「東郷神社」都心にある日露戦争の英雄を祀る神社(その1)

2020年4月22日

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日露戦争関連の戦勝記念碑や戦没者慰霊碑などは神社の境内などでよく見かけますが、東京の都心には日露戦争の英雄を主祭神として祀る神社が存在しています。今回は、日露戦争での連合艦隊司令長官である東郷平八郎提督をお祀りする「東郷神社」をご紹介したいと思います。

勝利と至誠の東郷神社

東郷提督が昭和9年(1934年)に亡くなると、全国から東郷提督を顕彰する神社建立の要望と献金が相次ぎ、その結果、東郷神社が昭和15年(1940年)に創建されました。主祭神は東郷平八郎提督です。勝利と至誠の神社ということですが、「勝利」はもちろん東郷提督が日露戦争を勝利に導いたから。「至誠」については、「至誠(まごころ)は神に通じる」、つまり「まごころをもって事に当たれば好結果がもたらされる。」というのが、東郷提督のモットーであったからだそうです。

東郷提督とゆかりの深い、横須賀にある戦艦「三笠」や三笠公園については、以下の記事でも紹介しています。

東郷神社へのアクセス

下の地図にもある通り原宿の竹下通りの裏側にあります。若い人たちで賑やかな竹下通りのすぐ近くにこんな静かな場所があるとは驚きです。

JR原宿駅からは、徒歩10分の700mくらいです。駅前から竹下通りに入り、明治通りまで突っ切ります。明治通りを左に曲がって「神宮前タワービルディング」を過ぎると、その隣に東郷神社の参道入口があります。

地下鉄の東京メトロ「明治神宮前(原宿)」駅からのほうがもう少し近いかもですね。地上に出ると表参道と明治通りが交差する「神宮前」交差点です。ここから明治通りを「ラフォーレ原宿」のある方に500m進むと、「神宮前タワービルディング」を過ぎて、その隣に東郷神社の参道入口があります。

東郷神社の参拝レビュー

東郷神社の参道の入口はそれほど大きくなく、注意していないと通り過ぎてしまいそうな場所です。近代的なビルの谷間にひっそりとあるような感じです。「東郷神社」という大きな社号碑と、2つの大きな石灯篭が目印です。

「Z旗」は東郷神社のコンセプト

入口から鳥居をくぐって参道に入ると、これまでの原宿の華やかな街の雰囲気とはうって変わって、森の中に入ったような小道が続いています。参道の脇には「東郷神社」と書かれた無数ののぼりが立っています。

こののぼりに描かれている黄・赤・黒・青の旗は、「Z旗」という旗。日露戦争時の日本海海戦の際、東郷提督の座乗する戦艦「三笠」のマストにこのZ旗を掲揚し、「この戦いに必ず勝つ」という決意を表したとされています。

「神池」のある池泉回遊式庭園

参道を50mほど進むと大きな池「神池」のある美しい庭園に出ます。ここは旧鳥取藩主・池田侯爵邸があった場所であり、著名な造園家である長岡安平により作庭された池泉回遊式庭園だそうです。神池にかかった橋の上からは、たくさんの鯉や亀が泳いでいる姿を見ることができ、都会の中の憩いの場といった雰囲気です。

東郷神社は神前式の結婚式が有名で、隣接する東郷記念館は結婚式場として人気があります。そのためなのか、結婚式を控えたカップルがこの神池のほとりで写真撮影したり、スタッフと打合せしたりする姿をよく見かけます。

境内の展示パネルで東郷提督について学ぶ

神池から階段を登っていくと神社の神門があり、手前に手水舎があります。この神門をくぐると境内に入ります。境内は塀で囲まれた中庭のようになっていて一番奥に拝殿があります。

周囲には、海軍・海事・水産関係者の方々をお祀りする境内霊社「海の宮」や、社務所、そして東郷提督の生涯を紹介する絵画パネルが多数展示されています。

展示パネルを見ていくと東郷提督の偉大さを学ぶことができます。これでご利益のほうもより実感できるのではないでしょうか?

授与品にはハローキティとのコラボもある

社務所では多数の授与品がありますが、Z旗のデザインがあしらわれた「勝守」というお守りが一番人気のようです。そのほか、意外だったのはハローキティとのコラボ授与品が多く、ハローキティのお守りや御朱印帳、ハローキティ版の御朱印などがあります。東郷提督のイメージとは真逆ですが、若い女性の街、原宿というお土地柄なのでしょうか。

独特な造形の珍しい狛犬

最後に、狛犬好きの方は関心があると思いますが、東郷神社にある珍しい狛犬をご紹介いたします。この狛犬は合計2対あり、1対は神池から神門へ通じる階段の両脇に立つ狛犬、更に1対は手水舎から道を渡った奥にある「潜水艦殉国碑」の両脇を守る狛犬。普通の狛犬は柔らかい丸みのある造形であるのに対して、ここの狛犬は角ばったマインクラフトっぽい造りになっています。

どういった経緯かはわかりませんが、かつて東京築地の海軍大学校の敷地にあった有栖川宮威仁親王像の台座の四隅を固めていた4体の狛犬が、東郷神社に移されたのだそうです。

まとめ

若者文化の先端を行く原宿に日露戦争の英雄を顕彰する神社があるというのは不釣り合いな気がしつつも、浮いた存在として寂れる訳ではなく、今でも結婚式場としても人気があり、ハローキティとのコラボなどで若い世代にも受け入れられている神社であることに安堵を感じました。

日本のために戦った英雄のことがこれからの世代でも永く語り継がれていくことを願ってやみません。

東郷神社と対をなす「乃木神社」については、以下の記事をご覧ください。

Have a nice trip!

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Posted by mikeneko