【後編】東京から日帰りで熊野古道を味わう方法-「大門坂―熊野那智大社コース」のレビュー

「【前編】東京から日帰りで熊野古道を味わう方法-日帰り可能なプランを計画」でご紹介したとおり、東京からでも日帰り可能で、しかも熊野古道の魅力を味わうことのできる、おすすめのコースが「大門坂―熊野那智大社コース」(本記事での仮称)でした。

本記事【後編】では、【前編】で紹介したプランに従い、わたしが実際に東京から日帰りで「大門坂―熊野那智大社コース」を旅行したレビューをご紹介します。

「大門坂―熊野那智大社コース」を日帰り旅行した全行程概要

はじめに全行程の概要を記載しておきます。東京から、「大門坂―熊野那智大社コース」の最寄り駅となるJR紀伊勝浦駅までのアクセスでは、羽田空港07:35発・南紀白浜空港08:50着のJAL213便を利用し、白浜駅10:10発の特急くろしお1号に乗り継いで、紀伊勝浦駅に11:34着となりました。

紀伊勝浦では、バス停「紀伊勝浦駅」11:45発の31系統バスに乗り、バス停「大門坂」に12:04着。その後、「大門坂―熊野那智大社コース」で熊野古道を歩き、熊野那智大社などを約4時間かけて観光・参拝。帰りはバス停「那智の滝前」16:24発の31系統バスに乗り、バス停「紀伊勝浦駅」に16:48着となりました。

JR紀伊勝浦駅から東京への戻りは、紀伊勝浦駅17:10発の特急ワイドビュー南紀8号で名古屋駅20:49着、名古屋駅20:59発の新幹線のぞみ56号に乗り継いで、東京駅22:36着となりました。

「大門坂―熊野那智大社コース」の日帰り旅行レビュー

上の全行程概要に従って、わたしが実際に東京からの日帰りで「大門坂―熊野那智大社コース」を歩いて熊野那智大社をはじめ、青岸渡寺、那智の滝を参拝・観光しましたので、そのレビューをご紹介いたします。

東京からのアクセスは「JAL便+特急くろしお号」を利用

JAL213便は羽田空港07:35発。国内線とはいえ30分前には空港に到着しないといけません。朝は家を5時半ごろに出発しました。日帰り旅行では早朝に家を出ることが多いので、早起きが苦手だと大変です。わたしも早起きは苦手なほうでしたが、最近は早朝出発の日帰り旅行が増えてきたせいか、体が慣れてきました。

 

JAL213便は定刻どおり羽田空港を出発し、南紀白浜空港に定刻の08:50に到着。南紀白浜空港からJR白浜駅までは路線バスが出ており、到着便にあわせて南紀白浜空港を9時すぎに出たバスはJR白浜駅へ09:30頃到着しました(現金のみ360円)。ちなみに、南紀白浜空港からは熊野神社本宮へ行くバスも出ているようでした。2時間半ほどかかる長時間移動のバスですが、熊野本宮大社へ観光・参拝するには使えそうな交通手段です。

この先、昼食時間がうまくとれないかもしれないので、白浜駅で駅弁を購入。そして、白浜駅10:10発の特急くろしお1号に乗車。車内で少し早めの昼食をとりつつ、紀伊勝浦駅に11:34着となりました。特急くろしお号は海側の景色がいいので、なるべく座席は海側(紀伊勝浦に向かって進行方向右側)の窓側を予約することをおすすめします。

バスで紀伊勝浦駅から大門坂へ

紀伊勝浦駅から大門坂までは熊野御坊南海バスの31系統「那智山方面行き」を利用します。紀伊勝浦駅前にバス停があり、11:45発のバスなので乗り継ぎは余裕ですが、40分に1本と便数が少なく、これを逃すと大変なことになるので素早く行動。バス停「大門坂」には12:04に到着しました(運賃は現金またはペイペイ払いで430円)。

話は戻って昼食のことですが、車内で早めの昼食を済ませておいたのは正解でした。バス停「大門坂」に着いた時刻が12時ちょうどだったので、理想的には大門坂付近で昼食をとるのがよかったのですが、予想した通り大門坂付近には昼食をとれる飲食店が見当たりませんでした。紀伊勝浦駅周辺には飲食店がたくさんありますが、今回のようにバスの乗り継ぎ時間が短い場合には、紀伊勝浦駅周辺で昼食をとるのはおすすめできません。

後で考えると、次のような方法でもよかったかなと思いました。幸いバス停「大門坂」のところが広いパーキングエリアにもなっていて、野外ではありますが座って弁当を食べられそうなベンチもありました。天気のいい日ならあらかじめ買った駅弁をここで食べるというのもいいかなと思います。

大門坂から熊野古道を歩く

下の図にあるとおり、大門坂バス停から那智山方面に100mほど歩くと「大門坂」という標識のある三差路があります。ここを左側の細い道に入って行くのが熊野古道です。ちなみに、さきほどのパーキングエリアには「杖」の無料貸し出しがあります。この先、石段の多い登り道が続きますので杖があると少しは歩きやすくなります。是非一本借りて行ってください。杖はボックスに入っていますので、一本を自由に持っていけばOKです。

三差路を入って行くと、しばらくは山村の中の田舎道といった感じが続きます。そして鳥居と朱塗りの小橋を通ります。いかにも参詣道という感じがして、だんだんテンションも上がってきました。

石畳の道を少し歩いて行くと「大門坂茶屋」というお店があります。「茶屋」と言っても飲食店ではなく、「平安衣裳」の貸し出しを行っているお店でした。わたしは利用しませんでしたが、この先の熊野古道では平安衣裳を着た若い女性の方々をよく見かけました。神秘的な森の中の熊野古道の風景に鮮やかな平安衣裳がとても絵になっています。きっと平安時代もこのような光景だったのかなと思いました。

貸し出しは利用時間ごとに料金が決まっているようで、平安衣裳を着て熊野那智大社まで行って帰ってくる2時間コースとか、大門坂茶屋の近くを歩いて写真を撮るだけの1時間コースというのもあるようです。また戻って来るのも大変ですから付近で写真撮影する1時間コースがおすすめかもしれません。またと無い機会ですので、女性の方は利用されてみてはいかがでしょうか?

大門坂茶屋を過ぎるとすぐに、石畳の道をはさんで両側に立っている二本の杉。樹齢800年を超える杉で「夫婦杉(めおとすぎ)」と呼ばれています。恋愛成就や夫婦円満にご利益がありそうです。ここは絶好の写真撮影スポットのようでした。

夫婦杉を過ぎると本格的な山道になってきます。少し進むと右手に石碑のようなものが見えます。ここが中辺路の最後の王子社とされる「多富気王子」です。立派な祠があるわけではありませんが、長い年月を通じて参詣者の思いがこもった神聖な場所のようです。短い道中ではありますが、無事に熊野那智大社まで参詣できることを祈願しました。

そのあとはひたすら石段・石畳の山道を登っていきます。苔むした石段と杉木立という平安時代にタイムスリップしたような神秘的な雰囲気を感じながら歩きました。

最初の10分くらいは楽しみながらでしたが、だんだんきつくなってきて最後は息が切れそうな感じでした。11月中旬の気温20度くらいでしたが、結構汗もかきました。やはり平安衣裳を着て登るのは大変そうですね。とくに夏場は熱中症に注意が必要です。

なんとか完走し、最後はお土産物屋の大きな駐車場の裏手に出たところでゴールとなりました。バス停「大門坂」からの所要時間は40分くらい。杖は借りて来て正解でした。あと、途中で水分補給できるように飲み物は必須です。

最大の難所は熊野那智大社までの階段

さきほどの熊野古道のゴール地点から車道に出て、少し右手に行くと郵便局があります。その横に「参道入口」の標識がありました。ここから熊野那智大社に向かいます。

が、ちょっとショックでした。目の前にはすごい階段が待ち受けていました。

お参りの順路は下の図のとおりです。むしろ、熊野古道のゴールからが本番という感じ。杖はまだまだ役に立つので持っておきましょう。先は長そうです。

熊野古道で体力を消耗してからだったので、熊野那智大社までの登り道はほんとうに辛かったです。幸い熊野那智大社の参道に入るとお土産物屋が多かったので、道中でお土産物を見ながら休み休み進むことにしました。途中にはカフェもちらほらありましたので、ほんとうに辛い場合はカフェで少し休むことも考えていいと思います。

そうこうしながら、やっと熊野那智大社に到着。やっと平坦な場所に出たのでホッとしました。広い境内に朱塗りの社殿が美しいです。さすがに歴史ある荘厳な雰囲気の神社です。

境内にあるテラスからの眺めも最高。苦労して登った甲斐がありました。拝殿でのお参りをし、御朱印を頂きました。熊野の神様のお使いである「八咫烏(やたがらす)」の御守りも頂くことができました。

青岸渡寺と那智の滝をお参り

続いて青岸渡寺です。熊野那智大社の授与所の奥にある門から通り抜けるとすぐなので便利です。この先、那智の滝までは登り坂は無いので有難いです。青岸渡寺は、思ったほど大きな本堂ではありませんでしたが、ここも歴史を感じさせる建物です。青岸渡寺は本堂に入ることができますので、中へ入って参拝。御朱印は本堂内の納経所で頂くことができました。

続いて三重塔に向かいます。青岸渡寺の本堂からそれほど遠くありません。ちなみに那智の滝と三重塔が並んで映っている写真をよく見かけますが、その撮影ポイントは、たぶん下の図の位置あたりだと思います。

同じような感じで撮影してみましたが、やっぱりうまくいきません。一眼の高いカメラじゃないとうまく撮れないかもですね。

三重塔は拝観料300円かかります。エレベーターで上まで登れて那智の滝がよく見えました。しかし、見るものはそのくらいですから、時間が無い場合にはわざわざ中に入るまでの必要はないかな、と思いました。

三重塔からは下り坂が続きます。途中、5分ほどの短い区間ですが、森の中の古道を通りました。古道を抜けると売店などが立ち並ぶ車道に出ます。帰りのバスに乗るバス停「那智の滝前」もここになります。

少し先を見ると大きな鳥居がありますので、そこが那智の滝のある飛瀧神社の入口です。ちなみに、杖の返却ボックスがこのバス停「那智の滝前」のところにありますが、那智の滝から戻って来る道が上り坂なので、このまま杖を持っていったほうがいいと思います。

鳥居をくぐって飛瀧神社の参道を進んで行くと、ここも杉木立に囲まれた石畳の古道で、神聖な雰囲気を感じます。長い階段を下りて行くと那智の滝の滝壺の近くに拝所があります。ここでひとまず参拝しました。さすがは日本三名瀑のひとつ。迫力がすごいです。

参入料300円かかりますが、さらに奥へ那智の滝の近くまで行くことができます。早速入ってみると那智の滝のすぐそばにあるテラス「お滝拝所舞台」という場所に行けました。さきほどの鳥居のある拝所よりも迫力を感じることのでき、心が浄化されるような場所でした。

たしかに参入料300円以上の価値はありました。帰り道は授与所のところに出ます。ここで飛瀧神社の御朱印を頂きました。

バスで紀伊勝浦駅へ、その後「特急ワイドビュー南紀号+新幹線」で東京へ戻る

お参りもひととおり終え、飛瀧神社の拝所を出たのが15:30過ぎくらいでした。さきほどのバス停「那智の滝前」には16:00前に着きました。杖を返却した後、少し時間があったのでお土産物屋を見物し、那智の滝前16:24発の31系統「紀伊勝浦駅方面行き」に乗車、16:48紀伊勝浦駅に到着しました(運賃は現金またはペイペイ払いで630円)。

続いて、紀伊勝浦駅17:10発の特急ワイドビュー南紀8号に乗り名古屋駅20:49着。ここで失敗でした。紀伊勝浦駅で夕食の弁当を買い忘れてしまいました。特急ワイドビュー南紀号では車内販売が無かったようなので、車内で弁当を買うこともできませんでした。名古屋駅では乗り継ぎ時間が10分しかなく、そのまま、名古屋駅20:59発の新幹線のぞみ56号に乗車。

のぞみ号では車内販売もありましたが、もういいやという気になって、そのまま食事をせずに東京駅22:36着となりました。結局、東京に着いてからラーメンを食べたという結果になりました。これは失敗でしたね。紀伊勝浦駅構内の売店で「鮪素停育(鮪ステーキ)弁当」を買っておけばよかったと後悔しています。

まとめ

早朝に出発して深夜に戻るという強行軍でしたが、東京から日帰りで熊野古道を味わうことができました。今回は「大門坂―熊野那智大社コース」だけの観光・参拝ではありましたが、熊野古道を代表する内容だったのではないかと思います。現地での時間は約4時間ありました。あまりゆっくりはできませんでしたが、今回も内容の濃い日帰り旅行になりました。次回は、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のそのほかの地域も旅行して記事を書きたいと思います。

Have a nice trip!