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東武鉄道の「SL大樹」とは、下今市駅~鬼怒川温泉駅と下今市駅~東武日光駅との間で運行する蒸気機関車 (SL) 牽引の観光列車。2017年8月より下今市駅~鬼怒川温泉駅の間で運行を開始、その後2020年10月からは「SL大樹ふたら」の名前で下今市駅~東武日光駅の間でも運行。蒸気機関車(SL)や客車の増備も行い、東武鉄道が本気で力を入れている事業のひとつとなっています。今回は、日光・鬼怒川での新名所となりつつあるSL大樹についてご紹介したいと思います。
SL大樹の見どころについて
SL大樹の見どころとしては、主役となる蒸気機関車 (SL)はもちろん、牽引される客車、後方からSLと客車を押すディーゼル機関車(DL)、そして下今市駅と鬼怒川温泉駅とにある転車台などがあります。以下、これらについて紹介していきます。
主役となる蒸気機関車 (SL)
2021年12月時点で東武鉄道は3機の蒸気機関車 (SL)を所有しています。2017年のSL大樹スタート当初より運行しているC11形207号と、2020年12月より運行開始したC11形325号と、2022年春に運行開始予定のC11形123号です。3機ともSLのなかでは人気の高いC11形です。
C11形の「C」は蒸気の力をうけてSLを動かすための動輪が機関車の左右に3個ずつあることを意味します。駅のホームや転車台では、この巨大な動輪が動く様子を間近に見ることができますが、なかなかの迫力です。
東武鉄道が所有する3機のC11形は、見た目に若干の違いがあります。C11形325号とC11形123号は機関車正面中央に一つの前照灯を備えたタイプであるのに対して、C11形207号だけは機関車正面左右に一つずつ前照灯を備えた「カニ目」タイプとなっています。C11形207号は霧が多い北海道日高地方で使われていた車両であるため、濃霧対策として前照灯が2個になっているそうです。
どちらのタイプも格好いいですが、私個人的にはカニ目のほうが気に入っています。実際に乗車する列車を牽引するC11形がどのタイプになるのかは、SL大樹公式サイトに掲載されている各月の編成予定表に詳細に記載されています。
昭和レトロな雰囲気の客車
SLに牽引される客車は、「14系客車」、「12系客車」と呼ばれるもので、国鉄時代に活躍した夜行列車などで使用された客車です。昭和レトロな雰囲気の漂う客車ですが、トイレ、座席シート、カーテンなどは綺麗にリニューアルされており快適な乗車が楽しめるようになっています。
なお、12系客車の「オハテ12 1」と「オハテ12 2」の2両は客車の片側一部が車外に露出した展望スペースとして改造され、展望車となっています。この展望スペースは、誰でも自由に利用できるフリースペースでもあるのですが、大変おすすめです。SLの動く音もよく聞こえるし、SLからでる煙や石炭が燃える匂いを直接感じることができます。客車内だけでは感じることのできなかったSLらしさを満喫することができます。
展望車のつながっていない列車編成もありますので、実際に予約される前にSL大樹公式サイトにある各月の編成予定表にてチェックをお願いします。
意外と格好いいディーゼル機関車 (DL)
下今市~日光と下今市~鬼怒川温泉はいずれも勾配のある区間となるため、SLを後ろから押してサポートするためのディーゼル機関車(DL)がつくことが多くあります。SL大樹で活躍するDLはDE10形1099号とDE10形1109号の2両で、いずれも国鉄時代に製造された中型ディーゼル機関車です。
DE10形1099号は赤い塗装であり、DE10形1109号は青い塗装に流れ星のロゴが描かれている「北斗星カラー」と呼ばれるもの。「大樹」のヘッドマークを付けた姿はどちらも格好いいですが、私個人的には北斗星カラーのDE10形1109号のほうが気に入っています。
どちらのDE10形がついてくるのかは、実際に予約される前にSL大樹公式サイトにある各月の編成予定表にてチェックをお願いします。中にはDLのつかない編成もあれば、逆にSLがつかずDLのみで客車を引っ張る「DL大樹」と呼ばれる編成もありますので、事前に確認をお願いします。
迫力ある転車台
下今市駅と鬼怒川温泉駅には転車台があります。転車台とは、SLを載せて180度向きを変えるためのターンテーブルのようなものです。下今市駅と鬼怒川温泉駅では、どちらもこの転車台での作業が間近で見学できるようになっています。
下今市駅と鬼怒川温泉駅での転車台作業が行われる時間は、SL大樹公式サイトにある転車台入線時刻に載っています。SL大樹が下今市駅や鬼怒川温泉駅に到着して20分くらい後の時間になりますので、SL大樹を下車した後に転車台のほうへ移動すれば十分見学が可能です。
ちなみに、下今市駅の転車台は改札を出ずに構内を移動したところにあります。SL大樹を下車したホームから跨線橋を渡って改札口とは反対側に下りると転車台のある広場に出ます。転車台の見学をしたい場合には、間違って改札を出てしまわないように注意してください。なお、鬼怒川温泉駅の転車台は改札を出て駅前の広場のところにあります。
SL大樹を利用してみて気づいたこと
私はSL大樹に2回乗車しましたが、そのときの感想や気づいた注意点などをご紹介したいと思います。
きっぷの予約・購入はネットが便利
SL大樹に乗車するには乗車区間の運賃とは別に「座席指定券」を購入しなければいけません。ちなみに、運賃のほうは駅の券売機で乗車券を購入したり、PASMOやSuicaなどの交通系ICカードで支払ったりすることが可能です(下今市駅、東武日光駅、鬼怒川温泉駅などはいずれも交通系ICカードが利用できます。)。
SL大樹の座席指定券は、乗車日の一ヶ月前の日午前9時から発売されます。東武線各駅の有人窓口(駅の券売機では予約・購入できないので注意)や東武トップツアーズ窓口にて予約・購入できますが、ネットで予約・購入するのが、わざわざ駅などに出向く必要もなく、予約時にシートマップから好みの座席を自分で指定できるのでおすすめです。
なお、ネットで予約・購入するのは便利なのですが、きっぷはeチケットになるため乗車の記念になるような「紙のきっぷ」は発行されません。また、クレジットカード払いが必須になります。紙のきっぷが欲しいとか、現金払いにしたい、という場合には、東武線各駅の有人窓口や東武トップツアーズ窓口にて直接購入するか、あるいは電話やネットで予約のみ済ませたうえで、発行された予約番号をもって東武線各駅の有人窓口や東武トップツアーズ窓口にて購入する、といった方法が可能です。注意点として、電話やネットで予約のみ行う方法は、予約時点での座席指定ができないため、希望する位置の座席が確保できない場合もあります。
展望車がおすすめです
できれば、展望スペースのある「オハテ12 1」か「オハテ12 2」が連結された列車に乗車することをおすすめします。上でも書きましたが、展望スペースからはSLや客車の音、煙や石炭が燃える匂いなどを直接感じることができます。SLの観光列車は他社でもいろいろとありますが、展望車があるのは大変珍しく、他ではできない貴重な体験をすることができます。
注意点として、展望スペースの柵の外に顔や手を出さないようにしましょう。また、スマホやカメラも柵の外に出さないようにしましょう。日光線や鬼怒川線では、結構、障害物すれすれのところを車両が通過するポイントもあります。最悪の場合、大けがをしたりスマホやカメラが破損したりするおそれがあります。
また、当たり前のことですが、自席を離れて展望スペースへ移動する際には、貴重品などを席に残したままにしないようにしましょう。
乗車するのは下今市発の便が面白い
下今市から東武日光に向かって上り勾配になっています。同じく、下今市から鬼怒川温泉に向かっても上り勾配になっています。上り勾配ではSLは相当パワーを出しているようで、力強い振動や音が客車のほうにも伝わってきます。乗車するのであれば下今市発の便にしたほうが、SLならではの醍醐味を感じやすいと思います。
下今市から東武日光は約7kmで所要時間は約20分、下今市から鬼怒川温泉は約12kmで所要時間は約35分。座席指定券の料金はどちらも760円なので、下今市から鬼怒川温泉への便のほうが乗り得のようです。
転車台の見学はしたほうがいい
下今市駅と鬼怒川温泉駅にはそれぞれ転車台があり、SL大樹の運行日には、多い日で一日それぞれ4回ずつの転車台作業が行われています。転車台作業の見学は無料でしかも予約も不要です。SL大樹に乗車する場合はもちろんですが、SL大樹に乗車しない場合でも、下今市駅や鬼怒川温泉駅に立ち寄るのであれば、転車台を見学していくことをおすすめします。
東武鉄道のSL大樹は、乗車することでSLの魅力を感じることができるような工夫が多くなされているのだと思いますが、やはり外から見物するほうがSLの迫力ある姿をより感じることができますよね。SLが転車台の上で回転する様子も面白いですが、巨大な動輪を回しながらゆっくりと転車台に出入りするSLの姿も迫力があり見ごたえがあります。
まとめ
日光・鬼怒川での新名所となりつつある東武鉄道のSL大樹は、乗車時間は1時間にも満たない比較的短い観光列車ではありますが、随所にSLの魅力を感じることのできる工夫がなされています。どちらかと言うとアトラクションに近い感覚で利用してみてもいいのではないでしょうか?日光・鬼怒川へ旅行される際には旅の予定に組込むことをおすすめします。
Have a nice trip!