SLだけじゃない!秩父鉄道「パレオエクスプレス」でレトロな鉄道を楽しむポイント

秩父鉄道「パレオエクスプレス」については、東京から最も近い蒸気機関車(SL:C58)として、以前にもこのブログでご紹介しましたが、今回はSL以外にもレトロな鉄道を楽しむことができるポイントをご紹介しつつ、熊谷駅から三峰口駅までの乗車で気づいたことなどもご紹介したいと思います。なお以前の記事についてはこちらをご覧ください。

パレオエクスプレスでレトロな鉄道を楽しむポイント

秩父鉄道「パレオエクスプレス」でレトロな鉄道を楽しむ主なポイントは、①C58形蒸気機関車、②デキ200形電気機関車、③国鉄12系客車、④三峰口駅の転車台、といった感じになります。以下、それぞれについて説明します。

①C58形蒸気機関車

説明するまでもなく秩父鉄道SL「パレオエクスプレス」の主役、C58形蒸気機関車「C58363」のこと。1944年に川崎車輛で製造されたレトロな機関車です。2020年はこのC58363が全般検査を受けていたためパレオエクスプレスは運休でしたが、検査は無事終了し、2021年2月13日より良好なコンディションで運行再開となっています。

レトロな蒸気機関車は外から眺めて鑑賞するのがメインの楽しみ方かもしれませんが、乗車している状態でも楽しみはあります。たとえば駅を発車するときに聞こえてくる汽笛や、走行中に車窓を流れていく煙などは、「SLに乗ってるんだな」と感じるポイントです。また、上り勾配になると、ドン、ドン、ドンといったリズムで列車を引っ張っていくのですが、ディーゼルや電気の機関車にはないSLらしさかなと思いました。スピード計測アプリで速度を見るのも面白いかもしれません。スピードが乗っているときは40km/hくらいで、私の計測では最高速が47km/hでした。今どきの電車にくらべるとゆっくりかもしれませんね。

そして、もちろんSLは外から眺めて鑑賞するのが一番楽しいです。始発駅/終着駅になる熊谷駅と三峰口駅ではもちろんですが、寄居駅、長瀞駅、秩父駅でも5分以上の停車時間がありますので(運転日や進行方向などによって停車時間が変わりますので時刻表で要確認)、ホームに出てC58363のそばまで行って眺めたり記念写真を撮ったりして楽しむことができます。

パレオエクスプレスの客車は4両編成になっています。停車時間中にホームに出てC58363蒸気機関車を見物しに行く場合は、駅に到着する前にあらかじめ客車の中を通って機関車のすぐ後ろの先頭車両まで移動しておきましょう。また、見物が終わったら先頭車両から乗車すればいいので、この方法により停車時間を最大限有効に使って見物ができます。なお、座席を離れる場合には貴重品などは身に着けておくことをおすすめします。

②デキ200形電気機関車

パレオエクスプレス(C58363と客車4両)を回送時にけん引する電気機関車「デキ201」は、デキ200形電気機関車というとても珍しい電気機関車です。1964年開催の東京オリンピックに向けて建設ラッシュでセメント需要が増加したことから、貨物輸送能力強化のため1,000 t級重量鉱石貨物列車牽引用電気機関車としてデキ200形電気機関車3両(デキ201、202、203)が1963年に日立製作所で製造され、秩父鉄道で運用されました。その後、デキ202と203は廃車されてしまい、このデキ201が現役で存在する唯一のデキ200形電気機関車になります。超レアなレトロ機関車です。

パレオエクスプレス(C58363と客車4両)は、熊谷駅から秩父方面に5kmほど離れた「ひろせ野鳥の森駅」横の広瀬川原車両基地に留置されており、熊谷駅始発のパレオエクスプレスは、デキ201にけん引され、つまりC58363がバックする状態で熊谷駅に入線して来ます。逆に、終着駅となる熊谷駅に到着したパレオエクスプレスは、デキ201にけん引され、つまりC58363がバックする状態で広瀬川原車両基地に向かって熊谷駅を出て行きます。

熊谷駅始発のパレオエクスプレスは発車10分前くらいに入線して来ますので、デキ201にけん引されてくる様子を見物するには、時間の余裕を見てホームに入場しておく必要があります。デキ201が客車をけん引する姿も恰好いいですし、客車との連結・分離の様子も見ごたえがあります。

ちなみに、このデキ201はC58363の不調時や全般検査の際にはELパレオエクスプレスとしてC58363の代走を務めたりしています(デキ300形やデキ500形の参加もあり)。今後もC58363が稼働できないときにはデキ201が代走としてELパレオエクスプレスを運行することもあると思われます。

③国鉄12系客車

C58363蒸気機関車がけん引するパレオエクスプレスの客車4両は、国鉄12系客車という種類のもので、1969年から1978年にかけて多数製造された国鉄の急行型客車です。現役で活躍している車両の数はまだあるようですが、SLがけん引する客車として乗車できるのは貴重な体験になります。対面型4人掛けの固定式ボックスシート、上下スライド式の窓ガラスなど、昭和のレトロな雰囲気でいっぱいです。

残念ながら国鉄時代の車内放送チャイムなどはありませんが、沿線の見どころでは秩父ご出身の落語家「林家たい平」師匠による車内放送が流れて楽しむことができました。

④三峰口駅の転車台

以前より三峰口駅の転車台は見物可能でしたが、2020年夏に旧来の「秩父鉄道車両公園」から「SL転車台公園」にリニューアルされました。これにより駅からのアクセス経路も短くなり、公園も整備されて見物しやすい環境となっています。もちろん入場料などはいりません。

パレオエクスプレスが三峰口駅に到着した後、C58363は客車から分離されて転車台のそばまで移動し、たまった灰を捨てる排炭作業や、炭水車の石炭を取り出しやすいようにする石炭ならし、熊谷への帰路で必要となる水を補給する給水作業、給油などが行われます。

以上の作業が完了すると転車台に乗り込んで方向転換します。転車台のすぐそばまで近寄って見物することができますので、C58363の巨体が回転する際の迫力が感じられます。方向転換が完了するとC58363は自走して三峰口駅に停車している客車のもとへ戻って客車との連結を行います。

熊谷駅から三峰口駅までの乗車メモ

2021年4月の金曜日(平日)に運行されたパレオエクスプレスに熊谷から三峰口まで乗車した際に気が付いたことなどをメモ的にご紹介します。

熊谷駅へのアクセスについて

パレオエクスプレスの熊谷駅発車時刻は10:12(土日祝日は10:10)です。WEBで予約した情報をもとに、当日乗車駅の窓口で発券してもらうシステムとなっており、混雑が想定されるので発車時刻の30分前には窓口に並んでおくことが推奨されています。とくにデキ201の入線風景を見るためには、早めにホームに入っておきたいので、遅くとも9:30頃には熊谷駅に到着することが必要です。

新宿駅からなら湘南新宿ラインで1時間10分、東京駅からなら上野東京ラインで同じく1時間10分ですから、東京側を8時頃に出発すれば間に合います。東京駅からなら新幹線を利用すれば熊谷駅まで37分で着きますが、特急料金で2,000円以上余計にかかってしまうので寝坊したときの最終手段くらいに考えておけばいいでしょう。

熊谷駅での発券手続きと乗車券購入

JR熊谷駅の改札を出て秩父鉄道の入口に移動します。まず秩父鉄道の券売機で乗車券を購入してから改札を通って中に入ります。改札を通ってすぐのところにパレオエクスプレスの受付(長机に係の人がいる)がありますので、ここでWEB予約時に発行されたQRコードや予約番号を見せて発券してもらいます。SL指定席券の料金(乗車区間にかかわらず片道740円)はここで支払います。支払方法は乗車券・SL指定席券ともに現金のみなので注意が必要です。

なお乗車券については「おトクなきっぷ」というのがあり、熊谷駅から乗る場合はバラで乗車券を買うよりも1,600円で秩父鉄道全線1日乗り放題の「秩父路遊々フリーきっぷ」を買うほうが安くなる場合もあります。例えば、三峰口からの帰路を、秩父鉄道で熊谷まで乗車して熊谷からJRで東京や新宿方面に戻る場合や、秩父鉄道で寄居まで乗車して寄居から東武東上線で池袋方面に戻る場合には、「秩父路遊々フリーきっぷ」を買うほうが安くなるので乗車券は券売機で買わずに、券売機横の窓口で「秩父路遊々フリーきっぷ」を買いましょう。三峰口からの帰路を、秩父鉄道で御花畑まで乗車し、西武秩父駅から西武線の「特急ちちぶ」などで池袋方面に戻る場合(私はこの方法でした)には、バラで乗車券を買うほうが安くなります。

車内弁当の予約について

パレオエクスプレスが三峰口に到着するのは12:45ですから、三峰口駅で昼食をとってもよさそうですが(駅には美味しそうな立ち食いソバもあります)、13:00ごろから転車台での見物が始まり、14:00発の折り返しのパレオエクスプレスの見送りなどしていると、14:00すぎまで三峰口で昼食をとる時間はありません。

そこでおすすめなのが、秩父鉄道のサイトから予約できる「SL車内弁当」です。少々値段は高いですが(私が買ったのは1,400円)、秩父鉄道沿線の有名レストランと提携した本格的な弁当が楽しめます。実際、とても美味しかったです。

予約方法ですが、WEBサイトでパレオエクスプレスの指定席予約を済ませた後に、続いてSL車内弁当の予約をWEBサイトで行います。乗車日、乗車駅、予約した号車番号・座席番号などの情報を入力して予約しますので、指定席の予約の後にお弁当の予約をします。代金は車内でお弁当と交換に現金での支払いです。私は熊谷駅からの乗車でしたが、発車後5分くらいで係の人が座席までお弁当を持ってきてくれました。

お弁当を食べる時間は好き好きですが、御花畑駅を出発する時間が12:15で次は終点の三峰口駅(12:45着)まで停車しませんので、人の乗り降りもなく落ち着けますので、私は御花畑駅を出てからお弁当を食べ始めました。

ちなみに、車内のワゴン販売も頻繁にやって来ますが、飲み物やスナック類、そして記念グッズなどの販売のみで、お弁当は販売していないようでした。途中の停車駅でもホーム上でお弁当を販売している様子は見かけなかったので、SL車内弁当を予約するか、あるいは自分でお弁当を用意していくか、でなければ車内で昼食をとることは難しくなります。

注意点ですが、パレオエクスプレスの12系客車は、お弁当を食べるためのテーブルは備わっていません。窓際にお茶を置ける程度の小さなテーブルはありますが、そこにお弁当を置いて食べるのは難しいです。ですので、膝の上にお弁当をのせたり、手でお弁当箱を持ちながら食べる(鬼滅の煉獄さんが車内でお弁当を食べていた方法)というやり方になります。これも昭和スタイルですね。

三峰口駅に到着してからの見物

パレオエクスプレスが三峰口駅に到着するとすぐにC58363と客車との分離作業が始まりますので、三峰口駅でホームに下りたら早めにC58363のところまで移動して分離作業を見物したほうがいいでしょう。分離したC58363はそのまますぐに自走して転車台のそばまで移動して待機します。

そのあとは13:00くらいから排炭作業、石炭ならし作業、給水作業、給油作業などが行われますが、作業は20~30分くらいかかりますのでSL転車台公園には焦らずゆっくり歩いて行けば十分間に合います。ちなみに、SL転車台公園への経路は看板も出ていますが、三峰口の駅舎を出て道路に向かって左手方向(秩父方向)に少し歩いて行き、踏切を渡ってすぐとなります。以前の秩父鉄道車両公園だったときとは反対方向の経路となるので注意が必要です。

とくに給水作業にかなりの時間がかかるようで、給水作業が終わるのが13:25頃。それから運転手さんたちが乗り込んで、転車台作業が始まるのが13:30頃でした。C58363の向きを180度回転させる転車台作業自体は3分ほどで完了します。そのあとC58363は自走して三峰口駅に停車している客車のもとへ戻って客車との連結を行います。連結作業は13:45頃でしたが、SL転車台公園からでもよく見えます。

私はそのあともSL転車台公園に残って、14:00発の熊谷行きパレオエクスプレスの発車シーンをSL転車台公園から見物しました。SL転車台公園は線路に沿って並行に長いフェンスが設けられており、見物客が多くても人が目の前を遮ることにならない作りとなっているので、気兼ねせずゆっくりと見物できるのが有難いです。

なお、熊谷行きパレオエクスプレスに乗車する予定の場合にも、連結作業が済んでから駅に移動することをおすすめします。連結作業をホームで見物したいと考えるかもしれませんが、転車台作業を終えてC58363が自走して三峰口駅に戻る間、C58363が踏み切りを往復通過するため、踏切が閉まって通れなくなります。結局、連結作業に間に合わなくなるという可能性もありますので、ご注意ください。

まとめ

秩父鉄道「パレオエクスプレス」でレトロな鉄道を楽しむポイントとして、①C58形蒸気機関車、②デキ200形電気機関車、③国鉄12系客車、④三峰口駅の転車台、以上4つをご紹介しました。注意したいのは、②デキ200形電気機関車は基本的には熊谷駅でしか見ることができず、④三峰口駅の転車台はもちろん三峰口駅でしか見ることができませんので、これら4つのポイント全てを一度に楽しむには、熊谷~三峰口の全区間をパレオエクスプレスに乗車する必要があります。

パレオエクスプレスの予約方法の詳細や、鉄道と観光を半々くらいに楽しみたいという場合のおすすめコースなどについては、以前の記事をご参考にしてください。

デキ形電気機関車にも興味のある方はこういった写真集もおすすめかもですよ。

Have a nice trip!