかの迫力です。

土日祝には9600型に乗車できるイベントも催されています。1日3回(10:00、12:00、14:30)、9600型の前端に車掌車を連結し、1回300円でこの車掌車に乗車することができます。9600型は車掌車を連結して約30mの展示用線路を2往復します。車掌車に乗るという体験もなかなかレアなので面白いです。

「SLもおか」乗車と「SLキューロク館」探訪のレビュー

2022年12月10日(土)、この日は東京の池袋から出発して下館へ、SLもおか(下り便)下館10:35発に終点の茂木まで乗車、続いて、普通列車で真岡まで折り返し、SLキューロク館を見学、その後、普通列車で下館、そして東京の池袋まで戻るという日帰り旅行のスケジュールでした。

下館駅には「のんびりホリデーSuicaパス」でJR線を利用

下館駅へのアクセスは、池袋から湘南新宿ラインで小山まで行き、小山で水戸線に乗り換えて下館までというルートでJR線を利用しました。

つくばエクスプレスと関東鉄道を乗り継いで下館駅へ行くルートもありますが、所要時間、乗り換え回数、運賃の点でJR線のみ利用するルートが断然有利です。

東京方面からであれば、東京上野ラインで小山まで行き小山で水戸線に乗り換えて下館までというルートで、所要時間2時間弱、運賃も片道1,500円~1,700円くらいとリーズナブルです。

私は、「のんびりホリデーSuicaパス」というSuica記録タイプのフリーきっぷを購入しました。この「のんびりホリデーSuicaパス」は2,670円でフリーエリア内が乗り放題。JR線を使って東京都内から小山を経て下館まで行くルートはフリーエリア内に入っているので、このルートで東京都内から下館を往復しても2,670円。普通に乗車券を買えば、東京都内と下館の往復が3,000円~3,400円くらいかかりますので、少しお得です。

SLもおかは基本的に土日祝の運行ですから、「のんびりホリデーSuicaパス」の利用が可能ですので、皆さんもSLもおかの乗車で下館に行く際には「のんびりホリデーSuicaパス」の利用をおすすめします。

なお、「のんびりホリデーSuicaパス」と似たフリーきっぷですが、紙で発行されるタイプの「休日おでかけパス」というものもあります。「休日おでかけパス」は土日祝発行でフリーエリアも「のんびりホリデーSuicaパス」と基本的に同じなのですが、値段が2,720円と50円ほど高くなっています。

最大の特徴は、追加料金(新幹線特急料金)を払えば、「休日おでかけパス」なら東京~小山の区間で新幹線に乗車できる点です。「のんびりホリデーSuicaパス」は追加料金を払っても新幹線には乗車できません。新幹線の乗車もあわせて楽しみたいという場合には「休日おでかけパス」という選択もいいと思います。

「休日おでかけパス」と「のんびりホリデーSuicaパス」との違い、日帰り旅行への活用法について

下館駅には早めに到着してSLもおかの撮影

下館駅には9:28に到着しました。SLもおか(下り便)の発車時刻が下館10:35発なので1時間以上も早く着いたことになりますが、これには理由がありました。SLもおかが真岡駅の車庫から出て下館駅に入ってくる時刻が9:55頃なので、そのシーンを撮影するためです。

JR水戸線の電車で9:28に下館駅へ到着すると、改札を出ずにそのまま真岡鉄道のホームに移動。「1番のりば」が真岡鉄道のホームです。1番のりばの入口付近には交通系ICカードの入出場処理ができる機械がありますので、忘れずにSuicaをタッチします。

1番のりばの入口付近には、真岡鉄道の受付もありますので、ここで係の人にSLもおか券を予約した際の確認メールを提示して、SLもおか券(500円)と下館から茂木までの乗車券(1,050円)を購入。いずれも現金支払のみなので、現金の準備をお忘れなく。

SLもおか券と乗車券を購入して1番ホームに入ると、すでに多くの人がSLもおかを待っていました。私のようにSLもおかの撮影目的の人もいましたが、家族連れなど、SLもおかの入線シーンの見物と座席をとるのを兼ねて待機している人も多くいました。

そうこういていると、9:55頃にDE10型ディーゼル機関車によりけん引されたSLもおかが1番ホームに入線してきたので撮影。

1番ホームに停車したSLもおかは、すぐにもと来た真岡方面に出て行き、ポイントの先で折り返して、1番ホームの線路の向こうに平行した留置線に入って行きました。この入替作業は面白いので見物する価値ありです。

その後、下館10:17発の普通列車が1番ホームから発着するまでの約10分間、煙を吹きながら留置線に止まっているSLもおかをゆっくり見物でき、写真や動画の撮影もゆっくりできました。下館10:17発の普通列車が1番ホームから出て行くと、入れ替わりにSLもおかが再び1番ホームに入線して、いよいよ乗車となりました。

SLもおかの車内は結構騒がしい

SLもおかのレトロな50系客車は、優等列車用に設計された車両ではないからなのか、遮音性能がそれほど高くなく、レールのジョイント音はもちろん、C12型の汽笛やドラフト音までよく聞こえてきて、「SLに乗ってるんだな~」と実感できるものでした。

とはいえ、実際には、SLのサウンドをしみじみ味わうといった感じではありませんでした。私の乗車した便が特にそうだったのかもしれませんが、乗客の大半が小さなお子さんを連れた家族連れだったため、終始、子供たちのはしゃぐ声、それを叱る親御さん方の声が飛び交って、結構騒がしかったというのが本音でした。まあ、SLの観光列車は半分遊園地みたいなものなので仕方ないですよね。

そんな感じだったので、あまり落ち着いて座席に座っていることはなく、車両連結部分のデッキのところに立って車窓を眺めているといった過ごし方になりました。停車駅ごとに車外に出て写真撮影したりしていたので、デッキで立っているのも、それほど苦ではありませんでした。

真岡駅と西田井駅では撮影タイム

SLもおか(下り便)は終着の茂木までに9駅停車しますが、その中で停車時間が長いのが真岡駅(10分停車)と西田井駅(5分停車)です。真岡駅と西田井駅では皆さん車外に出てSLもおかの撮影タイムが始まります。私も、真岡駅と西田井駅では写真撮影を楽しみました。

駅での列車の撮影のコツですが、列車が停車しているホームからだと記念撮影している人が多すぎて、他人が映り込まない写真を撮ることは難しいです。とくにSLでは、特徴的な動輪の下半分がホームの下に隠れてしまうので、良い写真が撮れません。そこで、おすすめなのが、列車が停車しているのとは反対側のホームから撮影するという方法です。この方法なら列車の前を人がふさぐことはありませんし、ホームの下に隠れる動輪の部分もバッチリ見えますので、良い写真が撮りやすいです。

反対ホームに移動するには、それなりに時間がかかりますので、停車時間が1分や2分だと厳しいですが、5分くらいあれば急いで移動して反対ホームで撮影して列車に戻って来ることは可能なことが多いです。

真岡駅では跨線橋を渡って反対ホームへ移動したのですが、停車時間が10分ありましたので、ゆっくり歩いて反対ホームで撮影して余裕で列車に戻って来ることができました。なお、真岡駅ではSLもおかの停車するホームから出るとき(跨線橋を登るとき)と戻るとき(跨線橋を降りてくるとき)に、SLもおか券を提示しなければなりませんので、、SLもおか券を常に携帯しておくよう注意が必要です。

西田井駅では停車時間が5分ですが、構内踏切を渡って反対ホームへ移動できるので、ここでもゆっくり歩いて反対ホームで撮影して余裕で列車に戻って来ることができました。なお、発車すこし前には構内踏切が渡れなくなるので、遅くとも発車1分前にはSLもおかの停車するホームに戻るようにしましょう。最悪、SLもおかに戻れず発車シーンを撮影するということになるので、注意が必要です。

茂木駅では転車台作業を見学

終着の茂木駅に定刻の12:06に到着。茂木駅ではホーム先端の構内踏切を通って転車台を見学できる場所に移動しました。ちなみに、転車台に移動する通路の途中からホームに停車しているSLもおかを良い感じで写真撮影できました。

SLもおかはすぐにバックを始め、ホームを出て真岡方面へ移動します。そして、ポイントを渡ったところで折り返して転車台のある隣の線路に入って来ます。そこで客車を切り離して、C12型が単独で転車台に入って転車台作業(方向転換)を行います。いろいろと動きが多いので見学していて楽しかったですし、動画を撮影するもおすすめです。

ちなみに、茂木駅には駅2階にテラスがあって、上から転車台を見学することもできます。私はテラスからの見学はしませんでしたが、テラスから見学したい場合には、SLもおかを下車してすぐに2階に移動することをおすすめします。

茂木で昼食をとって真岡に移動

SLもおかで弁当は予約していなかったので、茂木駅周辺で昼食をとることにしました。茂木駅に「駅そば平成」という駅そばのお店がありましたが、もう少し周辺を探してみることにしました。

茂木駅前の道の突き当たりT字路の信号を渡ったところ、周光院というお寺の入口あたりに手打ちそばのお店「そば広」に入りました。コシのあるなかなか美味しいおそばでしたので、このお店に入ったのは正解でした。

帰路は茂木13:22発の普通列車で真岡まで移動。帰路もSLもおかに乗車するという選択もありだと思いますが、SLもおかの乗車も撮影も片道で十分堪能できたということと、SLもおか(上り便)の茂木発車時刻が14:26分となり、茂木駅で1時間以上やることもないので、早々に普通列車で移動することにしました。

真岡ではSLキューロク館を探訪

真岡駅には14:04に到着。SLキューロク館は真岡駅を出てすぐ横にありました。ちなみに、真岡駅の駅舎はSLの形になっています。SLキューロク館と言い、真岡駅の駅舎と言い、真岡ではSLに力を入れていることがよくわかりますね。

SLキューロク館は入場料が無料なので気軽に見学することができます。SLキューロク館の建物に入るとすぐにお土産物の販売コーナーがあって、SL関連のグッズが販売されていました。その奥には「スハフ44系客車」という1954年に製造された古い客車が展示されており、客車の中にも入ることができます。

スハフ44系客車の奥には、今から100年以上昔の1920年に製造された9600型蒸気機関車(49671号)がありました。「SLキューロク館」の「キューロク」はこの「9600」にちなんだ名称であり、言うまでもなくこの9600型がSLキューロク館の目玉です。

運よく、ちょうど9600型の走行イベントが14:30から始まろうとしているところだったので、展示用線路のある建物の外の広場に見に行きました。

すると、9600型はゆっくり動き出して屋外にある展示用線路を走行、そして展示用線路の先にある車掌車に連結しました。1回300円でこの車掌車に乗車することができるようで、10人くらいの人が車掌車に乗り込んでいました。車掌車への乗車が完了すると、車掌車を連結した9600型は展示用線路を2往復走行しました。

ちょうど9600型の走行にあわせて、その横に平行に伸びた展示用線路上をD51型蒸気機関車も並走するように走行していました。D51型と9600型は、いずれも動力が本来の蒸気ではなく、圧縮空気により走行できるよう改造されてはいるものの、間近に見ると物凄い迫力があり、しかも2台が並走するというのは見ごたえがありました。

真岡からの帰り道

真岡16:11発の普通列車で下館に戻る帰り道、久下田駅で、DE10型ディーゼル機関車によりけん引されたSLもおか(C12型+50系客車)による真岡行きの普通列車(6103列車)と行き違いました。

乗客を見ると観光客っぽい人は乗っていないようでしたので、SLや客車のサウンドをしみじみ味わうのであれば、この普通列車(6103列車)に乗車するのもアリだなあと思いました。

まとめ

以上のとおり、真岡鐵道SLもおかとSLキューロク館について、そしてSLもおかに乗車してSLキューロク館を探訪した際のレビューを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

東京からの出発なら、下館駅へのアクセスは「のんびりホリデーSuicaパス」でJR線のみを利用し、少し早めに下館駅へ到着してSLもおかのC12型が駅に入線する様子などを楽しんでください。

SLもおかの乗車は下館から茂木までの往路片道だけで十分かもしれません。帰りは真岡駅のSLキューロク館にぜひ立ち寄ってみてください。D51型と9600型の迫力ある走行シーンを間近で見ることができるでしょう。

SLもおかに乗車し、SLキューロク館を探訪することで、SLを存分に堪能できる日帰り旅行になることでしょう。

Have a nice trip!