【軍艦まとめ】戦前に活躍した軍艦たちに出会える場所

2023年11月4日

[アフィリエイト広告を利用しています]

戦艦三笠

第二次大戦およびそれ以前に活躍した、ちょっと古めの軍艦に興味があり、こうした軍艦たちに出会える場所を訪れてきました。今回は、これまで当ブログの記事でとりあげてきたものだけでなく、わたしが訪れたことのある「戦前に活躍した軍艦たちに出会える場所」についてまとめてみました。

掘り出し物が見つかるかも ⇒ 「帝国海軍」で検索した商品@メルカリ

日露戦争で活躍した旧大日本帝国海軍戦艦「三笠」

戦艦「三笠(みかさ)」は、敷島型戦艦の四番艦。1902年(明治35年)3月に英国のヴィッカース社で建造されました。日露戦争では連合艦隊旗艦を務め、連合艦隊司令長官の東郷平八郎大将らが座乗しています。現在は防衛省が所管し、かつて横須賀鎮守府のあった神奈川県横須賀の三笠公園で記念艦として保存されています。観覧料600円がかかりますが、実際に乗船することも可能です。

詳細は「こちらの記事」でご紹介しています。英国製の軍艦であり、残念ながら日本の技術で建造された軍艦ではありませんが、日露戦争時代の軍艦本体が現存しているのは、世界でもこの戦艦「三笠」とロシアの巡洋艦「アヴローラ」くらいではないでしょうか?とても貴重な文化遺産です。

ちなみに、この三笠公園の近くにあるヴェルニー公園では、横須賀海軍工廠で建造され、かつて“ビッグセブン(世界の七大戦艦)”と呼ばれた戦艦「陸奥」の41cm主砲も実物展示されていますので、こちらも是非お立ち寄りください。

ミッドウェー作戦にも参加した旧大日本帝国海軍特務艦「宗谷」

特務艦「宗谷」は、東京都お台場にある「船の科学館」で係留・展示されている艦艇です。“特務艦”というよりも“初代南極観測船”として広く知られています。この「宗谷」も、外から見るだけでなく、実際に乗船して中を見学することが可能です。入場は無料です。任意ですが、運営維持協力金の寄付ができるようになっています。

この「宗谷」は、もともとソ連向けの商船(耐氷構造貨物船)として、川南工業香焼島造船所で1938年(昭和13年)6月に建造されましたが、日中戦争の激化に伴いソ連への引き渡しが不可となり、それを旧大日本帝国海軍が買い上げ、特務艦として運用したという経緯があります。

詳細は「こちらの記事」でご紹介しています。現在は、もっぱら元南極観測船として展示されていますが、太平洋戦争中の特務艦時代にはミッドウェー作戦にも参加しており、米潜水艦を撃沈したという記録もある、れっきとした軍艦でした。川南工業は輸送艦などの非戦闘艦を建造していた会社であり、特務艦「宗谷」にも戦闘艦としての技術を見ることはできませんが、戦前の日本の高い造船技術を知ることのできる貴重な文化遺産であります。

“軍艦防波堤”となって第二の人生をおくる旧大日本帝国海軍駆逐艦「柳」

駆逐艦「柳(初代)」は桃型駆逐艦の4番艦。1917年(大正6年)5月に佐世保海軍工廠で建造されました。第一次世界大戦では地中海の海上護衛に従事し、第一次上海事変においては揚子江水域の作戦に参加しました。

太平洋戦争終戦後、駆逐艦「涼月」及び駆逐艦「冬月」とともに、北九州市の若松港(現在の北九州港)に沈設され防波堤となりました。“軍艦防波堤”と呼ばれています。近年、文化財としての価値が見いだされて修復・保存が進められており、土木学会による「近代土木遺産2800選」にも選出されています。

詳細は「こちらの記事」でご紹介しています。赤さびた金属の骨組みがコンクリートに固められた状態で残っているだけで、船のシルエットは確認できるものの、案内板の説明がなければこれが軍艦であったことはわからないでしょう。貴重な文化遺産であるとは思いますが、アクセスも不便なところにあり、事前知識なく行っても得られるものが少ないので、それなりに覚悟をもって訪ねて欲しい場所となります。

世界で唯一現存する戦前の日本製駆逐艦、タイ王国海軍メクロン級スループ「メクロン」

メクロン級スループ「メクロン」は、神奈川県の浦賀船渠株式会社(通称「浦賀ドック」)で1937年(昭和12年)に建造され、タイ王国海軍に引き渡された駆逐艦(あるいは海防艦に分類されることもある)のことです。現在は引退し、タイ海軍が管理する記念公園内で現物保存されています。入場無料で、実際に乗船することも可能です。

詳細は「こちらの記事」でご紹介しています。上で紹介した「三笠」は英国製の戦艦、「宗谷」は日本製ですが非戦闘艦である特務艦でした。この「メクロン」は戦前の日本製駆逐艦。戦前の日本製戦闘艦で現存しているのは世界中でこの「メクロン」しかありません。戦前の日本の軍艦建造技術を知ることのできる大変貴重な文化遺産です。

タイのバンコク市内からは日帰りで行くことができますが、アクセスは必ずしも容易ではありません。事前にこちらの記事を参考によく調べてから行かれることをおすすめいたします。

博物館として公開保存されている米国海軍の大型戦艦「アイオワ (USS Iowa, BB-61)」

羨ましいことに米国では戦前に活躍した軍艦たちがたくさん保存されており、その多くが乗船して見学可能になっています。その1つに大型戦艦「アイオワ (USS Iowa, BB-61)」があります。米海軍のアイオワ級戦艦のネームシップ(一番艦)です。1943年に就役し、第二次世界大戦や朝鮮戦争での活躍を経て、1990年に退役。その後2006年に博物館としてロサンゼルス港で公開展示されています。

詳細は「こちらの記事」でご紹介しています。この「アイオワ」も入場料はかかりますが乗船して艦内を見学することが可能です。日本の戦艦大和や戦艦武蔵と同じ頃に建造され、サイズ的にも近いですので、当時の大型戦艦がどういったものだったのか、直に感じることができます。

戦前の航空母艦建造技術を伝える米国海軍のエセックス級航空母艦「USSホーネット」

戦前のレシプロ機を運用するために建造された航空母艦で現存するのは、世界にもこの「USSホーネット」と、ニューヨークにある同じく米国海軍エセックス級航空母艦「イントラピッド」の2隻だけのはずです。航空母艦「USSホーネット」は1943年に就役し、太平洋戦争では日本海軍とも交戦しています。戦後も活躍を続け、アポロ11号の回収ミッションなど面白い経歴をもち、現在は退役してサンフランシスコ近郊のアラメダで博物館として一般公開されています。

詳細は「こちらの記事」でご紹介しています。この「USSホーネット」も入場料はかかりますが乗船して艦内を見学することが可能です。見学者がある程度集まると、艦内では退役軍人ボランティアの方が無料でガイドツアーをしてくれますので、それに付いて行ってみるのがおすすめです。英語にはなりますが、艦内での生活のことや、興味深いエピソードを聞くことができます。当時の空母大国であった日本には、残念なことに現存する空母が一隻もありませんが、加賀や赤城もこんな感じだったのかな、と思いをはせることができるかもしれません。

テムズ川のシンボル、第二次世界大戦で活躍した英国海軍軽巡洋艦「ベルファスト」

第二次世界大戦の戦勝国であり海軍大国でもあった英国ですが、意外なことに当時活躍した軍艦で現存しているのはこの軽巡洋艦「ベルファスト (HMS Belfast, C35)」だけです。「ベルファスト」は英国海軍のタウン級軽巡洋艦で、1939年に就役し、第二次世界大戦や朝鮮戦争での活躍を経て、退役後の1971年に陳列艦として大英帝国戦争博物館分館となり、テムズ川南端のプール・オブ・ロンドンで展示されています。

詳細は「こちらの記事」でご紹介しています。この「ベルファスト」も入場料はかかりますが乗船して艦内を見学することが可能です。かつては日英同盟を組み、旧日本海軍とは関係の深い英国海軍でした。上でご紹介した戦艦「三笠」も英国で建造されたものでしたが、旧日本海軍や戦前の日本の軍艦建造技術など、そのルーツは英国にあるのかもしれません。そんな観点から軽巡洋艦「ベルファスト」の見学は興味深いものとなるかもしれません。

ミュンヘンのドイツ博物館で展示されている旧ドイツ海軍潜水艦「U1」

第二次世界大戦の敗戦国であるドイツですが、戦前のもので廃棄処分を免れ現存する潜水艦が2隻あります。現存する戦前の潜水艦自体があまりない中で、ドイツに2隻もあるのは驚きです。このうち1つはドイツのキールという街で博物館として公開保存されている潜水艦「U995」。もう1つはミュンヘンにあるドイツ博物館で展示されている潜水艦「U1」です。(すいません。潜水艦「U1」についてはまだブログ記事を書いておりません。)

潜水艦「U995」のほうは艦内に入って見学できるので、こちらのほうが断然面白そうなのですが、如何せんキールという街はなかなか訪れるチャンスがないのが欠点。潜水艦「U1」のほうは、艦内には入ることはできませんが、船体壁を一部撤去して中の様子がわかるように展示されています。解説もありますので、潜水艦建造技術や艦内生活の様子などを見学するという意味では、むしろこちらのほうが面白いかもしれません。そして、ミュンヘンというメジャーな都市にあるということと、ドイツ博物館のアクセスの良さが有難いです。

この潜水艦「U1」は1906年に建造された最初のUボートだそうです。実戦運用はほとんどなく、1919年には退役したので、第二次世界大戦での活躍はありませんが、Uボート建造技術の原点を知ることのできる貴重な文化遺産であることは間違いありません。

番外編:靖国神社でひっそり眠る旧大日本帝国海軍の人間魚雷「回天」

これを軍艦に入れるのはおかしいかもしれませんが、戦前の日本の潜水艦建造技術を知ることのできる一資料としては貴重な文化遺産であると思います。人間魚雷「回天一型改」の実物は、靖国神社の境内にある「遊就館」で展示されています。出撃せずに終戦を迎えたものなのでしょう。

靖国神社については「こちらの記事」でご紹介しています。「遊就館」にはこの「回天」以外にも、零式艦上戦闘機52型、艦上爆撃機「彗星」、九七式中戦車「チハ」など、太平洋戦争中に活躍した多くの兵器の実物が展示されていますので、靖国神社を参拝される際には、是非立寄っていただきたい場所となります。

まとめ

これからも戦前に活躍した軍艦たちをどんどん紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに!

掘り出し物が見つかるかも ⇒ 「帝国海軍」で検索した商品@メルカリ

Have a nice trip!