横須賀鎮守府めぐり、ヴェルニー公園で戦艦「陸奥」、三笠公園で戦艦「三笠」に出会う

2023年3月21日

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米国海軍基地や海上自衛隊の横須賀基地がある港町横須賀ですが、戦前は「横須賀鎮守府」と呼ばれる日本帝国海軍の大きな軍港でした。

今回は、旧日本海軍の軍艦たちとの出会いを求めて、横須賀を少しばかり散策してみましたので、ご紹介いたします。

横須賀駅で下車、ヴェルニー公園へ

行きはJR横須賀線の横須賀駅で下車しました。横須賀駅までは横浜駅から各駅停車で約45分です。昔の面影を残したレトロな駅舎は1940年に建てられたそうです。

横須賀鎮守府の時代には、海軍の軍人さんをはじめ多くの人がこの駅舎を利用していたのでしょう。

横須賀駅を出て、道路を渡るとそこがヴェルニー公園。ここはヴェルニー公園の西の端となります。

ヴェルニー公園の見どころ

まずはヴェルニー公園の西の端にあるヴェルニー記念館(入場無料)に行ってみます。

この記念館には、フランスの技術者であるフランソワ・レオンス・ヴェルニーの業績を紹介するパネル等が展示されています。

ヴェルニーは、1865年から1876年にかけて横須賀造兵廠、横須賀海軍施設ドックや灯台、その他の近代施設の建設を指導し、日本の近代化を支援した偉い方です。言うまでもなく、ヴェルニー公園やヴェルニー記念館は、このヴェルニーの功績を記念してのものです。

この記念館で必見なのが、3トンと0.5トンの鍛造・圧延用蒸気ハンマー(スチームハンマー)です。

これらはオランダで製作され、旧横須賀製鉄所で使用されていたもので、国の重要文化財に指定されています。旧日本海軍の艦艇を建造するのに大活躍したのでしょうね。

ヴェルニー記念館を出ると、巨大な砲身が展示されています。戦艦「陸奥」の41cm主砲です。

「陸奥」は横須賀で建造され、この主砲は1936年の大改修で搭載されたものだそうです。以前は東京のお台場にある「船の科学館」に展示されていましたが、2016年にヴェルニー公園に移設され、「里帰り」となったものです。

下の台座には「戦艦陸奥主砲」と刻まれてあり、説明書きがあります。

「陸奥」の主砲から少し進むと、何やら不思議な一対の建築物があります。これは逸見波止場衛門の衛兵詰め所です。横須賀鎮守府の出入口となっていたようです。

小さな建築ですが、しっかりとした鉄筋コンクリート造で、日本遺産にも指定されています。

ヴェルニー公園は海に面しており、横須賀港に停泊している護衛艦が良く見えます。

上の写真の左側は「いずも」ですね。大きいです。

潜水艦も停泊していました。横須賀鎮守府であった時代には、こんな感じで旧日本海軍の戦艦や空母など当時の艦艇が停泊していたのでしょうね。

徒歩で三笠公園へ

ヴェルニー公園の東の端から出て、「イオン横須賀店」の前を通り、大きな道路(国道16号線)に沿って東に進み、「三笠公園」を目指します。ヴェルニー公園から三笠公園までは、1.5kmくらいで、徒歩20分ほどかかります。米軍横須賀基地の前を端から端まで横切るようなルートとなります。ちょっと遠いです。

途中で、米軍横須賀基地のゲート前を横切ります。こんな感じで、セキュリティが物々しいですね。

米軍横須賀基地の敷地は、戦前は横須賀鎮守府の一部だったというのですから、横須賀鎮守府の規模のすごさが窺えます。

途中「三笠公園入口」という交差点で左に曲がり、米軍横須賀基地の別のゲート前を通って道路沿いに進むと三笠公園に到着です。

三笠公園の見どころ、戦艦「三笠」の見学

三笠公園での見どころとしては、戦艦「三笠」と、その前に建っている東郷平八郎連合艦隊司令長官の銅像です。

戦艦「三笠」は日露戦争で連合艦隊旗艦を務め、連合艦隊司令長官の東郷平八郎大将らがこれに座乗しました。

戦艦「三笠」が記念館としてこの横須賀で保存されたのは、かなり昔のことのようです。1921年のワシントン軍縮条約により三笠の廃艦が決まった後、国民から愛された三笠に対する保存運動が勃興し、1925年(大正14年)に記念艦として横須賀に保存することになりました。ということは横須賀鎮守府の時代にも今と同じ風景で戦艦「三笠」があったということなのですね。

戦艦「三笠」に乗船するには、まずチケット(600円)を購入します。

三笠の手前にある売店にチケットの自動販売機がありますので、そこでチケットを購入できます。そして、三笠の横にある「入口」から階段を登って乗船します。

階段を登ったところに窓口がありますので、ここで先ほど購入したチケットを渡して入場します。どうやら、自動販売機でチケットを買わなくても、この窓口で直接入場料を支払うことも可能のようでした。

まずは後部甲板。後部主砲の30.5cm連装砲です。迫力があります。

階段を下りて艦内に入ってみます。

艦内の大部分は、資料の展示室として使用されています。

とくに内装は当時のままというわけではありませんが、艦艇の構造部分の多くは当時のままのように思います。

通路を通って奥に進むと、士官室などがありました。

一部改装中のようでした。

調度品はさすが英国製という感じです。しかし意外と狭いベッドだったのですね。

これは当時のままのものでしょうね。

また通路を通っていくと、司令官の会議室がありました。

艦内通路の扉は小さいので頭をぶつけないように注意しましょう。

会議室の両隅には機銃が設置されていました。会議中でもすぐに応戦できるように、ということでしょうか?

艦内から、艦側部に設けられている多数の副砲を内部から見ることもできます。

残念ながら、艦内はこの層のみで、下の層は立入禁止となっていました。階段を上がって再び甲板に出ます。

艦側部には多数の機銃が設置されています。

煙突。なかなかいい眺めです。

前部甲板に出て前部主砲の30.5cm連装砲。陸奥の41cm砲より一回り小さいサイズですが、十分迫力もあり格好いいですね。

ずっと眺めていたい気分です。 

続いて艦橋に登ります。こちらは操舵室。

厚い鉄板に囲まれた円筒状の司令塔。弾丸を防ぐ構造になっているようです。

こちらからも操舵できるようになっているんですね。

こちらは信号探照灯です。

艦橋からの眺め。格好いい。

そして艦橋を下りて甲板を一周し、出口となりました。

たっぷり1時間半くらい楽しめました。

どぶ板通りで横須賀名物の「ネイビーバーガー」を食べる

帰りは三笠公園から京急本線「汐入駅」へ向かいました。途中「どぶ板通り」を通っていきます。三笠公園を出て、来た道を国道16号線の「三笠公園入口」交差点から、次の「本町一丁目」交差点まで戻り、米軍基地とは反対側に一本入った筋が「どぶ板通り」です。

戦前、この通りには道の中央にドブ川が流れていたが、人やクルマの通行の邪魔になるため海軍工廠より厚い鉄板を提供してもらい、ドブ川に蓋をしたことから「どぶ板通り」と呼ばれるようになったそうです。その後、ドブ川・鉄板ともに撤去され、「どぶ板通り」という名前だけが残っています。ここも横須賀鎮守府に関係があったのですね。

今ではこの「どぶ板通り」は「スカジャン発祥の地」として有名です。

いかにもアメリカといった街並みです。

また、スカジャンのお店以外にも、「ネイビーバーガー」や「海軍カレー」など、横須賀の名物グルメを楽しめるスポットとなっています。

ときどき非番の米軍水兵さんに出会いました。

これは「延命地蔵尊」。このどぶ板通り商店街に延命地蔵が祭られたのは、1923年(大正12年)の関東大震災の後だそうです。ここも横須賀鎮守府時代から変わらぬ光景ですね。

今回は「どぶ板通り」にある「ALFRED(アルフレッド)」というお店でお昼を食べました。

「海軍カレー」は売り切れとのことで、「ネイビーバーガー(1,200円)」を注文しました。

かなりのボリューム。お肉はたっぷり入っています。量も味も満足でした。

まとめ

今回は、ヴェルニー公園、三笠公園、どぶ板通りで横須賀鎮守府の面影を訪ねてみましたが、いかがでしたでしょうか?

横須賀にはまだまだ気になるスポットがたくさんあるようですので、今後も何度か訪ねてみたいと思います。

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Have a nice trip!